欲しい気持ちが抑えられない息子
私には、飛行機に夢中になっている注意欠陥多動性障害(ADHD)の小学生の息子がいます。
ある朝、息子はYouTubeで飛行機のプラモデルを作る動画を見た後、「飛行機のプラモデルを買いに行きたい!」と言い出しました。
先週新しいおもちゃを買ったばかりだったので、またすぐに新しいものを買い与えることに抵抗を感じた私は、息子の気持ちを大切にしつつ、「今回は買えないよ」と伝えたのですが…。
欲しい気持ちが抑えられない息子は朝ごはんを拒否し、妹に当たったり、暴言を吐いたり、「今買って!」と、しつこく要求してきました。
このまま息子の感情に振り回されて買ってしまうのはよくないと思う気持ちと、夢中になっていることに熱中させてあげたいという気持ちで揺れ動く私…。
「思い立ったらすぐ行動!」はADHDキッズの強み
「思い立ったらすぐ行動に移す!」というのは、ADHDの子どもたちにとって一つの強みです。
とてもエネルギッシュで、行動力があります。
しかし、その反面、感情や行動のコントロールが難しいという弱みも抱えています。
「我慢ができない」と感じてしまうのはそのような特性からくるものです。
目に見える困りごとに引っ張られ、私が子どもの要求を「ダメ!」と突っぱねてしまうと、その持ち前の行動力が失われてしまう可能性があります。
息子には「思いを伝えたら人が動いてくれる」という経験をさせたい。
同じ我慢でも、「買わない我慢」ではなく、「手に入れるための努力」を経験させることで、自分が動けば欲しいものが手に入る成功体験を積ませたい。
そう思った私は、「どうやったら息子が自分の力で飛行機のプラモデルを手に入れるか」という作戦会議を息子と開くことにしました。
どうやって手に入れる?作戦会議で行動力を伸ばす!
脳を冷静な状態にする
まず、今すぐ買ってもらえないことにイライラしている息子を冷静な状態にする必要があります。
息子が暴言を吐いている間はスルーし、「今欲しいんだね」「すぐに作りたいんだね」「どうしても欲しいんだね」と気持ちに共感しました。
「今は買えないよ」「先週も買ったでしょ」という言葉は封印。
気持ちに共感することで、頭の中が整理され、興奮が治まってくると、「やりたい気持ち」と「今は難しい」という現状が冷静に理解できるようになります。
どうやったら買える⁉ワクワク作戦会議
息子が落ち着いたところで、「自分でお金を貯めて買える方法を一緒に考えようよ!」と誘いました。
すると、息子から「お手伝いポイントを5倍にしてほしい」という提案がありました。
わが家では、お手伝いをすると「キラキラポイント」が貯まり、欲しいものを買うときに使える仕組みになっています。
5倍は多いと感じたので、必要な額と貯めたい期間を一緒に計算しました。
3倍ポイントならば貯められる見通しが持てそうだったので、「期間限定ポイント3倍デー」を設けることに。
3倍でも多い気もしましたが、「自分で手に入れられた!」という成功体験を積むことを目的にしました。
さっそく、玄関の靴そろえ、皿洗い、風呂洗いなど精力的にお手伝いに取り組み始める息子!
こうして、息子の行動力を生かしつつ、欲しいものを手に入れるためのプロセスを楽しむことができたのです。
ADHDキッズの困りごとは、裏を返すと強みにもなります。
小さなことでも、思いを叶える方法を一緒に考えて成功体験にしてあげることで自信がつき、困りごとではなく彼らの武器にしていくことができるんです!
「我慢しなさい!」と突っぱねず、どうしたらその行動力を伸ばせるという視点から関わってみてくださいね!
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元教員とADHDキッズのママの視点で書きました!