発達障害やグレーゾーンではなくても、対人関係が苦手なお子さんていますよね。人数はそう多くはないかもしれませんが、その中には、かんもく傾向があることも。先々、日常生活で困ることが少しでも減らせるよう、今からできる関わり方をお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害やグレーゾーンでなくとも対人が苦手な子は要注意!
生まれてから、大人になるまでずーっとついてまわる人間関係。この人間関係は発達障害やグレーゾーンでなかったとしても苦手な方って多いですよね。
大人になっても人と目が合わせられなかったり、人と接する度に不安と緊張で汗が出たり…私もはっきり言って対人関係が苦手な一人です。
苦手であっても、人と話すことは嫌いではないので、私自身、今までなんとかやって来れましたが、子どものうちに緩和させてあげられたら大人になるまで引きずらないで良いことも。
対人関係が苦手なことが原因で、不安や緊張が極度に高まり、かんもく症状を発症してしまうこともあるのです。
かんもくは、あまり知られていませんが、一般的には学校などの社会的状況や特定の場面で「話せない」という状態が続くことを言います。
不安障害の一つとされており、教育現場においても、合理的配慮を求められる支援の対象となっています。
数字的には、200人に1人の割合で存在するのではないか?と言われるほどです。親が気づかないことも多く、その人数を考えるともっと多く存在する可能性があります。なかなか大きな割合ですよね。

いつか話せるだろう!と言う考え方や、「大人しい子ども」という括りで片付けられてしまうと、悪化しますます長期化することもあるので、早めの支援が功を奏すとも言われています。
発達障害・グレーゾーンの療育などの支援と同じで早ければ、早いだけ効果が出るのも早い。
今回は、発達障害やグレーゾーンではないけれども、不安や緊張が高く「かんもく」の症状が考えられる子が、先々に困らないように今できる関わりについて考えていきたいと思います。
2.かんもく傾向の子が抱える先々の懸念材料とは
かんもくのある子が先々抱える懸念材料は多岐に渡ります。話せない場面で困るというと、学校や会社を思い浮かべることも多いかと思います。
もちろん、その通りです。しかし、今回は自立に向けてできるようになることとして、 「買い物」にフォーカスしていきます。
買い物?何か困ることある?と、大抵の人は思うと思います。
困っている人が少なからずいるんです!
例えば、コンビニエンスストアで。レジ横に並んでいるホットスナックやおでんとかありますよね。
これらを購入する際には、店員さんと話す必要があるのです。しかし、話せないとなると自分が買いたいと思うものですら我慢することになります。
我慢すればそれで済む話しではあります。しかし、とても不憫に感じませんか?
たった一言!と思われるかもしれませんが、かんもく傾向のある人にとっては、たった一言ではないのです。

まだ幼いうちは親と一緒に買い物をする機会の方が多いでしょう。しかし、年齢が上がるにつれて一人で買い物に行く必要が出てきます。
いずれそうなるときに、幼いうちに買い物の経験があるのとないのとでは土台が違います。
次項では実際に我が家が行っている対策をお伝えします。
3.今日からできる!経験と場数を増やしてあげる関わり方
我が家では一緒に行く買い物では、娘の物を含め、簡単なものであれば自分で買い物をさせるようにしています。
幼稚園児ということもあり、まだまだ機会は少ないですが、段階的に進めています。
初めての買い物のときには、会話をしなくて良いようお釣りなしでお金を持たせます。そして、隣で見守りながら買い物をします。
その状況に慣れてきたら、次はお釣りをもらう金額を渡し、金銭授受のやりとりを。
しかし、ここからは子どもの様子を見ながら進めてくださいね。決して無理強いはしないようにしてください。
買い物という状況に慣れたら、少々やりとりが必要な買い物にしていきます。例えば、アイスの種類を伝えなくてはならないなど。
娘は公園の売店でソフトクリームを購入し、味を聞かれ頷くなどの表現で買い物をしました。買えたあとはもちろん褒めのシャワーです。
それに慣れてきたら、少し離れたところから見守り、お金を渡し買い物をしてもらいます。我が家では今この段階を行ったり来たりしています。
買い物をする=少しお姉さんになった気分、となるようで戻ってくる顔には誇らしい感じが見て取れます。
どうだった?と娘に聞くと、自分で買い物できて嬉しかった〜!と返ってきます。
かんもく症状には自信をつけることが必要不可欠とは言われますが、どんな角度からも自信をつけることは可能です。
実際に、少し挑戦をして乗り越えたときにつく自信は揺るぎないものだと思っています。

どうしても、我が子が話せない!となると、挑戦することを諦めたりしてしまいますが、子どもの様子を見て、どこの角度から自信をつけてあげられるかを探し、効果的にアプローチしていきたいですね。
ここでご紹介したのは我が家で行っているものです。かんもくと言えども、お子さんの症状は各々違います。
絶対に無理強いをせずに、安心というベースをしっかり守った上で、小さな挑戦を繰り返してあげてくださいね。
できても、できなくても、共感と挑戦したことへの褒めのシャワーはお忘れなく。
かんもくが、この社会でたくさんの理解が得られますように、これからも一緒に頑張りましょう。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)