繊細な小1のお子さんが夏休み明けに「学校行きたくない」と行き渋りをして、お困りのことありませんか?子どもが元気に登校するために最も必要なことは自信です。繊細な子どもに自信を授け元気に登校できる対応法をお伝えします。
【目次】
1.繊細な小1の子は夏休み明けに「学校行きたくない」となりやすい!?
2.繊細な小1の子どもが夏休み明けに行き渋りする理由
①初めての小学校生活での刺激で疲れている
②ネガティブな記憶が残っている
③心のエネルギー(自信)が不足している
3.繊細な子どもの自信をつけるために必要なこと
①自己肯定感を高める
②自己効力感を高める
4.夏休み明けに元気に登校できる自信の授け方
1.繊細な小1の子は夏休み明けに「学校行きたくない」となりやすい!?
夏休み明け、繊細な小1のお子さんが「学校行きたくない」と言い、お困りのことありませんか?
長期休み明けに、「学校行きたくない」と登校しぶりをする子どもに多いのが、人一倍敏感で繊細なタイプの子どもです。
わが家の息子も繊細なタイプで、幼稚園のころは普段は元気に登園するものの、進級時や長期休み明けは緊張が強く、行き渋りをすることがありました。
そして小学校に入学後は新しい環境に適応できずに、1学期は登校しぶりをしながらなんとか通っている状態でした。
子どもの希望に応じて、教室まで付き添ったり、学校の門の前まで見送ったり、通学路の途中まで送る毎日でした。
学校にはあんまり行きたくないけれど、行かなくちゃいけないから頑張って行っている状況でした。
そんな状態で夏休みに入ったため、夏休み明けも「学校行きたくない」と登校しぶりをするかもしれないなと覚悟をしていました。
しかし、私の心配とは裏腹に、夏休み明けの登校日初日に息子は「今日からは1人で行く!」と言い、全く登校しぶりすることなく元気に登校したのです。
なぜ、繊細なタイプの息子が夏休み明けに元気に登校することができたのか、親がどのような対応をすれば夏休み明けも元気に登校できるのか、こちらの記事ではお伝えしていきます。
2.繊細な小1の子どもが夏休み明けに行き渋りする理由
夏休み明けに行きしぶりをする理由として、生活リズムの乱れや、人間関係や勉強面での不安もありますが、繊細な子どもの場合は根本にあることとして以下のことがあげられます。
◆①初めての小学校生活での刺激で疲れている
小学1年生の場合、入学後には園では経験しなかった初めてのことをいくつも経験しています。
勉強、日直、係の活動、給食、宿題など、繊細な子どもにとっては、どれも大きな刺激となります。
先生に求められていることは何か敏感に察知して、それをこなそうとしますし、ルールをきちんと守ろうとします。
そしてそれがうまくできないことで、ひどく傷つくことがあります。
そのため、刺激が多い学校という集団生活では常に気を張っているので、疲れやストレスになりやすいのです。
◆②ネガティブな記憶が残っている
繊細な子どもの場合は感受性が豊かなので、一度失敗をしたり、嫌な気持ちになった経験をすると、その気持ちや記憶をひきずりやすい傾向があります。
例えば、宿題を忘れて先生に怒られて悲しい気持ちになった記憶、みんなの前で発表するときに失敗しないかなと心配になりすごく緊張した記憶など。
子どもによっては、終わってしまえばケロッとして切り替えられることでも、繊細な子どもの場合はそのようなネガティブな記憶をいつまでも覚えていて、また次も同じようなことを繰り返したらどうしようと不安になることがあります。
夏休みという長期の休みでは、その不安から解放されて気持ちが休まる反面、夏休み明けに学校に通うことを考えると、ネガティブな記憶を思い出し、またそれを繰り返す生活に戻るのかと不安を感じることがあります。
◆③心のエネルギー(自信)が不足している
繊細な子どもが元気に学校に行くために最も必要なことは、心のエネルギー(自信)が十分にあるということです。
なぜなら、学校という刺激が強い環境では、多少嫌なことがあっても自分を信じて行動する必要があるからです。
繊細な子どもの場合、失敗した経験を人一倍敏感に感じるため、自分はできない子なんだと自信を失いやすい傾向があります。
自分自身でそう感じることもあれば、学校の先生やお友達から言われたこと、お家で親から言われた否定的な言葉によって、傷つき自信を失っていくことがあります。
そして繊細な子どもは人一倍疲れやすいので、お家が安心できて心のエネルギーを充電できる環境でないと、疲れを癒して回復することができません。
そのため、夏休みという期間に疲れを癒すことができず、周りからの言葉がけで自信を失ったままだと、夏休み明けの行き渋りにつながるのです。
そのため、夏休み明けは自信という心のエネルギーを貯めておく必要があります。
では、具体的にどのように自信を貯めていくことができるのか、お伝えします。
3.繊細な子どもの自信をつけるために必要なこと
繊細な子どもの場合、登校しぶりを防ぐためには自信をつけることが最優先です。
自信をつけるためのステップとしては
①できていることを肯定することで、自己肯定感を高める
②初めてのことにチャレンジすることで、自己効力感を高めることです。
