発達障害ASDの子へ怒らないで対応したいけど子どもを強く怒ってしまって落ち込んだ経験はありませんか?自分の感情が抑えられず反省したあと、怒りの理由を子どもに理解してもらえた私の経験をお伝えしますね! |
【目次】
1.子どもを強く叱ってしまったことありませんか?
2.発達障害ASDタイプの娘を怒ったら「大嫌い!」と言われた経験
3.怒りの本当の意味とは?
4.娘を強く怒ってしまった後の私の対応
5.娘に私の思いが伝わっていると気が付いた出来事とは?
1.子どもを強く叱ってしまったことありませんか?
発達障害の子育てに知識がある方なら、発達障害の子どもは褒めて育てよう!強く叱ってはいけない!ということをご存じの方も多いと思います。
頭では叱っていけないと理解していても、怒りが収まらずいつもより強く叱ってしまったなんてことはありませんか?
そんな時、子どもが真っ赤な顔をして
「お母さんなんて大嫌い!」と怒ってしまったり、
「私、だめな子だ」とものすごく落ち込んでしまう。
お母さん自身も思わず強い口調がでてしまって、子どもの様子をみて
「しまった、まずい!」と後悔…。
実は先日、私もそんなことがありました。

発達科学コミュニケーションを学んで、子どもを感情的に怒ってもいいことはないと頭では理解しているはずなのに、思わず子どもを強く怒ってしまうという間違った対応をしてしまいました。
あー、やってしまった!と思っても後の祭り。
子どもは烈火のごとく怒りだし、私の気持ちは全く伝わっていない。
自分の感情がコントロールできないなんて、こんなことでは積み重ねて今までやってきた肯定の声かけとか意味がないじゃないか!と自分の至らなさに腹が立って落ち込む…。
お母さんも発達障害の子どもへの対応を頑張っているだけに辛いですよね。
私も辛い思いをしたのでそんな気持ちがよくわかります。
この記事では、私が子どもへの対応を誤った後に、私が怒った気持ちを理解してもらえた経験をお伝えします。
2.発達障害ASDタイプの娘を怒ったら「大嫌い!」と言われた経験
ある日、小2の娘が遊びに行ったまま約束の時間を過ぎても帰ってこないときがありました。
もう外は真っ暗です。待てど暮らせど帰ってきません。
私は家で一人で待つうち、娘がなぜ帰ってこないのか心配でたまらなくなってしまいました。
心配が募り、「大丈夫、大丈夫」と自分の気持ちを落ち着かせるように言い聞かせながら、いつも遊んでいる公園に探しに行ったり、表で待ったりと落ち着かない時間を過ごしました。
帰ると約束した時間からもう2時間近く過ぎています。
すると娘はふらっと帰ってきたのです。
帰ってきた娘を見て安心したと同時に私は思わず強い口調で
「いったいどこ行ってたのよ!こんな暗くなるまで!何時だと思ってるの!!」
と理由も聞かず頭ごなしに叱ってしまいました。
すると娘は真っ赤な顔をして「お母さんなんて大っ嫌い!家出する!」と怒って言いました。
発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子どもはネガティブな記憶を残しやすいため、怒られると必要以上に傷ついてしまうことを知っていました。
娘は発達障害・ASD傾向があり、とても不安が強いタイプです。
ですから、私は日ごろからあまり怒らないように人一倍対応には気を付けているつもりでした。
子どもに対し、とにかくどんな時も叱ってはいけないというわけではなく、子どもの身が危険になる場面や他人に危害を加える可能性がある場面では叱る必要があるとされています。
しかし、もっと他の言い方もできますし、このように感情を抑えないで頭ごなしに叱るのは良くない対応でした。

