スーパーでカート暴走!?買い物中に走るADHDの子どもたち
注意欠陥多動性障害(ADHD)キッズ子育て中のママさんにとって、数あるタスク中でも、子連れでお買い物をするということは難易度が高いミッションになっていると思います。
子どもたちは、自分の興味があるところへ「ぴゅーん」と駆け出して行ってしまうため、転ばないかな、迷子にならないかな、棚を倒したりしないかな、また周りのお客さんにぶつからなかとひやひや。。。様々な心配をしながら買い物をしています。
私もそんなADHDキッズの子育てママの一人です。
特に困っていたのは、カートが大好きで必ず押したがるということでした。
小学3年の息子は、カートを手にすると、周りをまったく気にせず走り出します。
「待って!」「とまって!」と声をかけても、カートが目に入った瞬間から、私の声は残念ながら届いていません。
カートを走り屋のごとく押していると、時々、近くの方にぶつかってしまい、嫌な顔をされたりしていますが、当の本人はお構いなし!私は申し訳ない気持ちになり、ほかの人に迷惑にならないように「走らないで!」「もうカート押させないからね」と周りからの目を気にして都度叱っていました。
なぜ止まらない?ADHDキッズが「やりたい!」を我慢できない理由
子どものやりたい気持ちは大事にしてあげたいのですが、気持ちや行動が抑えられないほどだとちょっと困ってしまうことも出てきます。
ADHDキッズには発達凸凹により、行動面でこんな特性がみられます。
ADHD=注意欠陥多動性障害には大きく分けると3つの特徴があります。
【 1. 衝動性、2. 多動、3. 不注意 】
その中の「衝動性」は、湧き上がる気持ちを最優先するということ!周りの意見なんて聞けない状態になっています。
「やりたい!」→カートにまっしぐら!
「押したい!」→走る!
「おやつがほしい!」→売り場へ直行!
このように思い立ったらすぐに行動にうつしてしまうという面が多くみられます。
やりたい気持ち一心なので、ここでママに「やめて!」「だめだよ」「「はしらないで」など注意を受けても、そこから考えて行動コントロールをするということが難しいのです。また「不注意」という特性をもっているため、周りに注意を払って動くことが苦手です。お菓子コーナーしか見えていない猪突猛進状態で、ほかのお客様や棚がみえていないような状態ですので、ぶつかってしまうということが起きます。
発達凸凹キッズには人の表情や状況を見て、理解することが難しい子が多いです。
周りを見て状況判断が苦手なんですね。
なので、ぶつかっても謝らなかったり、棚のものを落としてしまっても、そのまま立ち去ってしまうということがあるのです。ママとしては、そのあとを追いかけながら、ぶつかってしまった人に謝ったりと気を使うことばかりで、疲れ切ってしまいますね。
ではこんな大変な買い物を、落ち着いてスムーズに終わらせるためにはどうしたらよいでしょうか?
ここからは、我が家の「走り屋」息子にやってみた声かけとミッションをご紹介します!
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暴走カートが変身!穏やかに買い物できるママの声かけのコツとミッション
まずは買い物へいく前にお約束の声かけをしておきましょう!
「カートを押すときにはママのとなりにいてね」と具体的に伝えてあげます。
「走らないでね」
「ままのそばにいてね」
「まわりをみてうごいてね」
という言葉だとこどもには伝わりにくいので、
「ママのとなり」というわかりやすい表現で伝えます。
到着したら、再度確認していきます。
また、こどもが走り出してしまったときには
「歩こうね」
と声かけしてくださいね!
ママの隣ですこしでも歩いている時には
「歩いているね!」
とできていることに対して声をかけることもポイントです!
次に、カートを押して商品をとるタイミングですが、ここでミッションを与えます!
「大根を1本とってください!お願いします!」
「とったらかカゴにいれてね!」
そして、とってくれたら、
「ありがとう!」
「良い大根えらんでくれたね!」
など感謝や褒めの言葉を伝えてあげます。
できたことを褒めてもらえると子どもは「エッヘン!」と得意げです。
嬉しい気持ちになり、もっとお手伝いをしようと積極的に動いてくれるでしょう!
ADHDキッズは、好奇心旺盛でチャレンジ精神があります。
ミッションなどゲーム感覚でチャレンジするのは大好きです!
お買い物に協力してくれたあとは、ご褒美におやつを買ってあげてもいいですね!
その時にも「手伝ってくれてありがとね!助かったよ」と認める声かけをセットで渡すと子どもたちは、心が満たされます。
子どものやりたい気持ちに共感しつつ、良い行動を定着させることにつなげていきましょう!行動することが増えると脳の発達が加速します!大変なお買い物も、ミッションとして子どもと楽しく取り組むことで、ママの気持ちも楽になりますよ!
手順が多く大変そうに思えるかもしれませんが、ひとつだけ取り入れるでもOKです!
買い物がスムーズにできたときには達成感があります!
ぜひ参考にしてみてくださいね。
執筆者:冨沢夏海
(発達科学コミュニケーショントレーナー)