発達障害・ADHDの子どもの運動会が辛い!衝動性が強い子どもの運動会を成功させる親の対応

 

子どもの運動会はパパやママにとって楽しみな行事の一つですが、発達障害の子どもが運動会でみんなと同じようにちゃんとできないことが辛いと感じていませんか?衝動性の強い子どもが保育園の運動会を成功させた秘訣をお伝えします。

【目次】

1.発達障害・ADHD傾向の運動会はちゃんとできなくて辛い!
2.一斉指示が通らない!衝動性が強いのはなぜ?
3.こまめに声かけして、できたらご褒美!
4.ちゃんとできなくてもいい!子どもの成長を楽しむ運動会

 
 

1.発達障害・ADHD傾向の運動会はちゃんとできなくて辛い!

 
 
私には注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の現在中学3年生の息子がいます。
 
 
息子は保育園時代、練習ではできていたのに運動会本番で「お遊戯はやりたくない」「お面はつけたくない」など度重なるトラブルがありました。
 
 
 保育園の運動会は働く親からしてみるととても楽しみな行事の一つです。
 
 
しかし、わが子がみんなと同じようにお遊戯や競技ができないので、次第に運動会や発表会などの行事が辛くなってしまいました。
 
 
なぜなら運動会や発表会は楽しみである一方で、衝動性の強い息子がちゃんとできるかどうかハラハラしながら固唾をのんで見ていたからです。
 
 
保育園の先生たちも運動会が近づくと、子どもたちの指導に熱が入ります。
 
 
今思うと10月は、「保育園、行きたくないな」という言葉が聞かれることが多くなっていたような気がします。
 
 
ある日、保育園へ迎えに行くとまっすぐに整列できていない4歳の息子の腕を先生が勢いよくつかんで体の向きを変える光景を目にしました。
 
 
それを目の当たりにして、「うちの子はやっぱりちゃんとできないんだな」って落胆し辛くなったことを覚えています。
 
 
運動会の1週間前のある日。保育園へお迎えに行くと、担任の先生からあることを告げられました。
 
 
 「何度注意しても指示が入らないので、パラバルーンの競技は息子君の隣には先生が入ります」と。
 
 
パラバルーンとは、大きなカラフルな布を使って風船のように形の変化を楽しむ表現や協調性を育む競技です。
 
 
最後に「ボール飛ばし」をするのですが、ボールを追いかけないように一斉指示を出しています。
 
 
しかし、わが子と数名の子は指示が守れず、そのボールを追いかけてしまうとのことでした。
 
 
私は、先生に「わかりました。運動会までに家庭でも注意するように声をかけていきます」と伝えました。
 
 
  息子には、「ボールが飛んでも追いかけてはいけないんだよ」と毎日諭すように伝えていました。
 
 
それでも、まだ運動会の練習では、飛んだボールを追いかけているようでした。
 
 
 
 
肝心の運動会ではどうだったか、最後にお伝えしますね。
 
 
 
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2.一斉指示が通らない!衝動性が強いのはなぜ?

 
 
衝動性が強い発達障害の子どもは、思いついたらすぐに行動にしないと我慢できない、自分をコントロールするのが苦手です。
 
 
そのため園や学校では先生やお友達に「ルールを守れない子、わがままな子」という印象を持たれてしまいます。
 
 
さらに子どもは目に入るものに気を取られやすいため、するべきことがあっても余計なものが目に入ると、集中できなくなってしまいます。
 
 
まさにパラバルーンの「ボール飛ばし」は、高く飛んだボールに気を取られ、ボールを追いかけたいという行動につながってしまうのです!
 
 
衝動性が強い子どもは、自制心が低く、思い立ったらすぐに行動してしまうだけでなく、楽しみの先延ばしもできません。
 
 
楽しみやご褒美を今すぐにでももらいたがります。
 
 
例えば、「今日はチョコレート1個だけど今日の分を我慢できたら、明日はチョコレート3つあげるよ」って提案したとしても、衝動性の強い子どもは、「今日チョコレートを1個もらいたい」と答えるのです。
 
 
発達障害・グレーゾーンADHD傾向の子どもは、脳の特性上、情報の整理ができないので、 集中力が続かず最初の情報しか聞いていません。
 
 
また、一斉指示となると、「自分に対して言っているのではない」と勝手に解釈してしまい、行動できないことも多いです。運動会は屋外の指示となるので、さらに聞き取りずらい環境でなおさらですよね。
 
 
しかし、衝動性が強い子どもは、創造力や行動力があるため、大人がしっかりサポートすれば、長所として能力を伸ばすことができますので、心配しないでくださいね。
 
 
 
 
 
ではどのようにして対応していけばいいのでしょうか?
 
