小学生のお子さんが通知表をもらってくる時期ですね。勉強嫌いのお子さんの通知表、目を覆いたくなるぐらい悪い!としんどく思っているお母さんはいませんか?通知表を見た時、どんなリアクションをすればいいのか?実は正解があるんです。 |
【目次】
1.通知表の結果でその後の過ごし方まで変わる!?
もう3月に入り、今年度も残りわずかになりました。コロナに翻弄された2020年度も間もなくおしまいです。
この時期に避けて通れないこと、それは学年末のテスト!そして通知表…
「うちの子、大丈夫?テストもボロボロだったし…」
「通知表、どうなってるのかしら?」
「このままだと、来年度授業についていけなくなるかも…」
3月は、子どもの勉強に関してお母さんの不安や心配が噴出するタイミングなんです。

ちょっと想像してみてください。これから戻ってくる3学期の通知表、成績がものすごく悪かったらどう思いますか?
「春休み、ちゃんと復習させないとヤバイ!」
「やっぱり塾に通わせようかしら?」
なんて思いませんか?
実際に私が塾講師として勤めていた頃、春休みは塾側のキャンペーンも含めて、新しい生徒さんが一気に入る時期でした。
入塾の理由はいろいろですが、「受験の準備を早くからスタートしたい」「これから学習が難しくなるから」という早め早めの動きはごく少数で、「もうこの子の成績、やばいんです!」とお手上げ状態の方が大多数でした。
つまり、今回の通知表の結果で、春休みの過ごし方・次の学年の過ごし方が変わってしまう子が多いということなんです!
だからこそ、お母さんたちには通知表に対して正しいリアクションをしてほしいと思うのです。
2.成績が悪い子の通知表、絶対に怒らないでほしいワケ
成績に一喜一憂してはダメだと思っていても、成績が悪かったら落ち込みますよね。
ついついお子さんに、
「もっと勉強しないとだめだよ!」とダメだししたり、
「普段から勉強してないから…」と否定したり、
「いい加減に頑張りなさい!」と怒ったり、
「もう塾に入れるからね!」と罰ように言い渡したり
してしまっていませんか?
通知表が悪かったことを理由に、お子さんに対してネガティブな発言は絶対にしないようにしてください!
子どもに「お母さんは勉強さえできてたらいいんだ…」と思われてしまい、親子の信頼関係が崩れてしまいます。
塾に通知表を持ってきてくれた生徒さんは、ほぼ全員「先生、見ても怒らないでね」と前置きしていました。
通知表を見せる=大人にダメ出しされる、となってしまっているんですね。
反対に、普段はあまり褒めないけれど、通知表がよかったときはたくさん褒めてあげる、というのもNGです。
「お母さんは、僕(私)の勉強しか興味がないんだな」と思われてしまいます。
このように、成績が良くても、悪くても、通知表に対するリアクションで親子関係が悪化してしまうのは本末転倒です!
通知表は、今の学習の理解度を知らせ、これから頑張るための材料となるものなのです。
結果が悪かったからといって、やみくもに子どもを怒ることは意味がありません。
通知表で「がんばりましょう」がたくさんつく場合、テストの点数だけではなく関心・意欲・態度なども先生から見ると低い状態ということになります。
今後、少しでも評価を上げるためにできることはないか、親子で相談して作戦を立てればいいんです!
・提出物を出し忘れないよう使いやすいファイルを用意してみようかな?
・学校の先生の説明をうまく聞けていないのかな?
・タブレットなどの教材ならわかりやすくなるのかな?
・授業中寝てしまわないように、睡眠リズムを見直した方がいいのかな?
・行事があるとき、緊張を和らげるためにできることはないかな?
など、通知表を確認することは、親子で子どもの勉強や生活を改善できることはないか考え、相談する機会なのだと捉えてみましょう。

まずはこのように、通知表の位置づけをおさらいしておけば、通知表が悪かったからといって、頭ごなしに怒ることはなくなるはずです!
塾に行くという選択をするにしても、
ここまで親子でやってから入塾するか?
罰のように一方的にお母さんが入塾を決めるか?
で、その後の学習意欲がまったく違います!そして、残念ながら後者のお母さんの方が圧倒的に多いのです。
3.小学生ママなら知っておきたい、通知表へのリアクションマニュアル
さて、子どもが通知表をもらってきたとき、お母さんは通知表を見せてくれた子どもにどんな風に声をかけていますか?
通知表へのリアクションって難しいですよね。一体何が正解なのか分からない!という方、いらっしゃいませんか?
お子さん自身も、自分の成績を見て
・落ち込むタイプ
・ケロッとしているタイプ
・ケロッとしているように見えて落ち込んでいるタイプ
・言い訳を並べるタイプ
いろいろですよね。
お子さんがどんなタイプだとしても、お母さんが通知表を見た時の「正解のリアクション」があります!
それは、
「1年間、お疲れ様!見せてくれてありがとう」
この一言です。
さきほどお伝えした通り、今年はコロナで子どもたちの学校生活は大きく変わりました。
まずはこの1年を振り返って、頑張って乗り切ったことを「お疲れ様!」とねぎらってあげてください。
また、子どもは自分の通知表の内容を分かったうえでお母さんに渡しています。結果があまり良くなかった場合お母さんに見せることをためらうのも当たり前です。
「どうしよう、全然ダメだった…」
「どうしてこんなに下がってるの?って怒るかな…」
「勉強しなさい!って言われるかな…」
子ども自身も評価を受け止めきれていないこともあると思いますし、通知表を見せたくない気持ちもあると思います。
そんな気持ちを抑えてお母さんに通知表を渡してくれるのです。「見せてくれてありがとう」と言ってあげれば、子どもの気持ちもきっと和らぎます。
子どもの気持ちを和らげておくと、通知表の内容についてお母さんが声をかける段階でも、子どもが素直に聞き入れることができます。
お父さんがお給料を持って帰ってこられたときのリアクションをイメージすると分かりやすいかもしれません。「ありがとう、お疲れさまでした」と伝えますよね。

このたった一言があるかないかで、子どもたちが変わることを私は知っています。
本来親でもない私が見る権利はない通知表ですから、渡されたときは必ず
「持ってきてくれてありがとう」
「先生、見てもいい?」
と声をかけてから開くようにしていました。
そうすると、みんな表情が一気に和らいで、自分から通知表について話してくれたり、これからの勉強について話したりしてくれました。
今回の通知表は、ぜひ「ありがとう」と言って受け取ってみてくださいね!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)