家では大丈夫なのに、学校で荒れる理由
「他害」って深刻な問題です…。
「家ではそれなりに穏やかなのに、学校で暴言を吐いたり、お友達を叩いたりしてしまうんです…何度言い聞かせても止まらなくてどうしたらいいのかわかりません…」
そんなママの声を、これまで何度も聞いてきました。
お母さん達は学校からの電話を恐れ、謝罪にまわるのに疲れ切り、人を傷つけるのだけはやめてほしいから、なんとか言い聞かせようとするんだけど止まらず、他害してしまう…。
本当に困りますよね…。
実はそれ、学校という環境が原因になっている可能性が高いんです。
どういうことか、説明させてくださいね!
合わない環境の中で悪循環にハマるADHDキッズ達
ADHDキッズの特徴的な行動は、クラスの中でどうしても目立ちます。
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机の上がぐちゃぐちゃ
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授業中に落書きをしている
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鉛筆をかじっている
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指示を聞いていないように見える
本人は必死にがんばっていても、まわりからは「ふざけている」「怠けている」と受け取られてしまいがち…。
だから先生やクラスメイトは良かれと思って注意をしたり、やることを教えてくれたりします。
けれども、こういった周りからの言葉はADHDキッズにとっては否定的に聞こえてしまう…
だから彼らは追い詰められてしまいます…
その結果、ストレスとなって些細なことで爆発したり、行動が荒れ始めるのです。
そして、こうした環境で毎日を過ごしていると、ストレスはどんどん悪化します。
すると凸凹からの行動が強く出始めるので、余計に感情コントロールが効かなくなったり衝動性が強くなって怒りっぽさがひどくなったり、多動がひどくなったり、不注意傾向が悪化して悪循環に入っていきます…。
周りからすると「わざとやっているように見える行動」も、子ども自身にとっては「どうにもできないSOS」のことが多いのです。
▼学校で怒る子にはこちらの本を参考にしてみてください!
他害を落ち着かせる2ステップ
🔸ステップ1:行動の悪化を止めるには、まずストレスを減らすことが最優先です!
特に、家庭での関わりがとても大切。
学校でたくさん否定されている分、家ではしっかり肯定してあげることが必要です。
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「がんばって行ったね」
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「今日は最後までよく聞けたね」
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「前より準備が早かったよ!」
こうした声かけの積み重ねが、子どもの心に安心感を取り戻し、ストレスを和らげ学校での他害行動も次第に落ち着いてきます。
🔸ステップ2:先生を味方につけると、さらに環境が変わる!
お家での関わりで落ち着く子も多いですが、学校の環境があまり良くない場合はなかなか改善しにくいケースもあります。
そこでママにできるのが、「先生を味方につけること!」
たとえば担任の先生に、
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「うちの子、肯定されると落ち着くんです」
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「目を見て指示されると、動きやすくなります」
など、具体的な関わり方を伝えることで、子どもが安心できる関係が築きやすくなります。
ママの一言が、学校での毎日を大きく変える第一歩になるのです。
▼感情コントロールが苦手な子はこちらの本を参考にしてみてください!
ママの関わりを変える、子どもの気持ち
ママもなかなか肯定ができない場合があります。
「この子は言われないとわからない!」とか、「ダメなことはダメ!」と伝えないといけない!とかの思いがあったりすると難しいケースもあります。
そんな時はこう考えてみるといいかもしれません。
もしあなたが、毎日職場で否定され続けたら、どう感じるのか…
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「またミスしたの?」
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「ちゃんとやってよ」
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「なんでできないの?」
そんな日々が続いたら、行きたくなくなって当然ですし、イライラも募りますよね。
それと同じことが、学校で起きている子がいるということ。
そう考えると、子どもへの見方が少し変わってきませんか?
子どもの行動はママの声かけで変わっていきます。
その子に合った関わり方をすれば、行動はちゃんと改善していくんです。
叱っても行動は変わらない、それよりも、「できたことを見つけて肯定する」ほうが、子どもが落ち着き子ども達がママの声を聞き始め変わり始めます。
▶︎まとめ:他害行動には意味がある
子どもの他害行動は、「困ってるよ」「助けてほしいよ」という心の叫びです。
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家で叱らず肯定的な会話でストレスを抜いてあげること
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学校とつながって環境を整えること
この2つのアプローチを少しずつ始めていけば、きっと今より穏やかな毎日が待っています。
まずは、ママの声かけから始めてみませんか?
執筆者:梅村やよい
(発達科学コミュニケーション マスタートレーナー)