3.怒りの本当の意味とは?
怒りは「二次感情」と言われています。
一次感情は「不安」「悲しみ」「焦り」「むなしい」などの感情です。これらの感情から怒りが沸き上がってくるのです。
私が怒ってしまった理由は「心配」や「不安」な感情からくるものです。
娘を心配して不安になる感情が怒りに変換されてしまったのです。
このように怒りの感情がどこからくるものなのか、理解できるとその感情に対する対応ができるようになります。
娘が怒ってしまった後、私がとった対応についてお伝えしますね。
4.娘を強く怒ってしまった後の私の対応
私がどう思ったかを自分を主語にして伝える方法で話しました。
このようにして相手に伝える言い方を「I(アイ)メッセージ」と言います。
私が怒ってしまった後、「お母さん、大嫌い!」と私に怒りをぶつける娘の手を握りながら、娘には私がどんな気持ちだったか話をしました。
まず初めに「大好きなあなたが帰ってきてくれて本当に安心した」という気持ちを伝えました。
その後、私が怒った理由を伝えました。
「なんで怒ってしまったかというと、心配だったからだよ。
大切なあなたが辛い思いをしていないか、
事故にあって帰れなくなっていないか、
知らない人に連れていかれたのではないかと心配していたんだよ。
無事に帰って顔をみたら安心した気持ちがでて、ホッとして大きな声で怒ってしまったんだ。
帰ってくるなり強く怒ってしまってごめんね。お母さんも強く怒りすぎた。怖かったよね。」
と、言いました。
この言い方で怒る前に伝えられたら良かったのですが、その時は感情をコントロールできませんでした。
でも、娘のことを大切に思っているから心配していたという気持ちをわかってもらいたくて娘に話をしました。
その後、娘にどうして遅くなってしまったのか理由を聞いてみました。
娘の帰りが遅くなってしまったのは、「お友達と一緒にいつもの公園じゃない違う公園で遊んでいて、楽しくて夢中になってしまったから」と、話してくれました。
娘が時間に帰ってこなかった理由を聞き、楽しい気持ちはわかると共感したあと、今度からは約束の時間に帰ってほしいことを伝えました。
すると娘は私の怒りの意味を理解したようで「今度から約束の時間に帰る」と言ってくれました。

5.娘に私の思いが伝わっていると気が付いた出来事とは?
この出来事があってしばらくした後、たまたま家族でアニメのサザエさんを見ていました。
アニメの場面は、お父さんの波平さんがワカメちゃんが夜遅くなっても帰ってこないので、心配して探しに行こうとしているところです。
サザエさんは「大丈夫よ~、そのうち帰るから」なんて言っているけど、お父さんは心配でたまりません。
そこへワカメちゃんが帰ってきて磯野家の家族みんながホッとする、というシーンでした。
娘はこれを見て
「私が遅くなってお母さんに怒られたとき、お母さんはワカメちゃんのお父さんみたいだったの?」と聞いてきました。
「そうだよ、お母さんも波平さんみたいに、心配でたまらなかったんだよ。」
「ワカメちゃんのお父さんは心配してワカメちゃんを外に探しにいこうとしていたね。」と娘がいうので、
「そうだね、お母さんもあなたが帰ってこないとき心配で公園に探しに行ったんだよ」
そんな会話から、娘が嫌いだから怒ったのではなく、娘が心配だから怒ってしまった私の気持ちをアニメの波平さんの様子に置き換えて理解してくれたことがわかりました。
怒られたイメージは強く娘に残ってしまったかもしれません。
私の間違えた対応のせいで、「嫌いで怒った」という気持ちが残らず「大好きな娘が心配だったから怒った」という親の気持ちを伝えられたことがわかり、私も安心しました。

親だって完璧な人間ではありません。
頭でわかっていても、いつも100点満点の対応ができるわけではないのです。
でも、フォローしたり寄り添って少しづつ子どもと一緒に成長すればいいんだな、と私も学びました。
大切なのは子どもと信頼関係を作ること。
この一点がぶれないように、これからも子育てをしていきたいと思っています。
私の経験が皆さんの子育てのお役に立てればうれしいです。
子どもの怒りスイッチを見つけて対応すると思わぬ効果も!参考にしてくださいね!
発達障害の不安が強い子どもへ安心の対応をお伝えしています!
執筆者:山本みらい
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)