「この子はHSC?」不安が強い子どもの登校しぶりで一番、大切なこと。

HSCの子どもは不安が強いため新しい環境に慣れるまでは大変です。「うちの子ちょっと繊細かな?」と思っていた子どもが登校しぶりし始めたら声かけし続けて欲しい、安心して強く動き出せるようになる言葉をお伝えします!

1.HSCは不安が強くて学校が辛い?

新しい学年、新しい学校で頑張ってきた4月が過ぎ、ゴールデンウィークは親子楽しい時間を過ごしていますか?

疲れが出てしまって、連休明けから「学校行きたくない」と子どもが不安を訴えていませんか?

繊細な子ども達は大人の想像以上に学校で頑張って慣れようとしています。

もしも、子どもが「学校しんどいよ」というSOSを出してきたらお母さんが一番にわかってあげたいですね。

春の新しい環境に慣れることが大変な、繊細タイプのHSC(Highly Sensitive Child:ひといちばい敏感な子)の子ども達。

日本で5人に1人の子どもがHSCといわれています。

HSCの子どもには、

・感覚過敏がある
・不安が強い
・環境の変化によく気がつく
・急な予定変更が苦手
・人目を気にする
・人の気持ちを受け取りやすい
・完璧主義

などの特徴があります。自分でそうしたいと思っているわけではないのに、色々な感覚を感じすぎてしまい、人の気持ちに敏感になりすぎてしまいます。

そのため、

「あんなに先生に怖く怒られたら嫌だ」
「失敗して注目されたら嫌だ」

と、学校では失敗しないように、怒られないようにものすごく神経を張り巡らせて過ごさなければいけません。

学校の準備や宿題などをやるのを忘れた!というような事態はあまりなく、先生からは優等生として扱われていることも多いでしょう。

失敗するのが怖いから、準備をしっかりしないといけないと思っています。
自分に起こるかもしれないことをたくさん頭の中で考え、不安になります。

だから、予習や時間割の準備などで予想外のことが起こるとパニックになることもあるでしょう。

学校では五感を通して多くの刺激が自分の中に入ってきたり、人の気持ちにも敏感であったりするので疲れやすく、家や静かで落ち着く場所が好きな子が多いです。

HSCの子ども達が学校に行くのは相当に大変なことであることを、お母さんが一番に理解してあげてほしいです。

HSCの子どもはお母さんの期待にも応えようとして無理をすることもあるからです。

2.もしかして「うちの子HSC?」

私が、我が子がHSCかもしれないとはっきりと気づいたのは娘が小学校に上がってからでした。

小さな頃から突然の音にびっくりしたり、人見知りが強かったりした娘。それでも小さな頃から3歳上のお兄ちゃんにくっついて楽しく遊び、幼稚園でも入園後数日は泣いたものの大きな問題なく卒園。

小学1年生のときにお兄ちゃんが不登校となり、娘も数日学校へ行けなくなることがありました。それでもなんとか登校することができたものの、学校に行けるようになってからも、時々行き渋ることがありました。

時間割を見て初めての教科の授業のときに不安になったり、宿題が終わらない、支度が思い通りにいかない等のときに、「もう、やだー‼︎無理…こんなんじゃ学校行けない!」と言うことが多くありました。

また、学校に行くことにクタクタで、一緒に買い物などに出かけたり習い事の準備などで少しでも想定外のことが起きるとパニックになることが度々起こるようになりました。

そうなると、習い事や好きなおでかけの前でも行き渋ることが増え…

娘のパニックになる様子や、極度の疲労感を感じて、だんだんと娘自身も何か特性があるのかな?と気づくようになりました。

お兄ちゃんにばかり親の意識がいっているから余計に不安にさせているのかな?と最初は思い、娘との時間も大事にするように気をつけましたが、不安から来る行きしぶりはすっきりとはおさまりませんでした。

3.不安が強い娘の登校しぶり…解決策は信じる言葉

娘がHSCだと気づいてからは、なぜ小学校に入るまでは大きな問題なく過ごせていたのかがわかりました。

お兄ちゃんが学校に行っていた頃までは、毎日お兄ちゃんの様子をみていたので幼稚園生活も、学校生活も予習ばっちりの状態だったのです!

