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【お悩み相談室】学校の課題をやるのが面倒で、答えを書き写してしまう発達障害ADHD傾向の中学生。きちんと自分で解かせる方法はありますか?

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発達障害ADHD傾向の中2の息子の相談です。中1の頃から、学校のワークなどの課題をする際に、わかる問題も解くのが面倒で、答えを写して提出しています。休校中の課題も同じように答えを写していましたが、このままで大丈夫か心配しています。これから先、課題をきちんと自分で解いて提出できるようにするには、どうすれば良いでしょうか?

 

14歳・男子のママ

中学生になると課題や提出物が増えて、集中力の続きにくいADHD傾向のお子さんにはハードルが一気に上がりますね。今回の休校中も、たくさんの課題が出ていたのではないでしょうか。今回は、中学校の提出物への取り組み方について、同じく中学生の息子を持つ私がお答えします。

 

発達科学コミュニケーション
トレーナー 桜井ともこ

 

【目次】

 

1.発達障害ADHD傾向の子にとって苦行でしかない宿題

 
 
発達障害・注意欠陥多動障害(ADHD)傾向の中学生の提出物のお悩みは多いですよね。解き方がわかっているのに、ラクをして答えを写して提出しているということで、お母さんとしては、黙っていられないといったところですね。
 
 
ADHD傾向のお子さんは、長く集中力が続かないため、コツコツ課題に取り組むことを、ものすごく面倒に感じてしまうお子さんがたくさんいます。
 
 
実は以前は、私の息子も同じように課題をやる際に、答えを写していました。
 
 
それならばと考え、答えを全て預かるなどもしましたが、かえって言い争いが増えてしまい、ふてくされた息子は課題をやる意欲すらなくし、期限に間に合わない、そもそも出す気もないという状態にだんだんになってしまいました。
 
 
学生時代、真面目だった私にとっては、答えを写して提出するということは、とても許せない行為で、「きちんと自分でやらなければ意味がない!」と思っていました。
 
 
発達科学コミュニケーションに出会い、親子のコミュニケーションを学ぶ中で、私は息子の意欲を取り戻すにはどうすれば良いかをまず考えました。
 
 

 
 

2.中学生の提出物を、写してもやり遂げた方がいい理由、その1

 
 
彼の気持ちをじっくり聞いたところ、期限後の提出は持って行きづらいということで、なんとしても提出日には出したいとのことでした。
 
 
しかし、発達障害・ADHD傾向の子は、みなさんが思っている以上に集中力が短いです。私の息子は、当初は10分しか集中が持ちませんでした。10分ではなかなか課題はやりきれません。
 
 
そして、ただただ宿題の量が膨大に感じてしまうため、面倒だという気持ちが先に立ち、毎日コツコツやるということがとてつもなく難しいことになっていたのです。
 
 
私と同じように真面目なお母さんは、「自分で解いていないものを提出するなんて、全く意味がない」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
 
 
まず初めの段階として、「写してでも出したほうがいい理由」が実はきちんとあるのです。
 
 
当初答えを写して提出していた息子は、「自分もみんなと同じように、提出物が出せている!」ということで自分のプライドを保っていました。
 
 
しかし、私が答えを隠し提出ができなくなると、「今回も提出できなかった」「みんなと同じにできなかった」とマイナスの感情ばかりを持つようになってしまいました。
 
 
マイナスの感情に苛まれていった息子がどうなったかというと、授業を聞くことがつまらなくなり、授業中に机に突っ伏して寝てしまうようになってしまったのです。
 
 
学校から、授業態度の指摘を受けた私は、自分がやっていることが息子のやる気を奪ってしまっていることにようやく気づき、まずは「答えを写してでも提出日に間に合わせたい!」という息子の気持ちを優先することにしました。
 
 
そうすると息子は、また「みんなと同じように出せた!」「期限内に出せた!」成功体験を積んでいくことができました。自信を取り戻した息子は、授業中に寝ることがなくなり、授業に参加できるようになっていきました。
 
 

 
 

3、写してでも提出した方がいい理由、その2

 
 
私が「提出物を答えを写してでも期限内に提出したほうがいいと考える理由」がもう1つあります。
 
 
それは、提出物が帰ってきた際の先生のコメントや評価を全てチェックしてみたことからわかりました。
 
 
先生がつけている評価は、私が思っているよりもずっと良いものでした。
 
 
ワークやプリントなどはAや、A+がついているものもありました。逆にノート提出など意欲的に何が書いてあるかを問われる課題の場合は、評価が悪い傾向にありました。
 
 
つまりワークなどの提出物を、ただ「評価」という観点からだけ見ると、内容よりも、提出期限を守って出したかどうかを評価している先生が多いということがわかりました。
 
 
学校の成績は、
 
 
①定期テスト、小テストなどの点数
②課題提出の状況
③授業態度・学習意欲
 
 
主にこの3つの観点からつけられています。 内容を理解しているかどうかは、①のテスト等で判断できるので、課題提出に関しては、提出日を守って出したかどうかに重きを置いている先生が多いことがわかりました。
 