◆①自己肯定感を高める
自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定できる感覚です。
子どもがあたりまえのようにできていることをママが笑顔で肯定していくことで、子どもが自分にはできていることがたくさんあるんだと実感することができ、自分の行動に自信を持つことができます。
そうすると、自分をもっと高めたくなり、どんどん行動するようになります。
そうなったら、自己効力感を高めるステップに移ります。
◆②自己効力感を高める
笑顔で肯定することで子どもに自信がつき始めたら、初めてのことにチャレンジする機会を作ります。
なぜかというと、チャレンジすることで自己効力感を育むことができるからです。
自己効力感とは自分はやればできると自分の力を信じることができる感覚のことです。
自己効力感を高めるためには、当たり前にできていることだけを繰り返すのではなく、今までに経験したことのないことや、ちょっと難しいことにチャレンジしてみることが大切です。
ちょっと難しいけど、勇気を出してチャレンジできた、うまくできたという経験が、子どもの本当の成功体験になります。
その経験があると、子どもは直面する困難があっても、勇気を出して乗り越えることができ、自分を信じて行動することができます。
自己効力感が高まると、学校という集団生活の中で新しく経験することや苦手なことに直面しても、自分ならできると思い、チャレンジすることができます。
4.夏休み明けに元気に登校できる自信の授け方
繊細な子どもが夏休み明けに元気に登校できるための自信を授けるために、初めてのことにチャレンジする機会を作ることが大事です。
たまたまチャレンジの機会に恵まれることもあれば、意識的にチャレンジしてみることを促すこともできます。
例えば、虫好きな子どもなら虫を捕まえるチャレンジ、食べることが好きな子どもなら料理を作ってみるチャレンジなど、子どもが興味あることに絡めてチャレンジしてみることで、自己効力感を高めることができます。
繊細な息子が小1の夏休みの時に、チャレンジすることで自己効力感を高めることができたきっかけになった出来事をお伝えします。
夏休みには息子と海や川に行く機会が何度かありました。
その際、そばで兄が2メートルくらいの高さの堤防から海に向かってジャンプをする姿を目の当たりにして、息子もジャンプしてみたいけれど、怖いという気持ちがあり葛藤していたことがあります。
そこで私が意識したことは、息子の本音を汲み取り、チャレンジするための背中を押すということです。
声かけのポイントとしては
・息子の気持ちに共感
・本音を言語化
・息子の力を信じる言葉がけ
を行うことです。
怖がる息子は「怖いな」「でもジャンプしたいな」「どうしよう」と不安がっていました。
その時に、私は「怖いと思うんだね」と不安に思う気持ちに共感し、「だけどジャンプしてみたいんだね」と本音を言葉にし、最後に「◯◯なら、勇気があるからできると思うよ」と息子ならできると信じる姿勢を見せる声かけをしました。
すると息子は「ママがジャンプしてくれるなら自分も頑張る」といい、「ママも怖いけど勇気出してジャンプしてみるね」と伝えると、足がすくんでいた息子が一歩踏み出し、堤防から海に向かって勇気を出してジャンプすることができました。
ジャンプし終えた後の息子は、やりきった表情で、「ジャンプできた」と満面の笑顔で輝いていました。
息子は自分の気持ちをママがわかってくれたと安心することができ、さらに本当はジャンプしたい!という自分の気持ちに気づくことができ、自分の力を信じることができたため、チャレンジできたのです。
その後はすっかり自信をつけて何度もジャンプを繰り返していました。
このようなちょっと難しいことにチャレンジする経験を夏休みにした息子は、目には見えない部分で自信という心のエネルギーをためていました。
心のエネルギーがたまると、繊細な子どもは自分を信じて行動できるようになります。
ちょっと難しいことにチャレンジする経験は、夏休みが終わり、新学期が始まっていても日常の中でも土日のお出かけの中でも経験することができます。
自分の行動、自分の能力を信じる気持ちは、1学期のネガティブな記憶に打ち勝つこともできます。
子どもの行動を笑顔で肯定することで自己肯定感を高め、ちょっと難しいことにチャレンジする経験で自己効力感を高め、子どもの確固たる自信を授けてあげてくださいね。
そうすると、繊細な小1の子の夏休み明けの登校しぶりも解消され、元気に登校できるようになります。
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♡小冊子のご感想
子どもの行き渋りにどう対応するのが正解か分からず困っていました。こちらの本を読んで、行き渋りが悪化する対応をしていたことに気付き、はやめに知れて良かったと思いました。また、どう対応したらいいのか、具体的な対応と声かけが書かれていたので、ありがたいです。今日から取り組んでみます。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)