1. 1歳児の癇癪に悩むママのリアルな体験談
1歳児の癇癪(かんしゃく)に悩むママは多いものです。
癇癪(かんしゃく)とは、感情が爆発して、言葉や行動のコントロールが困難になる状態のことをあらわします。
例えば、
- お店の中で突然大泣き! 商品を手に取ったけど、戻された途端にギャン泣き!
- 寝る前に毎晩ギャン泣き… 眠いのに寝たくない!と泣き続ける。
そんな時のママは、自己主張なのか、わがままなのか、癇癪なのか…よくわからないために、対応に迷うのではないでしょうか。
子どもが激しく泣いた時に、焦るあまり、ついやってしまうNG対応は、
- 「ダメ!」と強く否定する
- 無理やり静かにさせようとする
実は、これらの対応は逆効果。さらに泣きがヒートアップしたり、余計に興奮してしまいます。1歳児はまだ自分の感情をうまくコントロールできません。大人が強く反応すると、子どももさらに感情を爆発させてしまいます。
では、1歳の子どもの癇癪が起こる原因とはなんでしょう?
2. 1歳児の癇癪の原因とは?成長のサインとして理解しよう
1歳になると自己主張が芽生えるため、思い通りにならないことがあるとどうしたらいいかわからずに「癇癪(かんしゃく)」を起こします。
よくある癇癪のパターン
- 物を投げる
- 泣き叫ぶ
- 床に寝転がる
これは見方を変えると成長のひとつであり、子どもなりに「伝えたいこと」がある証拠です。
感じている気持ちが、どんなものなのか自分でもわからないから、「泣く」という知っているやり方で表すしかないんです。
3. 「どうして泣き止まないの?」1歳児の気持ちを解説
1歳児の癇癪には理由があります。
- 「ママに伝えたいことがある!」
- 「思い通りにならなくて悔しい!」
まだ言葉で気持ちを表現できないため、「泣く」ことで伝えようとしているのです。
ここで大切なのは、「泣き止ませること=ゴール」ではない、という視点。子どもの気持ちを理解し受け止めることが大事、ということを聞いたことがあるかと思います。
なぜ大事なのかというと、子どもがママに「ボクの気持ちをわかってもらえた!」と感じ、ママも「ウチの子の気持ちがわかった!」と感じる伝わる安心感が、人とのコミュニケーションの土台になることだからです。
だから、ゴールは、伝わるコミュニケーションになることなんです。
よくある癇癪のパターンには、大きく3つのタイプがあります。
- 望んだおもちゃやお菓子が買ってもらえない → 要求型癇癪
- 眠いのに寝たくない → 疲れ・眠気型癇癪
- 突然気持ちが爆発して泣き止まない → パニック型癇癪
次の章では、正しい対応法と、タイプ別の声かけ例をお伝えしますね。
4. 【具体例あり】1歳児の癇癪への正しい対応法
1歳児の癇癪への対応4STEPを紹介します。
STEP1 まず子どもの気持ちを受け止める
×「泣かないの!」と否定する
○「悔しかったね」「悲しかったんだね」と気持ちを言葉にする
STEP2 余計に興奮させないようにシンプルに対応する
× 長々と説明する
○ 「これで遊ぶ?」「抱っこしようか?」など短い言葉で提案
STEP3 どうしても落ち着かないときは、少し距離を取る
子どもが興奮しすぎているときは、一度少し離れて落ち着く時間を作るのも◎
STEP4 落ち着いたら100%肯定
スキンシップ、笑顔、ジェスチャーなど、お子さんが見て安心できるとわかる態度をとりましょう。
子どもは、“切り替えられたことを、ママにわかってもらった“ “受け止めてもらった“など、「肯定された」と感じることができます。
年齢が小さいほど、言葉よりも非言語情報といわれる表情や仕草に気をつけるのがコツです。
次に、癇癪のタイプ別の対応のコツをお伝えしますね。
①要求型癇癪(おもちゃ・お菓子がほしい!)
泣いて騒げば買ってもらえる、と間違って学習している場合は、要求の出し方を知らないために起こります。
泣き止むのを待つのも一つの方法ですが、お店などの公共の場はそうもいかないのではないでしょうか。
その場合、子どもと一緒に「その場を離れる」のが効果的です。
欲しいものが見える状態であれば、切り替えることは難しいですよね。
年齢が低かったり、泣きの激しいタイプのお子さんは、感情を司る脳の部位が未熟なため、いつまでも目に見える状態だと、切り替えがうまくいかないことがあるんです。
自分でも止められなくなっているので、場所を変えることで、見えるもの、聞こえる音、温度など感じる感覚が変わることで、切り替えやすくなります。
また、癇癪が出ていない落ち着いている時に、楽しくやりとりする経験を増やしていくのがコツです。
例えば、ご飯を食べている時に、ママの食べているおかずを欲しがって、あげてもいい状況の時には、「〇〇食べたいの?ちょうだい、だね」とママが“ちょうだい“の仕草をやって見せて、実況中継して見せましょう。
まねすることが増えてきたら、やりとりに必要な言葉や仕草を覚えてきた証拠です。
②疲れ・眠気型癇癪(眠いのに寝たくない!)
