出かける前に「行きたくない」と言い出すADHDグレーの息子
家族でのお出かけ、朝になって「やっぱり行きたくない」と子どもが言い出して困った経験はありませんか?
私には注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの息子がいます。
先日、近くの川に遊びに行く予定で朝から準備をしていたところ、急に「行きたくなくなった」と言い出しました。
昨年「天然の流れるプール!」と言って遊んだ楽しい思い出のある場所なので「どうして?!あんなに楽しみにしてたのに!」という気持ちになる私・・・。
息子は気分が乗らない日の朝はダラダラしていたいタイプです。
出かけるときはスイッチが入るまで「行きたくない」「家にいる」ということがしばしばあるのですが、動き出してしまえばグズグズすることはほとんどなく、むしろ誰よりも楽しみます。
きっと今日もそうなることは想像がついた私は「朝はだるいけど、頑張って準備して行ってよかった!」というポジティブな思い出になるようサポートしようと決めました。
学校で叱られる原因にもなる、やる気をコントロールしにくいADHDキッズ
これまでの経験から今回の息子のケースの場合は、「川に行くことは楽しみ」だけれど、それまでの準備の過程が面倒でやる気が出ず、「行かない」と言い出したと推測しました。
脳はなにかをやり始めるときに1番エネルギーを必要とします。
これはどんな人にも当てはまることですが、ADHDの傾向があると嫌なことやめんどうなことに対するモチベーションが上がりにくいので、より脳に負荷がかかるんです。
脳の特性が関係していて自分でもやる気をコントロールするのが難しいと言われています。
たとえば、私たちがやる気を出して行動するためには、脳の中の「報酬を感じる」部分がうまく働いて、目の前のことを「やろう!」と思えるようになります。
「報酬」とは宿題を終えたら「やった!終わった!」という達成感や、誰かに褒められたときの嬉しい気持ちです。
この「報酬」を感じることで、「もっと頑張ろう!」というやる気が自然に出てきます。
ADHDタイプの子はその「報酬」を感じにくくて、やる気のスイッチが入りにくいことがあります。
好きなことへの行動力が長けている反面、嫌なことはなかなかやらないので、ADHDの子が「怠けている」「めんどくさがり」と思われやすいのはそのためです。
学校では、「授業が始まっているのに切り替えられない」「なかなかノートを書き始めない」といった場面で叱られてしまうこともあります。
本人も「やらなくては」と思っていても取りかかれず、叱られてしまい苦しい思いをしています。
ママや先生が子どもの特性や行動のパターンを理解し、叱らずに対応できる方法を知っておくことで、叱られる経験を減らすことができるんです!
動き出しをサポートするママの声かけ
私が息子にした「負荷がかかる動き出しをサポートする声かけ」を紹介します!
行きたくない気持ちに共感
「そっか〜、行きたくなくなちゃったんだね。」
「動きたくないよね。」
と、子どもの言葉や様子を見てわかる気持ちに共感し、言葉にして伝えます。
このときは「行く気にさせよう」という気持ちは置いておくことがポイントです。
そうすることで「受け止めてもらった」という満足感で気持ちが落ち着きます。
ポジティブな言葉で会話をスタート
気持ちが落ち着いたら着替えや歯磨きなどの支度を促す前にワンクッション!
楽しい会話を入れることで子どもの耳が開き、その後の指示が入りやすくなります。
おすすめの方法は子どものやっていることに興味や関心を示すこと。
息子の場合はYou Tubeを見ているところだったので
「何見てるの?」
「この動画の人好きなんだね!」
「おもしろいね〜!」
と声をかけました。
行動に誘う
楽しい会話で子どもの耳が開いたら「着替えようか!」と支度に誘う声かけをします。
動き出したら「着替えたね!」とすかさずほめて、「歯磨きしよう!」と次の行動を伝えます。
この会話のステップで準備が終わると、息子はサラッと車に乗り込み、いざ川が近づくと…「行きたくないって言ってても、いざ来ると俺が誰よりも楽しんじゃうんだよね。」と言う息子。
家族の誰よりも先に川に入っていきました!
家に帰り「朝は行きたくないって思ってたけど、楽しかったね!」と声をかけると「うん!」と返事が。
計画通り「嫌だなぁと思っても行動してみたら楽しかった!」という成功体験を作ることができました。
動き出しは誰でもエネルギーを使うし、ADHDの子の特性からくる苦手な面でもあります。
それを知っていれば叱ったり無理に説得したりするような方法ではなく、耳を開かせ、動きたくなる声かけで行動させることができます。
ママの声かけでうまくいく行動パターンがわかったら、先生にも共有して子どもの活動をサポートしてあげてくださいね!
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元教員とADHDキッズのママの視点で書きました!