発達障害・グレーゾーンの子ども達にはしつけも通用しない為、ママ達はどうしても子どもを叱る回数が増えてしまいます。叱りすぎて、後で後悔しているママもいらっしゃるのではないでしょうか。そんなお疲れママに、どんな風に叱れば良いのかお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害の子どもに「叱る」「しつけ」が通用しない理由
何度言っても言うことをきかない。何度注意しても同じことを繰り返す…
発達障害・グレーゾーンの子どもを育てていると、
「何度言ったら分かるの!?」
「またやってる!?」
「いい加減にして!」
こんなことを言わなくてはならない毎日の繰り返し。
叱りすぎて疲れてしまいますよね。もうお気づきかもしれませんが、発達障害の子どもにはその言葉は、ほとんど届いていません。
正しさを教えようとしてしつけをしても、その子の為にと思って叱っても、叱り方を間違えると本人にとってはただの雑音になってしまいます。
発達障害・グレーゾーンの子ども達は、脳の発達が凸凹のため、個性を持った育ち方をします。
周りとは違う目立った行動も目につきますし、こだわりの強さ、不安感の強さなどその特性からしつけも通用しません。
そのため、発達障害の子どもは日ごろから叱られることが多くなってしまいます。
叱られ続けた子どもは自信をどんどん失って、「どうせ僕なんて」と本当はできることまでやらなくなってしまうこともあります。
また、自信を失った子どもは、人からの指示や指摘に対して、どんどん拒否反応を示していくことにもなります。
否定的な言葉に対して、自分の存在そのものを否定されたような感覚として受け取ってしまうこともあるのです。
発達障害・グレーゾーンのの子どもは、不安感が強く、人の言葉にも非常に敏感という特性を持っているケースが見られます。
いつも不安な気持ちを抱えていて、必死で自分の身を守っているのです。
そんな状態で叱られ続けると、自信を無くす、反抗的な態度、また叱られる…負のスパイラルから抜け出せません。
2.「リミットセッター」としての役割を意識すると効果大!
叱り続けることが逆効果であることは、先程ご説明した通りです。それでも、叱らないといけない場面はあると思います。
我が家の叱るときの基準についてご紹介します。私と夫、祖父母も含めて、叱る基準を決めてその基準を共通認識として持っています。
ファーストステップとしての叱る基準は、他人や自分に対して危険な行為かどうか、でした。人の顔をたたいたり、道路に飛び出すなど、自分や他の人にとって危険な行為に対して叱ります。
基準については、各ご家庭で決めて頂くのが良いと思います。我が家もそこから少しずつ基準を上げて行っています。
その基準を決めて叱るときに意識して頂きたいのが、「リミットセッター」です。
リミットセッターとは、子どもが制限やルールを超えてしまったときには「これ以上はダメ!」と行動を制止し、叱る役割(禁止や注意)です。
叱ったり叱らなかったりと、主人との間で差が出ないように明確な基準として「危険な行為」に定めています。
そして、その基準(リミット)を超えたときに叱って、基準を教えていく(セットする)のです。
基準は1つでなくても良いのですが、あまり増やすと、結局いつも叱っているような状況になりかねません。
そうなってしまうと、本当に理解させたい、抑制したい行動に対する「叱る」の効果が薄まってしまうことにもなります。
一度、ご家族でその基準について相談され、ルールブックを作成しても良いですね。
3.叱り方の3つのテクニック
叱り方については、頭を悩ませている方も多いと思います。叱るときのポイントを3つにまとめましたので、参考にしてみてください。
◆①強く、短く
先ほどもお伝えした通り、叱り続けるのは本人の成長を妨げかねないです。
「あなたはいつもこうなんだから!」
「何度言ったら分かるの!?」
「またやってる!」
叱る方にしたら、その行為は「いつも」かもしれません。
しかしながら、発達障害の子ども、特に幼児期の記憶する力は、私たちの想像をはるかに超えて低いです。
そのため、「また」や「毎回」と言われても、本人にとっては記憶がないこともあるので、本人からしたら心外です。
叱る方も、ある程度過去の記憶を消し去って、今目の前で起きていることだけに対して叱る意識も必要かもしれません。
その都度、初めてのことのように、短く(分かりやすく)叱りましょう。たった一言、「ダメ!」で完結させられるのです。
◆②危険な行為はその場ですぐに
前述のとおり、子どもの記憶は短い間しか保存できません。また、興味はどんどん移り変わります。子どもの危険な行為やしてほしくないことをしたときには、その場で叱ることが大事です。
◆③叱った後はあくまでも普通に戻る
大人でも子どもでも、叱られた後は気分が良いものではありません。叱った後は引きずらずに、スキンシップを多めにとり、普通の態度に戻りましょう。
叱ってごめんなさい、というのはNG。叱ることは悪いことではありませんから。いかに普通に戻るか、がキーとなります。
そして、本人が落ち着いているときに、なぜ叱ったのか、なぜダメだったのかを説明してあげてください。
そして、もし同じ場面で危険な行為をしなかったとしたら、それが当然とは思わずにしっかりと「褒める」ことも忘れないでくださいね!
日ごろから、しっかりと肯定的なコミュニケションを取って、しっかり褒める。
本人が自信を持てるコミュニケーションがベースになっているからこそ、「叱る」が功を奏するのです。
誰しもが、我が子に大事なことを教えたい!この子のために!と思って叱っていると思います。けれど、大事なことを伝えたいのなら、叱るテクニックだけでは無理なんです。
日ごろのママとの信頼感や、お家が安全基地になっていることが大前提。
今日から叱るときには、リミットセッターとしての役割を意識して、叱ったあとは笑顔を忘れずに接してみてくださいね。
叱りすぎてお疲れママにオススメです!
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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)