学校でお友達を叩く発達障害の息子に悩まされた日々
私には発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の小学生の息子がいます。
息子は小学校に入学してから学校でトラブルを起こしてくることがしょっちゅう。
週に何度も先生から電話がかかってきました。
特に手が出てクラスのお友達を叩いてしまうことが多々あり、とても悩まされました。
相手のお家の方の連絡先を先生から教えてもらい、「うちの子がご迷惑をおかけして申訳ありませんでした。」と何回謝ったことか…。
家で息子に状況を聞き、叱ったり言い聞かせたりして「もうしない」と約束をさせるのですが、すぐにまた先生からの電話。
よくなっていかない息子と謝罪の日々に、「どうしてこんな辛い思いをしないといけないのか」と涙する日もありました。
叱っても効果がない理由
発達障害・ADHDの子を育てていると、叱っても言い聞かせてもよくならないという壁にぶつかり、悩む方も多いと思います。
どうして叱ってもよくなっていかないのでしょうか?
「これだけ叱られたらもうやめるだろう」と思うのですが、そう簡単にはいかないのには理由があったんです。
わかっていても止められない
発達障害の子は脳の発達が未熟な部分があったり、反対に得意なこともあったりとアンバランスさがあり、それが困りごとや光る個性、強みになります。
学校でトラブルになりやすい子は行動や感情のコントロールに苦手さがあることが多く、「よくない」「ダメだ」とわかっていても手が出てしまいます。つまり、わかっていても止められないんです!
ネガティブな記憶の積み重ね
よくないとわかっているのに止められずお友達を叩いてしまい、先生やお母さんに怒られることが続くと、嫌な記憶が頭の中に貯まっていきます。
当然自信も失います。
そのような状態で一生懸命言い聞かせても、お母さんや先生の言葉はシャットアウト!
「これ以上自分を傷つける言葉は聞きたくない!」と、自分の心を守るために耳は閉じています。
また、ネガティブな気持ちやストレスが貯まっているときは、脳の中の冷静に考える場所が働きにくい状態です。
私たちも疲れがたまっていたり、仕事でミスをして落ち込んでいたりと、コンディションがよくないときは判断力が落ちることがありますよね。
子どもも同じで、そんなときにどれだけ言い聞かされても頭の中には入っていかないんです。
お家でママができる!叱らない対応のポイント
ママがお家で叱らずにできる対応を紹介します!
叱らず共感
シャットアウト状態の脳をリセットするために、手が出た理由を聞いて気持ちに共感してあげましょう。
「○○が嫌だったんだね」
「それは怒りたくなるね」
「そんなことがあったんだね」
自分の気持ちを言葉にすることが難しい子は、先生から聞いた状況から推測してお母さんが代弁してあげることで自分の感情の表現の仕方がわかってきます。
ポイントは口をはさまず聞くこと!
自分の行動がきっかけなのに相手が悪いようなことを言うかもしれませんが、「それはちがうよ」などの言葉は封印。
ジャッジをせず思っていることを一度受け止めます。
私たち大人も何か失敗をしてしまったときに正論で指摘されると、よくなかったとわかっていても反抗的な気持ちが生まれたり思考がフリーズしてしまったりしませんか?
逆に理由を聞いてもらえたり、その時の状況に共感してもらえたりしたら、素直に失敗を受け入れて次にどうするか考えられますよね!
子どもも同じと考えてみてくださいね。
パターンを見つける
家で過ごす時は、どんなときに手が出やすいか、荒っぽくなるか、状況やパターンを見つけてみてください。
息子の場合は、家では学校よりも落ち着いていたものの、暇で退屈な時や、楽しくてテンションが上がっている時にちょっかい出しが止まらなかったり、不安が強い時に行動も爆発してしまったりと、傾向がありました。
急に怒り出すこともあり、私も周りの子もきっかけがわからず困っていたのですが、観察していくことで「お友達に言われたあの言葉が理由かな」と推測できるようになりました。
先生と共有
お家でのパターンをヒントに学校での傾向も把握してもらえるようお願いしましょう!
パターンがわかれば予防ができます。
例えば
「暇にならないよう次にやることを早めに伝える」
「調子が良くない時は活動量を調整する」
などです。
手を出さずに過ごせたときは、褒めてポジティブな記憶のインプットをしてあげてくださいね!
学校でのトラブルはその場にいないママにとってはどう対応するのがいいのか悩んでしまいますが、叱る以外にできることがあります。
先生とも情報交換をして叱らず予防できる体制を作っていってくださいね!
▼元教員とADHDキッズのママの視点で書きました!
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