 
 
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3.こまめに声かけして、できたらご褒美!

 
 
発達障害の息子の保育園の運動会の当日までに、なんとかボールを追いかけずに成功させるために私が取り組んだことは、2つです。
 
 
当時の私は、療育の先生から肯定的に関わる、「○○君」と子どもの名前を呼んで指示を出すようにアドバイスを受けていたので、そのように対応しました。
 
 

クイズ形式で楽しく伝える

 
 
「最後のボール飛ばしでは○○君は何をしているんだっけ?」
 
 
「最後のボールは取り行ってもいいんだっけ?」
 
 
クイズ形式で質問し、息子の名前を出すことで息子は何をしたらいいのか毎朝伝えるようにしました。
 
 

 ◆ご褒美を使ってポジティブに伝える

 
 
「ボールを追いかけたらダメだよ」という否定ではなく、「運動会の本番でボールを追いかけずにいられたら、ご褒美をあげるね。」とポジティブに伝えるようにしました。
 
 
すると、ご褒美に飛びついた息子は、「ゴジラの人形がいい!」と私が想定していたものより高価なものをせがまれてしまいました。
 
 
息子は言い出したら聞かない性格のため、これを断ると癇癪へ発展すると思い受け入れることにしました。
 
 
ご褒美にしては高価なものだったので、クリスマスプレゼントとしてあげることにしました。
 
 
詳細はこちらの記事もどうぞご覧になってくださいね。
 
 
 
ご褒美にモノをあげるのは、癖になってしまうのではないかと抵抗があるお母さんも多いかもしれませんね。
 
 
大丈夫です!但し、モノだけでなく言葉でもできていることを必ず褒めてあげてくださいね。
 
 
当時の私は発達科学コミュニケーションを知らなかったので、当たり前にできていることは褒めていませんでした。
 
 
もし、あの頃に戻れるのなら、
 
「今日も保育園で運動会の練習したんだね。」
 
「給食たくさん食べたんだね。」
 
「お友達と仲良く遊べたね。」
 
小さなできていることをもっとたくさん褒めてあげたいと思います!
 
 
大人も褒められると嬉しいですよね⁉
 
 
 「髪型似合っているね!」
 
「素敵な洋服だね!かわいいね」
 
「いつも美味しいご飯ありがとう!」
 
って褒められていたら、なんだかいい気持ちで自信と元気がわいてきませんか?
 
 
 
 
子どもも一緒なんですよね。できていることを褒めると自信につながります!
 
 
つまり、当たり前にできていることを褒めづづけると自己肯定感が育つのです!
 
 

4.ちゃんとできなくてもいい!子どもの成長を楽しむ運動会

 
 
運動会当日は、パラバルーン競技の前の親子競技中にも「ボールは見ていてね」と伝えると、息子は「できたらゴジラ買ってくれるんでしょ?」と返答があり、約束を理解しているようでした。
 
 
そして、ついに迎えたパラバルーン競技!ハラハラしながら息子の動きを凝視!
 
 
息子はすべてみんなと同じように演技することができ、最後のボール飛ばしも追いかけずに披露できました。
 
 
その一方、大勢の保護者が見ている前で飛んだボールを追いかけるお友達がいました。
 
 
会場は一瞬笑いの渦になりましたが、その子がキラキラした目で嬉しそうにボールを追いかける姿は感慨深いものがありました。
 
 
わが子はゴジラというご褒美のおかげで、パラバルーン競技中のルールを守りながら競技することができました。
 
 
 「よく頑張ったね。」と満足そうな息子の頭をなでながら褒めました。
 
 
 今振り返って考えると、保育園の先生からしてみたらボールを追いかけてケガをしてしまったら危ないですし、運動会を成功させるためには困りごとの一つだったのでしょう。
 
 
しかし、ボールを追いかけることってそれほど困った行動ではなかったと思います。むしろ、子どもらしくとても微笑ましい姿でした!
 
 
 先生や親が「子どもにちゃんとやらせなきゃっ」って思うことがナンセンスなんですよね。
 
 
他にもスタートのピストル音が怖くて泣きだしてしまう子、大勢の中走ることを嫌がる子もいて、先生が泣いている子どもを抱えて走る姿もありました!
 
 
運動会の雰囲気に緊張しながら、子どもは親が思う以上にがんばっているのかもしれませんね。
 
 
みんなのようにちゃんとできてなくても、できていることを褒めてあげればいいんです!
 
 
小さな当たり前を褒めて認めていくと、来年、再来年の運動会でできることが広がっていきますよ!
 
 
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執筆者:神田久美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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