たった3つ、これだけはやってほしい!発達障害・グレーゾーンの子どもの不安を取り除き、自立を育む親子コミュニケーション・テクニック  新入学編

春休み、発達障害・グレーゾーンのお母さんは、不安と心配で心がいっぱい。まずは、お母さんの不安を軽減し、入学前・直後のお子さんの不安を軽くしてあげましょう。お子さんの心に寄り添う、3ステップの親子コミュニケーションテクニックをご紹介します。
 

【目次】

 

 

1 お子さんの新入学に、不安と心配でいっぱいのお母さんへ

 
 
いよいよ小学1年生。
 
 
発達障害・グレーゾーンの発達凹凸のあるお子さんのお母さん、入学後のお子さんについて、不安と心配で心がいっぱいになっていませんか?
 
 
入学前に、「〇〇ができるようにしなくっちゃ」お子さんのためにと、毎日トレーニングに奮闘するお母さん。
 
 
入学式前の説明会などでの「〇〇ができるようにしておいてください。」そんな言葉が、お母さんを焦らせてしまうのですよね。
 
 
「あなたのためなのよ。」
「そんなことだと小学校で困るわよ。」
「何であなたはこうなのよ!」
 
 
眉をつり上げ、金切り声で叫んでもお子さんの心に全く届きません。お母さんのその一生懸命な気持ちとは裏腹に、お母さんの不安や心配がお子さんに伝わって自信を失わせ、ますます不安に追い込んでいるのです。
 
 
「小学校なんかに行きたくない!」お子さんがそんな風に感じてしまったら、とても悲しいですよね。
 
 
他のお子さんと比較して、苦手なこと、できないことばかりに目を向けず、お子さんの潜在能力と可能性を信じてあげましょう。
 
 

 
まずは、ある有名人の方のエピソードをご紹介。
 
 
「小学校入学初日から椅子にきちんと座っていることができず、先生から『退屈しちゃったかな?』と尋ねられ、赤面した。」
 
 
「2年生の頃には、よく宿題を忘れて教室の後ろに座らされていたが、同様によく叱られる女の子と2人、今度は教室の後ろで粘土消しゴムとかで遊び始めてしまうので、また怒られるという悪循環を繰り返していた。」
 
 
これは、脳科学者、茂木健一郎さん
のエピソードです。
 
 
 ちなみに、茂木さんはご自身のブログの中で、「子どもの頃、発達障害と診断されたことはありませんか?」ある児童精神科医からこう質問されたことがあると書いておられます。
 
 
「発達障害だとの診断を受けたことはないけれど、『一人学級崩壊』と言われても仕方がないくらい落ちつきがないということに十年くらい前まで気づかなかった」と続けていらっしゃいました。
 
 
得意不得意は人それぞれですが、成長しないお子さんはひとりもいません。成長の形とスピードがお母さんの願っているもの・思い描いているものとちょっと違うだけなのです。
 
 
お母さんの、お子さんを叱ってしまうそのストレス、
・お子さんの特性を理解してあげること
・お子さんの特性にあった対応をすること
たったこれだけのことを学び・実践するだけで解消されてしまいますよ。
 
 
まずは、お子さんの入学前の複雑な心を理解して、その不安を軽くしてあげましょう。
 
 

 

2 入学前・入学直後のお子さんの不安に寄り添ってあげましょう

 
 
入学前のお子さんの不安も、お子さんの個性によって異なります。
 
 
大好きだった先生やお友達に会えないこと、そこに悲しさと寂しさを引きずっているお子さん
 
 
先生やさしいかな?怖くないかな?お友達できるかな?こんな期待と不安が入り混じっているお子さん
 
 
色々なお子さんがいらっしゃいます。
 
 
大きく環境が変わるのですから、不安があるのは誰でも同じ。特に気をつけてほしいのは、保育園・幼稚園でのネガティブな経験が原因で、それが小学校でも繰り返されるのではないか、そんな不安をもっているお子さんです。
 
 
発達障害・グレーゾーンのお子さんは社会的適応能力が弱く、とても繊細
 
 
先生に叱られたこと、お友だちとのけんかやトラブル、「よくあること。」「しょうがないわね。」周囲の大人がこんな風に思われ、見逃されてきた過去の出来事の数々が、お子さんの大きな心の傷になっているかもしれません。
 
 
小学校生活に不安を感じているお子さんには自信を回復してもらい、入学に備えて欲しいですね。
 
 
お子さんの自信を取り戻してあげるために、ほめて、認めてあげましょう。
 
 
お母さんの「がんばっていたね。」「うれしかったよ。」こんなことばを添えて、成功体験を思い出させてあげて自信回復させてあげるのも効果大です。
 
 
ただし、「あの時できたから大丈夫。」とは今は言わないでくださいね。
 
 
 
 

 

