ADHD 自閉症スペクトラム

切り替えが苦手な発達障害の子どもたち。マイペースという特徴を困りごとにしないテクニックとは

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発達障害の中でも時間の切り替えが苦手で、急ぎ過ぎてしまったり、逆にいつまで待っても行動に移せなかったり、というマイペースの特徴がみられる子どもたち。その行動が集団の中でも困らないように、お家でもできる4つのテクニックをお伝えしていきます。
 

【目次】

 

1.発達障害の子どもが苦手な「時間の切り替え」

 
 
「マイペース」という言葉はよく耳にしますが、あなたはこの言葉をどのように捉えますか?
 
 
マイペースの意味を調べてみると、
 
 
自分のポリシーを大切にしている人
・周りの環境に左右されることが少ない
・やると決めたことは真面目に取り組む
 
 
など、良いように捉えられる部分と、
 
 
あまり人の話を聞かない
・空気が読めなくて協調性がない
・時間にルーズ
 
 
などあまり良い印象には捉えられない、2つの意味があるようです。
 
 
私が勤めていた保育園の子どもたちのなかで、発達障害の特性から
 
 
「あの子、先生のお話聞けてるかな?」
「ちょっと周りが見えてないかも」
「約束したお時間、守れているかなぁ」
 
 
と、心配になってしまう行動がよく見られる子がいました。
 
 
最近では脳科学の分野での研究が進み、発達障害は親のしつけが問題ではなく、脳の特性であることが少しずつ知られてくるようになりました。
 
 
しかし、私も含めベテランの保育士でさえ、1人ひとりにあった特性を理解し、対応している先生はまだまだ少ないと思います。
 
 
日常の保育の中で、まだまだ子どもたちは成長中のため、「ちょっと困った行動」は少なくはなく、日々反省と作戦を練っていました。
 
 
特に、発達障害の特徴を持った子どもたちが多くつまずいてしまう部分は、「切り替えが苦手」であること。
 
 
集団行動が得意でない発達障害の子どもたちは、マイルールを持っている子も多く、切り替えにとても時間がかかることがあります。
 
 
いつもと同じ時間、いつもと同じ場所ならば、少し先生のお話が抜けてしまっていても、お友だちを見て行動することはできます。
 
 
しかし、行事などで特別なことがあるときや、急な予定変更があったとき、このマイペースを芯に持っている子たちは、とても切り替えに時間がかかってしまうのです
 
 

 
 

2.1人ひとり違うマイペースの時間

 
 
例えば、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向が強い子は、先走ってしまうマイペース。自分の番ではないのに答えてしまったり、見えたものに突っ走っていってしまったりします。
 
 
突っ走って行くので真っ先に並べるけれど、お片付けをしていなかったり、友だちとぶつかりトラブルになったり、という問題が起きてきます。
 
 
また自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子は、こだわりが強いマイペースから、なかなか次の行動に移れないことがあります。また、不安が強いため、行動を起こすまでに時間がかかってしまいます。
 
 
ゆっくりなタイプは、お友だちが片付け終わってもまだ片付けていて、手伝おうとすると「自分でできる!」と手伝われることを嫌がることもあります。
 
 
更に、片付け終わったと思うと、そこからトイレに行きなかなか帰ってこないなど、突っ走るタイプとゆっくりなタイプの子では、かなり時間差が生まれてしまうことがよくありました。
 
 
1日の流れの中に時差ができてしまうと、どうしても待っている時間が長くなってしまいます。
 
 
待っている時間も、できる限り楽しく過ごす!ということをモットーとしていましたが、子どもたちそれぞれが、今、何をする時間かわかるようになることが大切であると考えました。
 
 

 
 

3.発達の特徴に合わせた4つの方法

 
 
発達障害の子どもたちのマイペースさは、1人ひとり特徴が違います。
 
 
その特徴を活かしていくために、4つのテクニックを使い子どもたちをまとめていきました。
 
 

①時間の見立てができる「見える化」

 
 
まずは1日の流れと行動を絵カードにし、ホワイトボードに貼り、いつでも見えるところに置いておきました。
 
 
こうすることで、それぞれ違ったマイペースの差をすり合わせられ、とても効果が高かったように思います。
 
 
予定表を見て今日の活動に不安がありそうな子には、さらに小さいボードで絵を描きながら活動内容を個別に伝えていきました。
 
 
特に初めて行く公園などは、事前にルートやどのような遊具があるのかを伝えておきます。
 
 
丁寧に、
 
「ここまでは、行ったことのある道だよ」
「この先は初めてだから、先生にしっかり付いてきてね」
「公園には、ジャングルジムとブランコがあるよ」
 
具体的に話し、心配なことがあったら、すぐに近くの先生が助けてくれることを伝えていました。
 
 
こうすることで、初めの頃は集団から遅れを取っていた子も、見通しが立つようになり、だんだんと集団に追いつくことができるようになり、マイペースが目立たなくなっていきました。
 
 

②褒めのサンドイッチ

 
 
子どもたちが行動をしているときに、褒めることはもちろんしていきますが、少しできるようになってきた頃には、そこに指示を入れていきます。
 
 
今までは
 
「靴履けたね」
「お友だちと手を繋げたね」
「並べたね」
 
と褒めていたところから、
 
「靴履けたね」
「お友だちと手を繋げたら並んでね」
「全員並べたね」
 
と、褒めの間に指示を入れます。
 
 
つまり、褒め・指示・褒めのサンドイッチです。
 
 

③できている子を褒める

 
 
集団では、どうしてもできないところに目が行き、ついつい注意してしまいますが、お家でも兄弟がいる場合は、できている方を褒めていくと、その子をモデリングできるようになっていきます
 
 
もしも、ご兄弟がいない場合は、お子さんの好きな、テレビの主人公のかっこいいところを伝え、見本にしていけると良いでしょう。
 
 
そしてできたときには「やっぱり〇〇ちゃんは、できると思ってた」肯定してあげることで、発達がグーンと伸びていきます。
 
 

④見ていない10のカウントダウン

 
 
子どもをじっと見て10数えるよりも、「見てない10のうちにできるとかっこいいんだけど!」と伝えると、マイペースな子どもたちは思った以上のスピードでできてしまうようになります。
 
 
必ず隙間から様子をのぞき、10でできる速さで数えます。
 
 
10で終わりそうもないときは7ぐらいで「もうそろそろできてると思うんだけど…」と言葉を挟み、必ず10には終われるようにします
 
 
そうして、このように時間内にできたという成功体験を沢山積んでいくことで、お互いの時間をすり合わせ、皆んなと一緒のペースで行動できるようになっていきます。
 
 

 
 
お家でも、ぜひこの4つの方法を試してみてくださいね。
 
 
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執筆者:古関ときこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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