
発達障害の兄がちょっとしたことで弟を叩いたり、蹴ったりします。私が止めに入っていますが、毎日のように続く喧嘩に疲れています。きょうだい喧嘩が減る方法を教えて欲しいです。
11歳・男の子のママ

わが家の発達障害の兄も、毎日のように妹に暴言を吐いたり、暴力をふるい、きょうだい喧嘩になっていました。私が発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぼうと思ったのも、きょうだい喧嘩を何とかしたいと思ったからです。今ではほとんど喧嘩をすることがなくなった子ども達に、どう対応したのかをご紹介しますね。
発達科学コミュニケーションリサーチャー 佐藤とも子
【目次】
1.毎日のきょうだい喧嘩に悩むママのリアル
2.発達障害のきょうだい喧嘩が止まらない3つの理由
3.きょうだい喧嘩を落ち着かせる3つの対応法
◆肯定の目を向ける
◆仲良くしている時にうれしい気持ちを伝える
◆いつもの居場所を離す
1.毎日のきょうだい喧嘩に悩むママのリアル
わが家にも発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の息子がいます。
息子が小学5年生の時は、2つ下の妹に、ささいなことで暴言を吐いたり、暴力をふるっては、きょうだい喧嘩をしていました。
毎日のようにひどい喧嘩をするので、私もかなり悩みました。毎日毎日「やめなさい!」と叫んで息子を止めていましたが、息子の怒りはなかなかおさまらなかったのです。

しかも、娘も診断はされていませんが、注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向があります。そのため、眠くなったり疲れてきたりすると癇癪を起こすことが多く、それが息子の怒りをさそっていました。
2.発達障害のきょうだい喧嘩が止まらない3つの理由
発達障害の子ども達が、小学校の高学年になっても、毎日のようにきょうだい喧嘩をするということには、子どもの特性が関係していることもあります。
例えば、ASDの息子の場合、次のような理由が考えられました。
・学校で頑張っているストレス
・自分のテリトリーに人が入るのを嫌がる傾向がある
・感覚過敏

ASDの子どもは、人との関わりが苦手なため、たくさんの子ども達がいる学校では、かなりのストレスがかかります。そのため、家ではちょっとしたことで攻撃的になり、きょうだいを叩いたりしてしまうのです。
また、わが家の場合、息子は自分のテリトリーに人が入ることを嫌がる傾向がありました。自分から人に近づくことや、自分が呼んだ場合は大丈夫ですが、妹が突然近寄ってきた時に機嫌が悪いと、必要以上に攻撃することがありました。
さらに、感覚過敏、特に聴覚が過敏なため、ADHDタイプの妹が癇癪を起こすと、その声に反応して叩いてしまったりすることもありました。
このように、発達障害の子ども達のきょうだい喧嘩には、特性が理由になっていることも多いのです。
しかし、特性だからといって諦める必要はありません。対応を工夫をすれば、きょうだい喧嘩を減らすことはできるのです。
3.きょうだい喧嘩を落ち着かせる3つの対応法
では、どのように対応すれば、きょうだい喧嘩を減らすことができるのでしょうか?
私が発コミュを学んでやってみたところ、効果があった方法をご紹介しますね。
◆肯定の目を向ける
学校で頑張ってきたストレスを抱えた兄にも、たびたび癇癪を起こしていた妹にも効果的だったのは、私が子ども達に肯定の目を向けることでした。
それまでの私は、子ども達のできていないところにばかりに目が向き、よくイライラしていました。
「どうして先に宿題をやらないの?」
「どうして食事中に席を立つの?」
このような発言は、質問というより詰問ですよね。
子ども達も私に注意されたり、責められたりすることがさらにストレスになって、きょうだい喧嘩につながっていたのだと今なら分かります。
子ども達に肯定の目を向け、笑顔で優しく
「おはよう!起きてきたね」
「靴を揃えてくれて、ありがとう!」
と、できていることやお手伝いしてくれたことを認めることで、少しずつ兄の攻撃性も減り、妹の癇癪も少なくなってきました。

◆仲良くしている時にうれしい気持ちを伝える
きょうだい喧嘩ばっかりしているとはいっても、子ども達は仲良くしている時もありますよね。そういう時は、すかさず
「仲良く遊んでてうれしいな」
「楽しそうだね。お母さんも楽しくなってくるな」
と、仲良くしている時に、お母さんがうれしい気持ちを伝えると、子ども達にも仲良くすることはいいことだという認識が強化されます。
◆いつもの居場所を離す
これは、できればということですが、子ども達がいつもいる場所を離す方法です。
お互いが離れたところに居れば、お互いが気にならなくなり、当然喧嘩も減ります。
もちろん無理やり離そうとするのは難しいかもしれません。私が子ども達を離そうとした時は、子ども達に嫌だと言われ、2人はいつも1階のリビングに居ました。
そのうち、妹の方が少し成長したのか、自分から2階の自分の部屋に移動しました。
今は、兄は1階、妹は2階というように居場所が離れたので、余計に喧嘩は減りました。
いかがでしたでしょうか?
毎日のように繰り広げられるきょうだい喧嘩も、お母さんが対応を変えれば、必ず減らすことができます。たとえ最初は目に見えた効果が感じられなくても、根気よく対応していけば、効果はあらわれます。
穏やかな毎日を目指して、少しずつ対応を変えてみませんか?
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きょうだい喧嘩にお悩みのママからよくある質問(Q&A)
Q1:発達障害のきょうだい喧嘩がひどくて、上の子を優先すると下の子がかわいそうに感じます。どうすればいいですか?
とても自然なお悩みです。実は、兄弟のうちどちらかに特性がある場合、親がバランスを取ろうと頑張るほど、どちらも不安定になりやすい傾向があります。大切なのは「どちらを優先するか」よりも、一人ひとりを“違う子”として丁寧に見ることです。比べるのではなく、「どちらも大切だよ」というメッセージが、家庭の安心感をつくります。
Q2:きょうだい喧嘩のあと、どうやって仲直りさせたらいいですか?
仲直りを「謝らせて終わり」にすると、子どもは気持ちが整理できないままモヤモヤを残しやすいです。ポイントは、「行動よりも感情に寄り添うこと」。 「嫌だったね」「怖かったね」「悲しかったね」など、それぞれの気持ちを言葉にして受け止めてあげましょう。
Q3:きょうだい喧嘩のせいで、ママ自身のストレスが限界です。どう対処したらいいですか?
まず大前提として、ママが疲れているのは当然です。毎日頑張り続けているからこそ、心も体もエネルギー切れになってしまいます。そんな時は、「子どもたちを変えよう」とする前に、自分の心を休ませる時間を取ることが最優先です。10分でもいいので好きな飲み物を飲んだり、深呼吸して「私はよく頑張ってる」と自分を労ってください。ママが少し落ち着くと、子どもたちの緊張も自然と和らぎます。家庭の安心のベースは、ママの安心から始まります。
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執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)