初めてのことに不安が強いという特性あっても事前に見聞きしていたからうまく適応していたのですね。

お兄ちゃんという存在が学校からいなくなり不安満載になっていた娘に、私が本当に大事だと思いずっと伝え続けたのはこの一つです。

「学校も習い事も行っても行かなくてもいいよ。あなたは本当はどうしたい?」

この言葉を繰り返してきました。

学校に行く寸前に宿題の間違いを見つけて直す時間がない!と焦って泣いていたときも、学校から帰ってきて習い事に行くまでに疲れが取れなくてレッスンに行きたくないと言っていたときも、

「そっか、疲れたなら休んでもいいと思うよ。あなたはどうしたい?」

と問いかけました。

最初の頃は、私自身が「妹のこの子には学校に行ってほしい」「軽く休ませてしまったら休み癖がつくのでは…」という気持ちもありうわべだけの言葉だったこともありました。

娘が「学校休む」と言ったとき本当は心の中では不安でいっぱいだったこともありました。

けれど、「あなたはどうしたい?」と聞いたからには娘の意見を絶対に尊重しようと心に決めていました。

娘も最初は「わからない」「お母さん決めてよ」と言うこともありました。色々なことを色々な角度から深く考えるためなかなか決められないのです。

けれど、お兄ちゃんのいなくなった学校でこの先も頑張らなければならないのは娘です。

「お母さんのために学校に行ってあげる」とか、「誰かがこう言っているから学校に行く」ではなく、将来的に自分の気持ちを大事にして色んなことを決めてほしいと思いました。

なかなか決められないときもありましたが、「決めるまで待って」と教えてくれたので、娘の中にある本当の強さを信じて決められるまでじっくりと待ちました。

どうしても決められず登校時間を過ぎてしまうようなときは、「無理しないで休んでもいいんじゃない?」と、休む選択肢に罪悪感を持たないように声をかけるようにしていました。

4.自分の行動に自信がついて学校が楽しめるようになる!

行きしぶりは3年生まで続きましたが、3年生の後半になると休むことがほとんどなくなりました。

学校に行けるようになったのは、何よりも自分で「学校に行きたい」と決めていたからだと感じます。そのため、学校以外のことでも何事も自分で決めて動けるようになりました!

パニックを起こすこともなくなり、余裕を持って色々なことに取り組めるようになりました。

行きしぶりが強かったときは家でも緊張した顔つきでしたが、今では学校から帰ってくるとリラックスして過ごせるようになりました。習い事のダンスや習字や英語なども楽しんで取り組めるようになりました。

娘は学校や友達との遊びで見聞きしたことを毎日私に話してくれています。

先生の言動でちょっとそれおかしいんじゃない?と思ったこと、クラスメイトから言われて傷ついたこと等、学校では誰にも言えないのですが、帰ってきたらたくさん私に話してモヤモヤした気持ちを発散しているようです。

全部の感情を吐き出して受け止めてもらえるとスッキリしますね!

娘にとって、本当は面白くないこともいっぱいある学校です。けれど、「小中学校は我慢して高校は行きたいところへ行く!高校生活を楽しむ!」と言っています。

私は「我慢して行きなさい」とは一言も言っていません!娘は、「今の日本では学校に行かないと肩身の狭い思いをする」ということを感じて、多少我慢してでも学校へ行くことを選択したのです。

それでも、本当に苦しくて辛かった頃に比べると、今は学校を楽しんでいる部分も増えています。

HSCの子どもは共通する敏感さはありますが、それぞれ色々な個性を持っています。大人が子どもの個性を認めてあげることで伸び伸びと良いところを発揮することができます。

子どもが安心して気持ちを出せる、自分の行動を決められるようになるための言葉かけをすることで、個性はどんどん伸びていきますよ。

不安が強いHSCが行きしぶりをしたら、ぜひ、「どうしたい?」と勇気をもって聞き続けてあげてくださいね!

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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