小学校の就学準備を意識するこの時期、通常級か支援級(特別支援学級)にするかでお悩みではありませんか?1日の大半を過ごす小学校、子どもに適した就学先を選択したいですね。私が息子の就学先を選択するためにしたことをお伝えしていきます。
【目次】
1.通常級にするか支援級にするか毎日頭を悩ませていた
2.子どもに適した就学先を選択するポイント2つ
◆子どもの能力に合わせた学習が受けられる
◆子どもが馴染める環境である
3.就学先を決定するためにしたこと
◆就学時学校見学
◆知能検査(WISC)を受ける
◆就学相談を受ける
◆小学校で面談
1. 通常級にするか支援級にするか毎日頭を悩ませていた
現在、小学3年生の息子は、4歳で注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向があると診断され、幼稚園に通いながら放課後は週に1回、民間の療育にも通っていました。
おしゃべりは好きなのでお友達や先生とスムーズに会話はできるものの、
・集団行動よりも自分のやりたいことを優先する
・やりたくない活動は参加しない
・集中していた遊びを終わりにすることが難しい
という困りごとがありました。
そして年長の6月に知能検査(WISC)を受けたところ、結果が全検査(FSIQ)73ということが判明しました。
息子はおしゃべりが上手だったので私にとっては予想外の値でした。
平均は100なので、通常の子どもより30近く低い状態です。

その状態で、そしてADHDの傾向もある息子は小学校に入り通常級でやっていけるのだろうかと考えると不安でいっぱいでした。
息子が通常級についていけず苦しい思いをしないか、支援級を選択したほうが良いのか、毎日息子の就学先のことで頭を悩ませていました。
2 . 子どもに適した就学先を選択するポイント2つ
子どもの就学先を考える際に一番大切なことは子どもが安心して楽しく通えることです。
安心して楽しく通えないと子どもは生きづらさを感じ、登校しぶりや不登校につながることもあります。
それは子どもにとっても自信を失う経験になりますし、それを身近に見守るお母さんも心苦しくなりますよね。
子どもが安心して楽しく通えるために就学先を選択するポイントが2つありますのでお伝えします。
◆子どもの能力に合わせた学習が受けられる
子どもの能力に合わせた学習ということは、子どもが理解できる言葉で理解できる方法で伝えてくれているかということです。
なぜなら人間の脳は、理解できる情報が入ってきたときに初めて脳で酸素が消費され脳細胞が活動し成長するからです。
私たち大人も全くわからない外国語を聞いても全然頭に入ってきませんよね。
子どもは理解できたときに、初めて楽しい!と感じ、ぐんぐん成長することができます!
通常級での学習は口頭での一斉指示も多いため、耳で聞き理解する力が育っているか、また板書のときに黒板の文字を目で見て理解し、記憶しノートに書き写す力が育っているかは大事な判断ポイントになります。
一方、支援級での学習は、少人数でクラス編成されているため、先生が子どもの特性や能力を理解し、子どもの学びのペースに合わせて、その子の特性を活かしながら理解できる方法で学習を進めていきます。
そのため、まずは子どもの現在の力を理解し、子どもが「授業わかる!楽しい!」と思えるような環境を選択しましょう。

◆子どもが馴染める環境である
子どもが馴染める環境かということは、その子どもにとって居心地が良く安心して過ごせるということです。
少人数で静かな環境だと落ち着いて過ごせる子どももいれば、大人数の集団のほうが賑やかで居心地良く過ごせる子どももいます。
また通常級だと授業だけでなく休み時間にお友達と過ごす、係の活動を通してお友達と協力するなどの社会性も必要になってきます。
そのため大人数の集団の中でお友達の刺激を受けながらのほうが過ごしやすいか、それとも少人数で先生のサポートを受けながら自分のペースで活動していくほうが過ごしやすいかなど、その子どもの社会性や特性を理解することが必要です。
それを理解した上で子どもが馴染める環境を選択することが大切です。
3.就学先を決定するためにしたこと
子どもが年長のときに就学先を決定するために実際にしたことをご紹介していきます。
◆1. 就学時学校見学
息子が年長の6月頃に、通う予定の小学校の学校見学に行きました。
その際に支援コーデイネーターさんから、「無理に通常級にしてついていけないと子どもの肯定感が下がってしまいます。支援級で自信をつけてから通常級に移動すると子どもの肯定感も上がります。」という説明がありました。
このことから、子どもが自信を持って学校生活を送るためには、子どもの現在の力に合わせた選択の必要性があると感じました。
◆2. 知能検査(WISC)を受ける
1年に1度診察を受けていた療育センターで、就学に向けて得意不得意を知るために知能検査を受けました。
検査結果は全検査73で、言語は平均値、それ以外の知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度は低い値でした。
臨床心理士さんから、息子は経験のあることを用いて言葉でやり取りを行うことが得意という助言をいただき、今後の学校生活では、わかりやすい言葉を使いながらのサポートをお願いしようと考えました。
◆3. 就学相談を受ける
年長の夏休みに総合教育センターで就学相談を受けました。
就学相談とは子どもにどのような支援が必要か、どのような教育環境が合っているかを相談するために行います。
子どもは1対1で、簡単な指示に従えるかなどの行動観察をし、その間に私は担当の方と面談をしました。
息子は落ち着いて指示に従えていたこと、言葉の理解ができたことからIQは低いものの通常級を勧められました。
専門家の見立てなので信頼性も高く、私は通常級でいく方向で考えていくことにしました。

◆4.小学校で面談
小学校の校長先生・支援コーディネーターさん・息子・私と4人で面談を行い、知能検査や就学相談の結果をもとに通常級か支援級かについてのお話をしました。
そこで「息子さんが一番成長できそうな環境を選択することが良いですね」という助言をいただきました。
また、通常級や支援級を息子と一緒に見学したところ、息子は「大人数のクラスがいい。絶対にみんなと一緒のクラスがいい。」という希望を伝えてくれました。
息子が一番成長できる環境、それは何かと夫婦で考えたときに、お友達が大好きな息子は通常級でお友達からの刺激をたくさん受けることが成長につながる!という結論にいたりました。
学習面や集団行動の不安はありましたが、毎日通うのは息子なので、その息子の希望を尊重し、応援したいと決意しました。
その結果、現在小学3年生の息子は、家庭での学習サポートはするものの学校には楽しく元気に通い、成長もしています。
子どもが安心して楽しく小学校に通えるように、子どもの現在の力や特性を理解し、そして専門家の意見・子ども・お母さん・お父さんの意見全てを出し合って、子どもにとっての一番の選択肢を見つけていきたいですね。
子どもが元気に学校に通えるように、家庭でできるサポート方法!無料のメルマガで学べます
執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)