空腹や疲労、暑さや寒さなどの感覚を理解できるようになるのは、早くても3歳以降です。
1歳で自覚するのは、まだまだ難しいこと。体は疲れているのに、気持ちがたかぶってハイテンションになったあげく泣き出すことがあります。
そんな時、寝かせなきゃ!寝てほしい!と思うほど、無意識に出ている態度や仕草から、イライラが伝わってしまうので、うまくいかないものです。
言葉で感情をコントロールするのは難しいので、抱っこする、トントンする、お部屋を暗くするなど、感情を落ち着かせる環境をつくることがコツになります。
③パニック型癇癪(急な環境の変化で混乱)
1歳の頃は、「〇〇したら△△になる」というような、秩序を少しずつ理解していく年齢です。
そのため、知っていることと違ったり、いつもと違う変化に気づき、混乱して癇癪になることがあります。
- 車の中でお昼寝していたのに、目覚めたら初めての場所だった
- このお家の、この扉を開けたら、いつもじいじがいるのに、子どもが出てきた
大人にとっては些細なことかもしれませんが、1歳の子にとってみたら一大事!
そんな時は、安心できる感覚を感じられるようにしましょう。
例えば、抱っこが好きなら抱っこ、お気に入りの毛布があるならそれで体を包んであげるなどです。心地よさを感じようと、感覚が切り替わることで、感情が少しずつ落ち着いていきます。
肌触り、感触、におい、音など、五感で感じる感覚がポイントです。特に、触覚や嗅覚は、脳にダイレクトに届く感覚なので、切り替えやすくなります。
普段から、安心できることや好きなこと、お気に入りを手に取れるところに置いておくとすぐに対応できるのでオススメです。
5. ママのイライラを軽減!イライラしてもOK!癇癪対応のセルフケア法
癇癪への対応で、仕方がないとわかっていても、ママがイライラしてしまうこともありますよね。
そんな時、「イライラしないようにする」は一見正しい対応に思えますがNG!
ネガティブな感情は、感じたことに蓋をしたり、見ないフリや我慢を続けると、自分の感じたことを否定することになるため、どんどん自信をなくしていくことになるからです。
イライラなどのネガティブな感情は、しっかり受け止めてあげることで、スッと消えていきます。
その時に受け止められなくてもOK。後から振り返る機会を作って、こんな言葉を自分にかけてあげてください。
- 「イライラしたよね」
- 「あの時イライラしちゃった…って、ちゃんと気づけたね」
イライラした、という事実をそのまま言うことは、ありのままを受け止めるという肯定になります。また、ネガティブなことでも、語尾に「気づけたね」をプラスすることで、できたことに注目が変わります。
こんな風に、できていないと思えることの中にも、見る視点や見方を変えると、ポジティブな側面を見つけることができます。
むりやりポジティブに変えなくても、できていることを探してみるつもりで、見直すと、案外簡単に見つけることができますよ。
もう一つ、その場の怒りをおさめる方法をお伝えします。
「6秒呼吸法」です。
1、2、3でゆっくり息を吸って、4、5、6でゆっくり吐くだけ。
呼吸に意識を向けることで、脳の使う部位が感情から切り替わるので、落ち着いていく効果があります。
簡単にできるので、落ち着きたい時にぜひやってみてくださいね!
6. こんな場合は専門家に相談を!判断基準を解説
子どもの癇癪で、以下のような場合は、専門家に相談してみましょう。
- 癇癪の頻度や激しさが極端に多い
- 日常生活に支障をきたすレベルで続く
- 発達面で気になるサインがある(言葉の遅れ、人との関わり方など)
「相談するのは悪いことではない!」と考え、気軽に専門機関を頼ってOKです。
専門機関はハードルが高い!相談するほどでもないんじゃないか…と迷っているママは、無料のセミナーや個別相談会を開催していますので、私に会いにきてくださいね。
1歳児の癇癪は大変ですが、ママの対応次第で子どもは安心して落ち着けるようになります。焦らず、一つずつできることを増やしていきましょう!