3 お子さんの不安により添う時、お母さんがすべきことは、たった3つ

 
 
お子さんがお母さんに入学前の不安を打ち明ける時、お子さんは、お母さんにアドバイスを求めているのでも「大丈夫」と言ってほしい訳でもないのです。
 
 
今のこの不安な気持ちを分かってほしい、お母さんに共感してほしい、ただそれだけなのです。
 
 
まず、1つ目。落ち着いて話ができる環境を作りましょう。ながら聞きは絶対NG。
 
 
忙しいかもしれませんが、まず、お母さんが手を止めて、椅子やソファーに並んで座ったり、膝だっこしたり、お子さんと、目線の高さを合わせ、お子さんが安心して話せる環境を作りましょう。
 
 
 それから、2つ目。「ふーん」「そうなの」と相づちをうちながら、じっとお子さんの話に耳を傾けましょう。
 
 
余計なことは一切言わずに、ここは我慢。お子さんの話を最後まで聴き終わったら、穏やかな表情と、ゆったりとしたやさしい声で、「〇〇ちゃん、話してくれてうれしかったよ。こういうこと(具体的に)が不安だったんだね。」
 
 
お子さんの言葉をそのままオウム返しで大丈夫。「集団登校が不安だったんだね。」「お友達ができるかどうか心配なのね」お子さんの不安や心配を、簡潔な言葉で、できれば一言で代弁してあげましょう。
 
 
 
 
3つ目。お子さんの気持ちを受けとめた後は、スキンシップ。やさしく微笑み、抱きしめてあげましょう。お母さんが思う強さでOK!ムギューと力を入れても、ふんわり包み込むようにでも。
 
 
お子さんの話を聴いて、お母さんの心のふるえを大切にしてください。スキンシップが苦手なお子さんには、手を添える、肩を軽く叩く、お子さんが受け入れられる程度で大丈夫です。
 
 
たったこれだけのことで、お子さんの不安はずいぶん解消されますよ。
 
 
お子さんには、「お母さんは、ちゃんと私の話を聞いてくれる」「僕・私の気持ちを受け止めてくれる」
そんなメッセージが伝わり、お母さんの体温が、お子さんを癒し、お子さんの体温に、お母さんも癒されます。
 
 
そうすると、お子さんの心の中に、ご自分で解決策を探そうとする力が生まれ、学校で嫌なことがあったとしても、がんばってみよう、ちょっとだけ我慢してみよう。そんな力が生まれるのです。
 
 
お子さんによっては、何度でも同じ不安を口にするかもしれません。その度に、お子さんに付き合ってあげてくださいね。
 
 
特に、自閉症で、言葉が少ないお子さんの場合、お子さんが発した、意思を伝える言葉は大切にしてあげてください。
 
 
自閉症傾向のお子さんの場合、言葉をたくさん覚えていても、「話したい」「伝えたい」という気持ちが強く出てこなければ、ことばには出てこない場合があります。
 
 
しかも、不安になりがちな特性に加え、「変化」が苦手で、「いつもとちがう」は大嫌い。自閉症のお子さんの感覚は独特なところもあり、お母さんとは違う感じ方で、お子さん独自の表現をしているのかもしれません。
 
 
小学校に入学するということで、机やランドセルの購入や部屋の模様替え、準備された文具や勉強道具。これらも環境の変化です。
 
 
嬉しいことや楽しいことも、実はストレスの原因になることがあるのです。
 
 
だからこそ、お子さんが「不安」な気持ちを打ち明けてくれたら、お子さんの不安な気持ちにじっくり寄り添ってあげてほしいのです。
 
 
お子さんが不安になり、何かに没頭、集中してその不安と向き合っているのなら、本人の気の済むようにさせてあげることも一計です。家庭ではある程度認めてあげましょう。
 
 
歌ったり、踊ったり、絵を描いたり、粘土遊びをしたり、工作したり。自閉症傾向のお子さんの、新たな才能を発見するチャンスになるかもしれません。
 
 

 

4 まとめ

 
 
子どもの不安を取り除き、自立を育む親子コミュニケーション・テクニック
 
 
1.お母さんが手を止めて、落ち着いて話ができる環境を作りましょう。
 
 
2.共感の姿勢でじっとお子さんの話を最後まで聞いてあげましょう。
 
 
3.やさしく微笑みながら、抱きしめてあげましょう。
 
 
大切なことは、お子さんの気持ちに寄り添ってあげること。
 
 
 
 
「お母さんは、ちゃんと私の話を聞いてくれる、私の気持ちを受け止めてくれる」お子さんがこう信じられることがとても大切なのです。
 
 
実は、このテクニック、入学してからのお子さんの困りごとを知るためにも有効ですよ。
 
 
執筆者: 青山明生
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、
文学・学術修士、メンタルトレーナー)
 
 
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