怖いな、行きたくないな…子どもが嫌いな「歯医者さん」
歯医者さんの独特なにおいや、キーンと聞こえる機械音、そして虫歯の治療となると痛みがつきもの。
いろんな理由があると思いますが、歯医者さんに行きたくない子どもたちが多いのではないでしょうか?
我が家の小3息子も、歯医者さんに行くことを嫌がり、定期的に通えないということがあり、虫歯治療がなかなか進まず困っていました。
息子の「行きたくない!」に合わせて、自分の治療も進まず、なんとか克服しなければと思っていました。
気にせず行ける日もあったのですが、なぜだか「行かない!」と拒絶する様子が続いて1か月以上経ってしまいました。
歯医者さん嫌い!は、ADHDの特性が原因かも!
歯医者さんが嫌だなと感じるのは、どんな所でしょうか?痛いから?怖いから?
注意欠陥多動性障害(ADHD)キッズが歯医者さんに行くときには、苦手なポイントがいくつかあります。
・不注意
ADHDの特性として「不注意」傾向が強いと、気が散りやすく同じことに集中するのが難しいです。歯医者さんの席について、何もできない状態で自分の順番を待っていることは飽きてしまい、つまらないと感じる状況で待ち続けることがストレスに感じています。息子はまさにこの状態でした!
・衝動性
衝動性の特性があると、順番を待つことが苦手です。歯医者さんでは、ほかの患者さんへの対応を待っていなければならないので、本人は苦痛に感じてしまいます。
また、息子の場合は、珍しい機材が目に入り、衝動的に触りたくなってしまうということもあり、止められることが多かったです。
・感情コントロールの苦手さ
不注意の特性であげた、待ち時間に対してもイライラの感情がでてくるとストレスを感じてしまうということがあります。
また、感情は怒りだけではありません。
中には痛かった、怖かったという記憶が不安となり、その感情がコントロールできずパニックになる子もいます。
すると、歯医者さんに行くだけで嫌がって泣き叫んでしまい治療にならない場合も出てきます。
我が家の息子の場合は、とにかく待ち時間が長いということに対して「嫌だ」と感じていること、その不快感が自分でもどうにもできないといった風で、コントロールできないことで「行きたくない」気持ちになってしまっていたようです。
これを見てくださっている方のお子さんは、どのようなところで「行きたくない」気持ちになっているでしょうか。お子さん本人に聞いたり、観察したりしてみてください。
では、ここからはそんな我が家の息子に仕掛けてみた克服ポイントをお伝えしていきます。
ADHDキッズが苦手な歯医者さん通院を克服できた一日の流れ
期間があいてしまってネガティブイメージがかなり膨らんでいた息子に歯医者さんへ行けるよう仕掛けました!
一日を通して、気分が上がる仕掛けをちりばめていきました!
まず、朝いちから予定をアナウンスをしました!
その日は学校終わりの予約だったので
「今日は学校おわりに歯医者さんがあるよ」
それから続けて、
「予約時間までの間すこしだけ空くから、ママと一緒にゲームしてから行こうか!」
息子の大好きな対戦ゲームをご褒美に、学校へ頑張って行った後に楽しいことがあると伝えておきました。
すごく良い反応で、「帰ったらやろうねー!」などと言いながら元気に登校していきました。
夕方、家に戻ってから約束通り、一緒にゲームをすると嬉しそうな様子!
時間の予告もしつつ、ゲームを楽しみ、良い調子!そのゴキゲンを保ちつつ、次の行動へ誘います!
「車でスマホのゲームやりながら行こっか!」
ゲームからの切り替えをスムーズにするため、車でも別のゲームを用意しました。スマホゲームで待ち時間を楽しみながら待機し、こちらも気分よく過ごせていました。
そのゴキゲンな様子は歯医者さんに着いてからの診察にも現れていて、先生や助手の方と会話もはずんでいました。
先生が
「今日は何秒間できるかな?」と、口を開ける時間を聞いた時には
「んー、無限にいける!」なんて答えていました。
帰り際には「またくるねー!」と調子よく話していたり、終始機嫌よく過ごせていました。
私からも「元気に挨拶できたね!よく頑張ったね!」
最後に誉め言葉をプレゼント!
優しく声かけをしてくださり、子供に寄り添ってくれる、歯医者さん、助手さん方のおかげでもありますが、この日は息子の歯医者さん嫌いを完全に克服できた日でした!
この成功体験から、すこしでも参考になることがあればうれしいです!
執筆者:冨沢夏海
(発達科学コミュニケーショントレーナー)