 
また私の息子のように、①と③であまりアピールできない子にとっては、課題提出は自分の意欲をアピールできる良いポイントになっていることもわかりました。
 
 
というのも、提出物を出さなくなってからは成績表の「意欲的に学習に取り組んでいる」という観点が、どの教科も軒並み下がってしまいましたが、提出物を出すようになってから、その観点の評価がまた上がってきたのです。
 
 

4.答えを写すだけで終わらさないために、お母さんにやって欲しいこと

 
 
ここで、お子さんから次の段階の「自分で解いて提出するという気持ちを引き出す」にはどうすればいいかというお話しをします。
 
 
重要なポイントが1つあります。まずは、「答えを写して提出するなんてとんでもない!」という常識を、お母さんが一旦手放してください。
 
 
たとえ答えを写していたとしても、「期限内にきちんと提出できている今の息子さんの頑張りをしっかりと認めてあげること」が重要なポイントになります。
 
 
どういうことかというと、常にガミガミ怒り続け、「こんなことではダメだ!」と否定をし続けていたのでは、提出はできていても自信が育たないのです。
 
 
さらに、提出すらできなくなると、できていないというマイナスの感情だらけになってしまうので、授業を受ける意欲すらも奪ってしまうことになりかねません。
 
 
つまり、マイナスの感情では、子どものやる気は引き出せないのです。
 
 
私は息子の中のマイナスの気持ちを消すために、「できた!できた!」という成功体験を増やしていこうと心に決めました。
 
 
私はまず息子に「本当は自分でやった方がいいけれど、まずは提出できていればよしとしよう!」と話しました。答えを写していることを許して、息子の頑張りを認めてあげるところから再スタートしました。
 
 
具体的にどういうことをしたかというと、その日から私は、答えを写している息子に、笑顔で「お!今日も課題やってるの!」「頑張ってるね!」と言い続けました。
 
 
笑顔がポイントです。答えを写している息子を全力で応援し続けました。
 
 
「今日は何の教科やってるの? へ〜今はこの単元なんだ!」と興味と関心はたくさん向けますが、答えを写していることには一切触れずに、今頑張っていることだけに笑顔で注目することを続けました。
 
 

 
 

5.常識を手放した後の息子の変化

 
 
そんなことを1ヶ月近く続けていると、息子がはじめから答えを開かなくなったのです!
 
 
よく見ていると、はじめのうちは、答えを見ずにやっています。
 
 
そうなったらこちらのものです。「おー!今日は、答え見てないね!」とすかさず声をかけると、「だってこれ簡単だもん!」という答えが返ってくるようになったのです。
 
 
つまり息子は答えを写してもいいと認められて、堂々と答えを写すようになり、ようやく「自分はOKだ!」という自信がもて、だんだんと「わかる問題は、自分で解いてみよう」というように気持ちが変わってきたのです。
 
 
そのあとは、結局分からず答えを見るときに、こちらの表情を伺うようになります。自分で解いていることを褒めたので、「答えを見ることにお母さんは、どんな反応をするのかな?」とこちらを伺っているのです。
 
 
そんなときはしっかりと、「わからなかったら、答えを見てもいいんだよ! 答えを見て、こうやって解けばいいのか!って理解すればいいんだよね」と、答えをそのまま写すのではなく、答えを見て正しい解き方を学ぶという方法を教えてあげましょう。
 
 
「たった一問でも、自分で解こうとすることが素晴らしい。結局は答えを見てしまったとしても、考えようとしたことが素晴らしい!がんばっている!」と応援を繰り返していると、
 
 
次第に「わからなかった問題のときだけ、答えを見ながら解き方を考える」という流れが定着してきました。
 
 
今回の休校中の課題では、時期的にちょうど前の学年の復習のプリントが課題になっていることもあり、「数学と理科、全部、答え見なくてもできたんだけど!」と嬉しそうに報告に来るまでになっています。
 
 
つまり答えを写していた息子を許せず、「ちゃんと自分で解きなさい!」「そんなことをやっても意味がない!」と私がマイナスのメッセージを送り続けていたから、息子には自分で解こうという意欲が芽生えなかったのです。
 
 
まずは「今できている息子さんの頑張りをしっかりと褒めて、認めてあげること」が重要になります。
 
 
そして、たとえ答えを写していても宿題をやるたびに、「よくがんばったね!」「偉かったね!」と声をかけてあげると、お子さんの目が変わってくると思います。
 
 
宿題を集中してコツコツやることは、発達障害・ADHD傾向の中学生にとってはものすごく大変なことです。だから、答えを写してでもやりたいという子には、初めは「それでもいい!」というところから始めてみるのはいかがでしょう。
 
 
一見すると、できるようになるのとは、真逆の方向に進んでいるように思えます。しかしお母さんが「できたね!」「頑張ってるね!」と声をかけてあげることで、お子さんの中に、「ちょっとやってみようかな」という意欲が出てきます。
 
 

 
 
否定の声かけをやめ、今できていることを認めるだけで、お子さんはグッと変わっていきます。
 
 
ぜひ、課題の多い今の時期に、一つ一つ自信をつけるところから始めてください。
 
 
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執筆者:桜井ともこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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