1歳児の癇癪とは?普通の「泣き」とどこが違うの?
1歳を過ぎ、「また泣いてる…」「うちの子、癇癪(かんしゃく)持ちなのかな…」そんなふうに心配になること、ありませんか?
泣き止むまで待ってるだけでいいのかな…と対応も迷ってしまいますよね。
ですが! 実は「よく泣くこと」も、見方を変えると成長のサインなんです。
ではまず、「癇癪(かんしゃく)」について知っておきましょう。
癇癪とは、気持ちをコントロールできずに爆発してしまうこと。
たとえば、
- 思い通りにならず大声で泣きわめく
- 地面にひっくり返ってバタバタする
- ママがなだめても泣き止まない
こんなふうに、子ども自身でも感情がコントロールできず、あふれてしまっている状態です。
一方、一般的な「泣き」は、
- お腹がすいた
- 眠い
- さびしい
など、理由があって泣いているもの。ママの声かけや対応で、比較的落ち着きやすいのが特徴です。
つまり、1歳児の泣きも癇癪も、スタートは同じ。違いは、泣きの激しさや、長さにあります。
では、なぜ同じような状況でも、癇癪に発展する子としない子がいるのでしょうか?
1歳児の癇癪が起こる5つの背景
1歳児の癇癪が起きるかどうかは、子どもの発達段階や性格、環境などが複雑に絡み合っていて、背景には次の5つがあります。
- 発達の違い
脳の成長スピードは一人ひとり違います。
脳が未熟な乳幼児期は、感情のコントロールが難しいため、爆発しやすい子もいれば、感情を抑えてフリーズしてしまう子もいます。
- 性格(気質)の違い
生まれつきの性格(気質)も影響します。
- 好奇心旺盛で我慢が苦手な子
- 穏やかでおとなしい子
など、それぞれ感じ方や反応が違います。
3. 家庭環境や育て方の違い
子どもがどのような環境で育てられているかも、癇癪の起こしやすさに影響を与えます。
たとえば、子どもが欲しいものをすぐに与えられる環境で育つと、思い通りにいかないことにフラストレーションを感じやすくなるので、癇癪を起こしやすくなることがある、などです。
規則正しい生活や、欲求を満たしてくれる大人の存在などの安心できる生活環境が、子どもの情緒を安定させ、癇癪の発生を減らすことがあります。
- ママ・パパの反応
子どもの癇癪に冷静に対応できるかもカギです。
感情に巻き込まれず、落ち着いてサポートできると、癇癪が長引きにくくなります。
- 疲れや体調不良
体調が悪かったり寝不足だと、大人もイライラしやすいですよね。
子どもも同じで、体の状態が感情の爆発を引き起こすことがあります。
手がかかる1歳児の泣き:実は才能のサイン?隠れた3つのチカラ
1歳児の「泣き」や「癇癪」は悪いことばかりではありません!見方を変えると、よく泣く子には、未来につながる3つのチカラがあるんです。
① 感受性が豊か
感受性(かんじゅせい)とは、周りのことを感じ取るチカラのことです。
よく泣く子は、
- 周りの小さな変化に気づく
- いろんな感情を感じやすい
そんな敏感さを持っています。
これは、大人になったときに、「人の気持ちがわかる」「芸術的なセンスがある」などのチカラにつながることも♪
② コミュニケーション意欲が強い
泣くことは、子どもにとって大事なコミュニケーションの手段です。
よく泣く子は、「ママ、わかって!」 という思いが強い証拠。
手がかかると感じる毎日でも、「人と関わるチカラ」がぐんぐん育っているサインです^^
③ 自己主張力が高い
泣いて自分の気持ちを表現できる、というのは、自分の気持ちを持っている証拠です。
これは、大人になったときに、困難を乗り越えていくときに役立つ、大切なチカラです。
泣きや癇癪を成長に変える!ママの関わり方4つのステップ
1歳児の泣きや癇癪を成長に変えていく、ママの関わり方の4つのステップを紹介します!ポイントは感情を知るお手伝いと、切り替えのサポートです!
ステップ① 否定せずに受け止める
「また泣いて!」「なんでそんなことで泣くの!」と怒ると、逆効果。
子どもが泣きやむまで、静かに待つのがコツです。
感情の脳が興奮している時は、子どもにママの声かけは届きません。
子どもの脳の中で、ネガティブな感情が暴走している状態だからです。
早く泣き止ませようと説得したりはせず、「泣き止むまで待ってるよ〜」のスタンスがコツです。
そのために、ママがメンタルを整えることが必須!
ママ自身も感情的になっていると、考える脳のエリアが働かなくなっています。(頭に血がのぼって、余計なこと言っちゃった…なんてことが起きるのは、こんな理由からなんです)
そんな時は、まず深呼吸!
落ち着いたら、外の空気を吸う・静かな場所に移動するなど、五感での感じ方を変えると、切り替えやすくなります。
ステップ② 切り替えをサポート
ママの感情が落ち着いたら、
- 「抱っこしよっか」
- 「お外にお散歩しよう」
- 「お茶のもっか?」
など、子どもが好きなことを提案し、切り替えをサポートしてあげましょう。
1歳の子どもは、気持ちの落ち着かせ方も、切り替え方も、一つ一つ学んでいる途中。なので、「泣き止んで!」と言われてもその方法がわからなくて、できないだけ。
ママのサポートで、気持ちを切り替える体験を重ねていきましょう。
コツは、ママが切り替えた時と同じ、五感の感じ方を変えること!目に見えるもの、匂い、光、音などが変わることで、切り替えやすくなります。
ステップ③ 言葉で代弁してあげる(感情ラベリング)
子どもの感情が落ち着いてきたら、
- 「イヤだったね」
- 「悲しかったね」 など、子どもの気持ちを代弁してあげます。
オノマトペ(例:「え〜ん」「プンプン」)やジェスチャーを添えると、1歳の子はよりわかりやすいです。
感情に名前をつけてあげることで、子どもは、少しずつ自分の気持ちに気づけるようになります。
※注意:声かけで感情がぶり返す場合は逆効果になるので、無理に言葉をかけず、次のステップで、気持ちを落ち着かせることに。
ステップ④ 落ち着いた後にたっぷり抱きしめる
泣き止んだら、「涙止まったね」「泣くのおしまいしたね」と声をかけ、たっぷり抱きしめてあげましょう。
この声かけと対応で、子どもは「切り替えられた!」という成功体験を積んでいけます。
いかがでしたか?
困ったように思える1歳児の「泣き」や「癇癪」も、見方や捉え方を少し変えて関わるだけで、子どものチカラに変えることができます!
ママの声かけで、親子の笑顔の時間を増やしていきましょうね♪