「大きくなれば良くなるだろう」という考えは、発達障害グレーゾーンには通用しません
発達の相談を受けていて最もよく聞くのは、「相談に行ったら『様子をみましょう』と言われました」という言葉です。
脳の発達の専門家からすれば、発達支援において、様子見する時間の猶予などありません。それは定型発達の子どもも同じだと『非常識なおうち発達支援』(吉野加容子著、パステル出版)の著者は語ります。
『非常識なおうち発達支援』
「様子を見ましょう」と言われてしまう理由
1つ目は、相談相手が特定の年齢の発達しか知らない場合。幼児期の癇癪を見過ごしたら、その子が小学校に入ってからどんな苦労をするのかを知らない専門家や先生たちは案外多いです。「様子見」という言葉には、その先生が子どもの実態を把握できていない、対応が分からない、という意味が含まれていると理解したほうがいいでしょう。
2つ目は、相談相手を間違えている場合。お父さん、ママ友、親戚などの「男の子だから大丈夫」「大きくなったら良くなる」という言葉には何の根拠もありません。専門家ではない人からの言葉に一喜一憂すべきではありません。
3つ目は、発達障害の診断がつくほどでもないグレーゾーンだから、実質、後回しにされてしまうケースです。診断がつかなければ何もしなくていいのか?と言えば、もちろん答えはNO!です。
いずれの場合も、相談相手を変えた方がいいでしょう。時間は取り戻せません。専門家よりも、お母さんの方が子どもをよく知っているのです。お母さんが「これはまずい」と感じるなら、何か手を打った方がいいのです。
発達障害の子どもの発達が心配なら決して様子見しない
まずは「様子見せずに、ママやパパの接し方を変えること」が発達支援のスタートです。正しい接し方に変えれば、必ず子どもたちに変化が起こりはじめます。ママやパパが、子どもの脳を発達させるために、お家でやれることはたくさんあります。
発達の困りごとは、決して育て方のせいではありません。「発達=脳」の話です。脳の成長メカニズムに裏打ちされたコミュニケーションで、子どもは必ず変わります!今すぐ、様子見から卒業しましょう。
吉野加容子さんの著書『非常識なおうち発達支援』には、様子見をやめて接し方を変えたことで子どもが発達した事例も掲載しています。