1歳の夜泣きがひどい…限界を感じているママ・パパへ
1歳になっても夜泣きがひどく、毎晩泣き声で起こされる…。
抱っこしても、授乳しても、何をしても泣き止まない…。
そんな日々が続くと、ママもパパも、心身ともに疲れきってしまいますよね。
「どうしてこんなに泣くの?」「育て方が悪いのかな?」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
実は、「夜泣き」と一言でまとめられないほど、原因やタイプはさまざま。
原因に合った対応をしないと、なかなか改善しないことも。
この記事では、
- 1歳のひどい夜泣きの原因
- タイプ別の見極め方
- すぐできる対策
をわかりやすく解説していきます。
まず知ろう!夜泣きの一般的な時期と特徴
1歳前後で夜泣きが増えるのは、「自分」という気持ちが育ったり、体を動かす力がぐんぐん伸びたりする時期だからだと言われています。
簡単に言うと、脳の中では、新しいことを覚えるためにたくさんの神経がつながりはじめていて、その影響で、脳が興奮しやすい状態になっているのです。
でも、まだ興奮をうまく落ち着かせる力が育っていないため、そのエネルギーが夜泣きという形であらわれることがあるんです。
一般的な夜泣きの特徴は、
- 理由がはっきりしないのに夜中に泣く
- 抱っこや授乳で落ち着くこともあれば、なかなか泣き止まないことも
- 日によって泣くタイミングや程度が違う
など、パターンが一定しないことも多いです。
夜泣きにも種類がある⁉︎夜泣き・寝言泣き・夜驚症の違い
夜泣きとは?
夜泣きとは、赤ちゃんが何らかの不快感を感じて泣くことです。
たとえば、
- お腹が空いた
- おむつが濡れている
- 暑い・寒い
- 不安や寂しさ など
つまり、「理由があって泣いている」状態です。
理由に応じて対応し、不快感を取り除いてあげることができます。
寝言泣きとは?
寝言泣きは、寝てから1時間頃に起こることが多い、眠りが浅いときに起きる「特別な理由のない泣き」です。
この場合、赤ちゃんは完全に目覚めていないため、しばらく様子を見ていると自然に泣き止むことが多いです。
寝言泣きは、1歳半頃までに減少・消失し、睡眠パターンが安定するにつれて自然と解消されます。
夜驚症とは?
夜驚症(やきょうしょう)は、通常の夜泣きとは異なります。
特徴は、
- 夜中に突然叫ぶ、悲鳴を上げる
- ベッドの上で暴れる、走り出す
- 目を開けていても親に気づかない
など、脳が休んでいる「ノンレム睡眠」中に起きるため、本人は覚えていません。
特に男の子に多く、夜驚症の子どもの30~40%は夢遊病を伴うともいわれています。
夜泣きと脳の発達と睡眠サイクルの関係
1歳頃の子どもは、脳の発達がめざましく進む時期です。
それに伴い、睡眠サイクル(レム睡眠・ノンレム睡眠)の切り替えが未熟なため、夜中に目が覚めやすくなります。
また、新しい刺激をたくさん吸収するため、脳が休まらず浅い眠りが増えることも、夜泣きにつながります。
日中の刺激や生活リズムの乱れ
日中にたくさんの刺激を受けた日は、赤ちゃんの脳が興奮したままになり、
夜ぐっすり眠れないことがあります。
また、昼寝の時間がずれたり、就寝時間が遅くなったりすると、
睡眠リズムが乱れて夜泣きしやすくなります。
体調不良や環境要因
夜泣きの背景には、体調不良が隠れていることもあります。
- 軽い風邪や鼻づまり
- 便秘や腹痛
- アトピーや喘息などの持病
また、
- 室温や湿度が適切でない
- 服や寝具が不快
といった環境要因も、子どもの眠りを妨げる要因になります。
「体調」と「寝室環境」の両方をこまめにチェックしてみましょう。
歯の生え始めや寝具の不快感
1歳頃は、ちょうど歯が生え始める時期でもあります。
歯茎のムズムズ感や痛みで、夜中に不機嫌になる子も少なくありません。
また、寝具が固すぎたり、タグや縫い目が肌に当たるだけでも、不快感から夜泣きすることがあります。
新しい歯が見え始めたら、冷たい歯固めや歯茎マッサージなどでケアしてあげると安心です。
保護者の感情が影響する場合
実は、赤ちゃんは言葉が話せない分、保護者の感情を敏感に感じ取ります。
ママやパパがイライラしたり、疲れ切った気持ちを抱えていると、赤ちゃんも不安になり、眠りが浅くなってしまうことも。
完璧を目指さず、「今日は泣いても大丈夫」「できることだけやろう」と、自分自身に優しくしてあげることがとても大切です。
夜泣きと思ったら違った⁉︎1歳児にみられる睡眠障害のサインとは?
夜泣きだと思っていたら、実は睡眠障害のサインだった…そんなケースもあります。
特に、発達障害の特性があるお子さんの場合、夜泣きや睡眠のトラブルが起きやすいことがわかっています。
こうした場合、生活リズムを整えるだけではうまくいかないことがあります。
なぜなら、音や光、触った感覚などにとても敏感なことが多く、その子の脳の感じ方に合わせた対応が必要だからです。
年長になって発達障害グレーゾーンといわれた男の子の話です。その男の子は、1歳頃から夜泣きがひどく、2歳をすぎると夜驚症のような症状が出るようになったそうです。
おうちでは生活リズムを整えようと工夫しましたが、なかなかよくなりませんでした。
そこで、光に対する過敏さに気づき、遮光カーテンを使って部屋を暗くしたところ、夜中に起きることが減ったそうです。
このように、発達に特性があっても、脳のタイプに合わせた工夫をすれば、夜泣きや睡眠トラブルを改善できることがあります。
1歳では、発達障害の診断はまだつきませんが、もしチェックリストに当てはまることが多いなら、「診断の有無に関係なく、今、睡眠に困りごとがある」というサインだと受け止めてみてくださいね。

