我が子の乱暴な行動に「本当にしつけがなっていない!」と言われてしまったお母さん。発達障害の幼児期の子どもが、乱暴な言葉を使うのには理由があったのです。しつけではない、あなたのお子さんにあった対応策を、ここでお伝えしていきます。 |
【目次】
1.発達障害幼児期にトラブルになりやすい子
保育園や幼稚園にお迎えに行くと、子どもが乱暴な言葉を使っていて、ビックリされたことはありませんか?
私が保育園で勤めていた頃、幼児期の子どもたちには、優しい言葉を使って欲しいと願い、丁寧な言葉がけを心がけていました。
しかし、子どもたちの中には、お友だちとトラブルになるとすぐに「バカ!」「お前あっちいけ!」と強い言葉になってしまう子がいました。
子どもも大人もそうですが、怒っているときに、なかなか自分の感情を抑え、手加減したり相手の気持ちになることは難しいですよね。
特に発達障害の幼児期の子どもたちは、不注意傾向があると友だちとぶつかりやすかったり、空気が読めなくてひどいことを言ってしまったりと、何かとトラブルに巻き込まれやすいのです。
そんなときに、お友だちに強い言葉を使ってしまう場面を見ると、一体そんな言葉どこで覚えてきたのかしら?と思ってしまいませんか。
お家ではそんな言葉使ったことないのに、園で覚えてきたのかしら?と思うこともありますよね。
特に強い口調になってしまったり、お友だちとのトラブルが多い子は、保育園や幼稚園でも問題児扱いされてしまい、お母さんが1人で悩まれている方もいるかもしれません。
私が担当していた幼児クラスでも、発達障害の特性が見られるお子さんがいて、お友だちとトラブルになると「お前バカ!あっち行け!」とよく泣きながら叫んでいた子がいました。
そんな様子を見て、親のしつけがなっていないとか、お母さんが忙しすぎて愛情が足らないんじゃないか、と思ってしまっている保育士も残念ながらいました。
かくいう私も発達障害の勉強をし、発達科学コミュニケーションに出会う前は、そう思ってしまっていました。
そして、すぐにお友だちとトラブルになってしまう子のお母さんに、「保育園で少し乱暴な言葉を使ってしまうので、お家でも様子を見てください」と伝えてしまっていました。
要は、お家できちんとしつけてくださいねと伝えていたのです。
2.乱暴な言葉を使ってしまうのはなぜ?
日本の保育は長年「しつけ」というものが大切にされてきました。
しつけを否定するわけではありませんが、マイナス志向が強い発達障害の幼児期の子どもに、しつける保育は、ネガティブな脳を発達させてしまう行為になります。
自分は何をやってもダメなんだ…という自己肯定感を下げてしまう行為につながるのです。
私も発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会う前は、脳の回路とか、発達障害の特性が脳科学で証明されるようになってきているということを知りませんでした。
脳には育てる順番があります。つまりきちんと脳が育っていないままでは、いくら刺激を入れても、大事な情報を受け取っていないということが既に分かってきているのです。
ですので、発達障害の幼児期の子どもの乱暴な言葉問題を解決するには、その子の脳の特性を知り、育てていく順番を知れば適切な対応ができることになります。
乱暴な言葉を使ってしまう原因を探ると、「バカ」と言ってしまった裏には、「本当はこうしたかった」という気持ちを言葉にできなかったということがあったのです。
3.プラスの感情が湧く言い方で伝える方法
そこで幼児クラスの中で、いい言葉と、言ってはいけない言葉があることを伝え、それらを分類してみることにしました。
「バカ」「あっち行け」「お前」などは言われたらどんな気持ちになるか、クラスで話し合いました。
言われたら嫌なチクチク言葉と、言われて良い気持ちがするふわふわ言葉。
2つを分類し、紙に書いて貼っておき、いつ見てもわかるように視覚化していきました。
こうすることで、発達障害の幼児期の子どもの暴言は、とても少なくなっていきました。
感情が昂っているから押さえつけようと、強い言葉だけで働きかけるのではなく、何ができていたら感情に届くのかということを発コミュで学んだので、視覚から情報を入れる対応にしていったのです。
初めは一覧にしていた言葉も、理解してきた頃には、一言一言にわけ、ホワイトボードに貼っていくというようなゲーム感覚で楽しめると、子どもたちの乱暴な言葉がなくなっていきました。
「こう言われて嫌だった」とネガティブな気持ちを伝える子が多かったクラスが、卒園する頃には「こう言われて嬉しかった」とポジティブ志向に変わっていくことができたのです。
お家でもぜひ、言っては行けない言葉に注目するのではなく、言われて嬉しかった言葉に注目し、お子さんのポジティブ脳を成長させてあげてください。
1日がいい記憶で終われば、明日の朝すっきり目覚められること間違いなし! ぜひ、試してみてくださいね。
幼児期に発達障害の子どもが楽しみながら行える、学習法をこちらで紹介しています。
執筆者:古関ときこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)