「空気を読みすぎる」子どもの特徴
「みんな〇〇してるよ」
「相手の気持ちを考えて行動しようね」
「自己中なことしないの!」
日本では昔から、「空気を読む」ことが重要視され、以前は空気を読めない人「KY」という言葉が流行ったほどですよね。
相手を尊重し、思いやりを持って接する、ということは、もちろん大切なことなのですが、相手のことを優先しすぎて、自分の気持ちをぐっと我慢してストレスが溜まってしまったり、そもそも自分の気持ちがわからなくなってしまっている子もいます。
私の息子も、お友達と遊ぶ時には、おもちゃを譲ってあげたり、気遣って声をかけたりと、「空気を読みすぎる」タイプ。
学校から、問題行動の電話がかかってくる、といったこともなく、お友達のお母さんたちからも、ありがたいことに「優しいね」と言っていただくことが多いです。
一方で、家に帰ると、とても疲れた様子だったり、おうち癇癪を起こして弟に当たってしまったりと、「外で無理してるんじゃないかな。」「なんか生きづらそうだな」と感じることが多かったんです。
外で空気を読みすぎて、おうち癇癪を起こすのは、脳の凸凹が原因で、周りの感情に「過敏」な可能性があります。
原因を知って、お母さんのコミュニケーションを変えることで、子どもに「生きやすさ」を授けていきましょう!
周りの感情に「過敏」になるのはなぜ?
注意欠陥/多動性障害(ADHD)×自閉スペクトラム症(ASD)キッズの中でも、周りの感情に「過敏」なタイプは、「空気を読みすぎる」子になりがちです。
他人からのネガティブな反応を過敏に受け取ってしまいがちなため、相手からネガティブな反応をされないように、自分の気持ちを抑えすぎてしまいます。
「こうしたい」「こう思う」という自分の気持ちを表現することよりも、「周りの子はこうしてほしいだろうな」という周りの子の気持ちを尊重しすぎて空気を読みすぎた結果、自分がしんどくなります。
例えば、お友達に「おもちゃ貸して」と言われた時に、「え、嫌だ」「ちょっと待って」と自分の気持ちを伝えたら、、本当は嫌なのに「いいよ」とつい相手の気持ちを優先してしまいます。
「優しい子」ではあるのですが、いつもこうして自分の気持ちをガマンしてしまうと、本人の負担が大きくなり、その結果、ストレスが溜まって、激しいおうち癇癪を起こすことになってしまうんです。
そんな子に「生きやすさ」を授ける、コミュニケーション術をご紹介します!
お母さんのコミュニケーションで「生きやすい人生」を!
「空気を読みすぎる子」は、ストレスを溜めすぎて、しんどくなりがちです。
ストレスを溜めすぎないように、お母さんがおうちでできることをご紹介します!
(1)肯定的な声かけでストレスを和らげる
普段から肯定的なコミュニケーションをすることで、外で溜まったストレスを和らげることができます。
「ごはん食べてるね」
「歯磨いてるね」
「勉強してるんだね」
とできている行動を言語化して、笑顔で声をかけていくことで、外で溜まったストレスを和らげることができます。
(2)共感・代弁の声かけで感情を言語化する
自分の感情に「鈍感」で、知らず知らずのうちに空気を読みすぎる子。
そんな子の感情に共感したり、代弁したりすることで、感情を言葉で表現できるようにしていきましょう。
おうち癇癪を起こしている時には、
「〇〇が嫌だったんだね」
「疲れるとイライラしちゃうよね」
と声をかけます。
嬉しいことがあった時にも
「やったね!」
「めっちゃ楽しかったね!!」
とお母さんが喜びをいつもより大きめに表現して、ハイタッチやハグをすることで、感情のアウトプット力を鍛えていきましょう!
空気を読む力は、大人になっても大切なスキルです。周りを思いやり、尊重できることは、子どもの強みになります!
一方で、相手の気持ちばかりを気にして空気を読みすぎてしんどくならないように、今のうちにお母さんがサポートしていきましょう!
執筆者:大谷むつみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)