行動が遅い発達障害の特徴を持つ子どもに「モタモタしないよ!早く!」と急かしてはいませんか?脳の発達に焦りは逆効果です。わかってるけどできないんだと思ったママ!突破口はママの観察力です。サッと動けるようになる対応策をお伝えします。
「早くやって!」で否定されたと感じる子ども
朝の忙しいときに限って、お子さんの動きがゆっくりだったり、やらかしてくれたり…。「早くやって!」「何してるの!?」とついつい子どもに言いたくなりますよね。
その気持ちよく分かります。早くやってほしいときにサッとやってくれないと、イライラするし困りますよね。
実は私も、行動が遅いわが子にずっと言っていました。

でも、そうやって毎日言ったとしても、早くなるどころかグズグズになってしまったり、「また怒られた」と萎縮して余計に遅くなってしまったり…いいことないですよね。
行動が遅い子どもを急かす言葉は子どもの行動を早めないだけではなく、むしろ弊害があるのです。
「早く」と指摘されることは、子どもにとっては行動が認められていないということです。子どもはどんどん自信を失くしていくでしょう。
それが続けば自己肯定感も下がっていき、反発心が強くなってお母さんの言うことを受け入れられなくなっていきます。
「早く!早く!」と言われることで、急いでやることが注目されてしまい、子どもが自分なりに考えて行動する自発的な行動が減ってしまうことにもつながります。
つまり指示待ち人間になってしまう可能性大なのです。
つまり指示待ち人間になってしまう可能性大なのです。
それに急かされることで慌ててしまい、怪我やミスが多くなりがちです。丁寧にやること・心を配ってやることがなくなり、やっつけ仕事のように大雑把なやり方になることもあります。
また、子どもの将来的な人格形成に影響を及ぼすことも考えられます。
「早く早く」と言われた子どもは他人に対しても「早く」を求めることになりがちです。「待つ」ことが苦手なせっかちな人間になってしまう可能性があるのです。
「早い」=「良いこと」という意識を持つようになるため、問題に対してじっくりと取り組んだり、困難なことに出会った時に根気強く解決する能力が乏しくなりことも考えられます。
いかがでしょうか?もうこれ以上「早く」と子どもに言いたくないですよね…。
私たちは、子どものできないことばかりに注目してしまうから感情的になってしまうんだと思います。
しかし、できないことばかりに注目してしまうと、子どもの脳は発達しないし行動も変わりません。
行動が遅い発達障害の子どもの特徴を知る
発達障害グレーゾーンの子どもが行動が遅いのには、脳の発達が未熟であることが関係しています。
発達障害グレーゾーンの子どもはそもそも先の見通しを立てること、つまり時間を見計らって次の行動に移る事が苦手という脳の特性があります。
それに興味がないものには見向きもしませんが、興味があることはとことんやり続けてしまうという傾向があります。次の行動に移ること、気持ち切り替えることが苦手なのです。
また、ワーキングメモリが少ないので、やるべきこと・言われたことをすぐ忘れてしまうという特性も…。
このような脳の特性があるために行動が遅くなってしまうと考えられます。ではそんなお子さんを前にお母さんは何ができるでしょうか。それは、観察力!を身につけることです。

行動が遅い子どもへの対応はお母さんの観察力が突破口となる!
観察することで、お母さんはお子さんの状況を理解することができます。 子どもの状況を理解することで、どのような対応をしたらいいのかが分かります。
では、あなたのお子さんを観察してみましょう!行動が遅い原因として、次の3つが挙げられますが、以下のどれに当てはまりますか?
①そもそもやることが分かっていない
②お母さんの指示が伝わっていない(聞いていない)
③指示は分かるが、難しいので一人でできない
お子さんはどれに当てはまりますか?対応は原因によって変わってきます。
もちろん、お子さんの状況によって対応は変えていくことをおすすめします。
では先ほど観察した行動が遅い原因への対応策を順番にお伝えいたします。
①そもそもやることが分かっていない
まず、お子さんに出す指示そのものを振り返ってみましょう。
説明が長くないですか?曖昧な指示ではないですか?指示のコツは、具体的に短く分解して伝えることです!
子どもの脳は、情報を処理する速度が大人に比べてゆっくりです。また、一度にたくさんの情報を処理することも難しいという特徴もあります。

例えば、行動の遅いお子さんに着替えをさせたい場合、
「今日はお母さん朝から仕事だから、早く着替えをしてね!」
では、子どもにとっては情報が多いかもしれません。また、「着替えをして」だけでは曖昧な指示です。
「着替える」の意味を分解して伝えていきましょう!
「まずはパジャマを脱ごう」から始め、脱げたら「脱げたね。靴下をはこうか」「次はズボンだね」「トレーナー、着られるかな」という感じです。
②お母さんの指示が伝わっていない(聞いていない)
お母さんが指示を出しているとき、お子さんはどんな態度でしょうか。聞く姿勢になっていますか?聞く耳を持っていますか?
行動の遅い子に聞いてもらうコツは、子どもをこちらに注目させてから指示を出すこと。そして、子どもが受け入れてくれる言葉は、肯定的な声かけです!
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、好きなことをしているときの集中力はとても高いですよね。
だから、好きなテレビを見てるときやゲームをしているときに指示をしても、まったく伝わっていない(聞いていない)ことが多いです。
また、「自分に話しかけられている」という意識が弱い傾向もあり、「話しかけられているとは思わなかった…」ということもよくあります。
こちらに注目させたいときは、子どもの視界に入る、「○○○ちゃ~ん♪」と優しく呼びかけるなど、子どもがこっちを向いて聞く姿勢に入ってから話すようにしましょう。待つことも大切です。
ごはんの最中に食べ終わった後でしてほしいことを伝えたとしても、ごはんに集中していたり、食べている間に忘れてしまうこともあります。タイミングを見計らってください。
そして、いつもうるさくガミガミ注意している場合。呼びかけるときに怒り声だと「また怒られる」と敏感に察知して、聞く耳をもたなくなってしまいます。
指示するときは、笑顔で、ゆっくりと、やさしい声で、を心がけましょう!
③言われていることは分かるが、難しいので一人でできない
出した指示の内容は、今のお子さんのレベルに合ってますか?
行動の遅い子をすぐ動けるようにするコツは、すぐできる内容にすること。お子さんが、自信をもってできるレベルからスタートしましょう!スモールステップです。
お母さんにとっては「このくらいのことできるだろう」と思っていても、当の子どもにとっては「ちょっと自信ないな…」ということもあります。
特に、発達障害グレーゾーンの子どもは、失敗することを極端に恐れる傾向、難しいことや自信のないことは避ける傾向があります。
そのときは、「お母さんも手伝うから一緒にやろう!」と言って楽しく一緒に手伝う、一人でも自信をもってできることに変えるなどして、「できた!」という成功体験を積ませてあげてください。
もちろん、忘れずに
「○○してくれてありがとう~!お母さんとっても助かったよ」
「よく一人でできたね。お母さん嬉しくなっちゃった」
など、お母さんの感想や感謝の気持ちもお子さんに伝えてあげてくださいね。
感謝の言葉や褒めることで子どもに自信をつけさせてあげると、その自信が次の行動につながっていくのです。
お母さんが「観察力」をつけ、子どもに合った対応をすることで、行動が遅い発達障害の特徴を持つ子どもも、サッと動けるようになっていきますよ!
ぜひ、参考にしてくださいね。