「他害」を止められない自分に、我が子に苦しむADHDキッズママ達
最近よく『他害』という言葉を聞きます。
この問題はとても深刻でとても難しい問題です。
他害をされる子のママ達はいつか我が子が一生残るほどの傷を負わされるのではないか、体だけではなく心にも傷を追うかもしれない…。
何もしていない我が子が攻撃される意味がわからない。他害する子には学校を園を去ってほしい。
他害をしてしまう子のママはとにかく人様に迷惑をかけるのをやめてほしい、何度も何度も言い聞かせているのにやめてくれない。
いっそ家にずっと閉じ込めておきたい。
我が子が被害に遭う方がどれだけいいことか。
こんなふうに両者ともに苦しい思いを抱えています。
私は後者のママさんにお会いする機会が圧倒的に多いのですが、おっしゃるのは申し訳なさと情けなさで逃げ出してしまいたくなる…。
お相手への謝罪の時には穴があったら入りたい…と直面するのが苦しくて仕方ないということです。
そして辛いのが言い聞かせても言い聞かせても子どもの行動が変わっていかない…
どうすればいいのかわからない、と相談に来られます。
子どもが「他害」をする理由
「他害」が起きてしまうのは
・感情コントロールの苦手さ
・衝動性
が大きな要因にはなってきます。
ですが「他害」するようになる子というのはストレスMAX状態の子達です。
ADHDキッズ達は行動が悪目立ちしてしまう子ども達です。
凸凹脳からくる行動、例えば
・ウロウロしてしまう。
・相手をさえぎってしゃべってしまう。
・自分優先で行動しようとする。
・順番が待てない。
・身の回りの管理が全然できない。
・話を聞いていない。
などなど数えたらキリがありませんが、周りにとっては迷惑だからいつもいつも叱られて注意され続けているんです。
もしかしらおうちでも学校でも24時間ずっとかもしれません。
彼らの脳の凸凹からくる行動は子ども達が自分で直せるものではありません。
だけど誰もそんなことには気付かない…。
だから悪い行動を直せないお前が悪い!と四方八方から攻撃されるわけです。
イライラもするしストレスも溜まります。
ストレスが溜まると脳から出る行動は悪化しますから行動はもっと目立ち、感情コントロールももっと効かなくなって衝動性も強く出るようになります。
だからちょっとしたことでイラッとしたら感情コントロールが効かなくなって手が出てしまう…。
自分でもコントロールが効かないので「他害」をしてしまう自分をコントロールできない苦しさを子ども達も抱えています。
「他害」を止めるママの対応法
他害は止められる、ママが変われば絶対に止められるんです。
ADHDキッズ達が手を出してしまうのは、追い詰められてストレス状態だからです。
だからまずそのストレスを抜いてあげます。
叱るのをやめて肯定をしっかりしっかりしてあげてください。
これをやれば数週間で手を出すのをやめる子を私はたくさん見てきました。
「「他害」したとしても叱らないんですか?」と言われるかもしれません。
ですが叱りません。やっていいことと悪いことは子ども達もわかっています。
それを追い詰めても問題は解決しないんです。大事なのは子ども達に考えさせること。
しかも自発的にです。
ママがわかってる?自分がやられたらどう思うの?謝りなさい!!!
と言えば言うほど子ども達は心を閉ざしてしまいます。
だからママは考えるきっかけを与えてあげる方が効果が高いんです。
ですがこれはまず肯定が入っていないと効果がないのでしっかりと肯定を入れていく。
それが最優先になります。
他害をしてしまう子のママ達にお会いしたときはたいていが作り笑顔の影で苦しそうな顔が見え隠れしています。
ですが3ヶ月経つ頃には苦しそうな顔は消え、本当の笑顔になっている方をたくさん見てきました。
今日のお話がどなたかのお役に立てたら嬉しいです♪
執筆者:梅村やよい
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)