勉強が苦手でも「頑張ればできる」「たくさんやったらできる」と思ってしまっていませんか?勉強で苦労している場合、もしかしたら学習障害の特性があるかもしれません。その特徴とお母さんができることをお伝えします。 |
【目次】
1.勉強で苦労している発達障害・グレーゾーンの子の本当の悩みに気づいていますか?
2.学校への不適応がある場合は、学習障害の可能性も検討してみる
3.勉強が苦手な子の頑張りを認め、自信をつけてあげましょう!
1.勉強で苦労している発達障害・グレーゾーンの子の本当の悩みに気づいていますか?
勉強が嫌いな子、多いですよね。勉強が大好き!という子の方が少ないかもしれません。
だから、勉強が少々苦手でも「頑張ればできる」「たくさんやったらできる」と、ついつい私たち母親はそう思ってしまいます。
普通は「学習障害かも?」なんて疑うお母さんは少ないと思います。私もそうでした。
「うちの子は、勉強が嫌いなのね」と思っていただけなので、手を変え品を変え、なんとかやらせようと躍起になっていました。
注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム(ASD)といった発達障害の症状は、行動を見ればある程度は分かるので、知識のある先生や大人が近くにいれば発見される確率も高まります。それに比べ学習障害(LD)は、見つけにくいのです。
特に行動や社会性に問題がなく、学習障害がメインのお子さんの場合、教室で授業の進行を妨げるような”注目される”行動は少ないのです。そのため、勉強が苦手な子というふうにしか見てもらえず、なかなか気がついてもらえません。
ADHDと学習障害の合併の場合、行動の特性が目立ってしまって学習の特性が見逃される場合があります。
自閉症スペクトラムと学習障害の場合も同様に、自閉傾向が目立っている場合にはそちらばかりが気になります。学習の特性は、クリニックの外来で露呈することが少ないので、病院に行っても見逃されがちなのです。

2.学校への不適応がある場合は、学習障害の可能性も検討してみる
ある中学生はADHDの二次障害への対応が当面の課題でした。
ところが、よく検査をしてみると学習障害の疑いが濃厚になり、ADHDと学習障害の両方の特性に困っていることがわかりました。
二次障害の原因の1つに学習への不適応があったんだ…と後からわかったというケースもあるのです。ADHDの特性が注目されやすかったため、勉強で苦労していることに気づいてもらえなかったのです。
勉強をしなくてもいいように、宿題の時間になるとスマホに走る。
問題が解けないとき、どれだけ叱られたってできないから親が諦めるまで荒れる。
学校でも、不真面目に授業を受けるように振る舞って、「できなくても仕方ないか」と言われる状況を作る。
もしくは、どんどん大人しく、目立たなくなる場合もあります。
ただし共通しているのは、学習障害があると、様々な面で学校への不適応の確率が高まります。
もしも学校への不適応があるならばADHDやASDだけでなく、学習障害の可能性も同じくらい検討してみることが大事なのです。
学習障害の子は、勉強を怠けているとか、勉強が嫌いだからとか、そんな理由で学習が苦手なわけではありません。

3.勉強が苦手な子の頑張りを認め、自信をつけてあげましょう!
そんな子どもにまずやってあげたいことが、子どもの頑張りにお母さんが気づいてあげること。
学校の成績だけを見ると「なかなか褒めてあげられない」というお母さんも多いかもしれません。進路を考えると「勉強」は避けて通れない課題です。お母さんがガミガミ言いたくなるその気持ちもわかります。
でもガミガミ言っても効果がないことはお母さんが一番わかっていますよね?
まずは、できていること、やれていることを認めてあげてください。
学校に行くのがつらい状態になってしまっているなら、まず着手したいのは「苦手の克服」ではなく、「自信の育成」です。
対応する順番ってとっても大事です!一番困っていることから着手したい気持ちはわかりますが順番を意識してみてくださいね!

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)