小学校入学まであとひと月もありませんね!お子さんが文字に興味を持たず「まだ読み書きできないけど大丈夫?」と心配になっていませんか?焦って無理に練習させようとしても逆効果です。まずは子どもが「学校が楽しみ」という気持ちを持つことが大切です。 |
【目次】
1.もうすぐ入学なのに「読み書きができない」と心配になっていませんか?
2.焦って取り組ませようとしてもうまくいかないのはなぜ?
3.ほとんど読み書きできないまま入学した息子
4.読み書きよりも大切にしたこと
5.入学後に実感した息子の成長!
1.もうすぐ入学なのに「読み書きができない」と心配になっていませんか?
もうすぐ4月ですね。小学校に入学するお子さんがいるご家庭は、ピカピカのランドセルを見ながら期待と不安でいっぱいですよね。
入学を直前に控えて、「読み書きに興味がなくて、まだ読んだり書いたりすることができないけど大丈夫?」と心配になっているお母さんはいませんか?
通信教材で早くから文字の勉強に触れることもでき、早いと幼稚園の年中頃から文字に興味を持ち始める子もいますよね。
卒園する頃には、お手紙を書けるようになる子どももいます。
そのようなお友達の姿に、「うちの子はまだ何も書けない…」と焦ってしまいますよね。
周りのお友達が「読み書きできる」からと言って、自分の子どもにもできるようになってもらいたいと、いろいろ方法を考えて実践されているお母さんもいるかと思います。
しかし、無理に興味を持たせようとしてドリルを買って取り組ませても、なかなか上手くいかないのが現実ではないでしょうか。
2.焦って取り組ませようとしてもうまくいかないのはなぜ?
発達障害の有無に関わらず、子どもが興味のないことに取り組むことはなかなか難しいですよね。
特に発達障害・グレーゾーンの子どもは
・興味のないことには取り組みたがらない
・集中力が続かない
・じっとしていることが苦手
・文字を見ることと書くことの同時の作業が苦手
など、様々な特性を持っています。
無理に練習させようとしても子どもがイライラしたり癇癪を起してしまい、読み書きに対してネガティブな気持ちを持ってしまうかもしれません。
親の一方的な働きかけで親子関係が上手くいかなくなってしまい、さらには読み書きに対して嫌な気持ちを抱いてしまっては本末転倒ですよね。
3.ほとんど「読み書きできない」まま入学した息子
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム症障害(ASD)を併せ持ったグレーゾーンの小学2年生です。
・落ち着きがない
・思いついたらすぐに行動する
・興味のないことには集中力が続かない
・嫌な記憶に対して不安が残りやすい
・苦手なことや初めてのことには取り組みたがらない
などの特性があり、幼稚園の頃から小学生になった時の心配事がたくさんありました。
息子の特性も踏まえて、興味を持つまで無理に教えなくても良し!という考えだったこともあり、あえて通信教育やドリルをすることはありませんでした。
年長になったのをきっかけに興味を持てばと思い、お風呂場に「あいうえお表」を貼りました。興味を持って毎日見ていましたが、絵を見て字をあてるという感じで、文字を覚えるまでには至りませんでした。
そんな息子が文字に興味を持ったきっかけは、卒園式を控えて担任の先生へ書くメッセージカードでした。
クラス委員をしていた私は、メッセージカードを集めて仕上げる作業をしていました。
その時に息子は、文字を書いているお友達のメッセージカードを見ました。
そして、絵しか書いていない自分のカードとお友達の文字が書いてあるカードを見比べて「○○君、字が書けるんだね」とつぶやいたのです。
この時、初めて「文字を書く」ということに少し興味を持ったのです。
だからと言って、そこからすぐに字の練習を始めるということはしませんでした。
少し書いてみたいなという気持ちが出た程度でしたので、気が向いた時に字を書こうとする姿があるくらいでした。
そんな時は「上手に書けているね」と声をかけてあげました。
入学までにできるようになったかといえば…ほぼできない状況で入学しました。
それでも、息子は入学後の国語の授業と宿題のプリントと音読だけで読み書きができるようになりました。
4.読み書きよりも大切にしたこと
息子が入学後にしっかり授業や宿題に取り組めたのは、入学前に大切にしたことがあったからだと思います。
私が「読み書き」よりも大切にしたこと。それは、学校への期待をもてるような声がけをして入学したことです。
入学前に無理強いして読み書きをさせて学校や授業に対するネガティブな気持ちを作らないようにしたのです。
すでに小学生の娘をもつ姉から「持ち物にも名前を書くから自分のひらがなの名前が読めればいいみたいだよ」という話も聞いていたので、「読み書きができない」ということに焦りはありませんでした。
姉の話を聞いて、学校の下駄箱やロッカー、机のひらがなの自分の名前が見つけられればいいなと思い、自分の名前に興味が持てるように声をかけました。
そこで
・「学校には○○○の名前が書いてある靴箱に靴をしまうからね。」
・「探しっこゲームみたいだね」
と話をして「自分の名前」に興味を持てるようにしました。
また、筆箱や鉛筆を用意するときに「この鉛筆で字のお勉強をするが楽しみだね」とも伝えました。
5.入学後に実感した息子の成長!
読み書きができないことに対しての不安を持たずに、学校に対して期待をもって入学した息子は、授業が始まってから張り切って宿題にも取り組みました。
1文字の書き取り練習と音読合わせて5分もかからない宿題でしたが、毎日続けることで読み書きを覚えることができました。
担任の先生から、音読が苦手かもしれないとお話を受けたこともありました。
けれど、読み始めたのが遅かったこと、着実に読めるようになっていることを実感していた私は、息子の成長を見守る余裕も持てていました。
それは入学前に焦って教えようとせずに、息子の気持が読み書きに向いてから一緒に取り組めたからだと思います。
できないことや心配なことが気になり、入学前までにちゃんとできるようにならないと…と焦る気持ちもわかります。
しかし、子どもには先の不安から辛い思いをさせるよりも、まずは今を大切に過ごして「学校が楽しみ」という気持ちを育てることが一番大切なことではないでしょうか。
子どもの今の姿に寄り添い、一緒に進んでくれるお母さんの存在こそが一番の栄養です。
その栄養がたっぷりあれば、お子さん自身がタイミングをみてグングン成長していくと思います。
その過程で苦手なことが分かり、支援が必要と気が付いた時には先生と相談してお子さんに合った対応をするのが大切です。
もし、読み書きが苦手で不安を感じた時は参考になる記事がありますのでご覧になってください。
まずは、4月にお子さんとお母さんがワクワクしながら入学式を迎えられることを心から願っています。
執筆者:さとう みな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)