1歳の睡眠障害の症状例
- 突然泣き出し、なかなか泣き止まなかったりする
- 布団に入ってもなかなか寝つけない
- 夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)
- 朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
- 昼間も眠そうにしていることがある
- 睡眠リズムが後にずれて夜型になり、昼夜逆転している
あてはまる項目が続いている場合、眠ることに困り感を抱えている可能性が高いです。
以下も、合わせてチェックしてみましょう。
乳幼児期の睡眠障害チェックリスト
お子さんが1歳を過ぎても、下のような状況が続いているときには、睡眠に問題があるかもしれません。
- 子どもが夜間に3回以上目を覚ます
- よく泣いて、機嫌が悪いことが多い
- 夜11時を過ぎてから寝付く
- 睡眠時間が9時間以下
- アトピー性皮膚炎やアレルギー、喘息などの持病がある
- 子どもがよく眠ってくれないので親が疲れている
- 子どもが他の子より体力がない
- 子どもがあまり話したり笑ったりしない

すぐできる!1歳児の夜泣き対策3選
① 環境を整える
眠りやすい環境づくりが第一歩です。
- 遮光カーテンで部屋を暗くする
- 室温20~22℃、湿度50%くらいを意識する
- パジャマや寝具が暑過ぎないかチェック
- 静かな寝室で刺激を減らす
五感で心地いいと感じられる環境を整えてあげることがポイントです。
② 入眠儀式(ルーティン)をつくる
寝るまでの流れを、毎回同じ流れにすることで、「これをしたら寝る」という準備を覚えやすく、脳の興奮を落ち着け、自然に眠りモードに入りやすくなります。
たとえば、お風呂→歯みがき→絵本タイム→部屋を暗くする といった形です
繰り返すことで、脳にかかる負荷は減っていくため、がんばらなくてもできるようになっていきます。

③ 五感で安心を感じる経験を、日中にたっぷりと
不安を感じやすいタイプのお子さんは、 日中の過ごし方が夜の眠りに直結します。
日中も、些細なことで泣くことが多いなどの姿が見られる場合、日中にお子さんが感じている不安を減らしてあげることが大事です。
スキンシップや、笑顔など、五感で心地いいことや安心が感じられる関わりを増やしましょう。ママとの1対1の関わりが安心できる、子どもにとっての成功体験の記憶が、夜泣きを減らしていきます。
1歳の夜泣きがひどいとき、心配になって原因を調べがちですが、夜だけでなく、日中の過ごし方や、お子さんの様子(行動)をよく観察することが、解決のヒントにつながります。
参考にしてみてくださいね!