トラブルの報告があったものの、子どもと先生の言ってることが違う!
担任の先生の電話。
着信があると胸がズキズキして、「またうちの子が何かやってしまったのか」と落ち込んでしまうママも多いのではないでしょうか。
特に注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向があるお子さんの場合、トラブルになりやすく、先生からの報告が頻繁になることもあります。
そんなとき、家で子どもに確認してみると
「ぼくはそんなことしてないよ」
「○○くんが先にやったんだよ!」
と、先生から聞いた話と違うことを言う場合があります。
このような「話の食い違い」があると、子どもの話を信じたい気持ちと、先生の話を無視できない状況で、どのように対処すれば良いのか悩んでしまいますよね。
私は元小学校の教員でしたが、先生が全てを把握するのは不可能ですし、子どもの記憶も曖昧で、言っていることが二転三転することもあります。
大事なのは、誰が正しいか、何が真実なのかを突き詰めていくことではなく、「子どもの成長のためにはどうしたらいいか?」を先生と考えていくことです。
次の章ではどうして子どもと先生の話が食い違うのかについて解説します。
話が食い違うのはなぜ?
子どもの視点
子どもが低学年だと、まだまだ自分中心の物の見方をしがちです。
相手の立場になって考えることを学んでいる途中で、自分を基準に物事を考えてしまうので「自分は正しい」「相手が悪い」と結論付けてしまいます。
また、自分の行動がきっかけでトラブルになってしまっても原因と結果が結びつかず、最後の「嫌な思いをした」という感情が優先されてしまうので、「相手が悪い」となってしまうこともあります。
さらにADHD傾向があると、自己主張が強かったり、感情のままに動いたりすることがあり、子ども自身の「見えたこと」「感じたこと」が事実とは少しズレている可能性もあります。
トラブルになって叱られてしまうことの多い子は、防衛本能から「自分は悪くない」と言うことも。
発達段階やこれまでのネガティブな経験から、事実と解釈が違ってしまうこともありますが、決して嘘をついているわけではないんです。
先生の視点
先生も客観的な視点で事実を見ているつもりでも、忙しい学校生活の中で一部しか把握できていないこともあります。
もちろん、必ずその場にいるとも限りません。
トラブルが起きると、まずは関係している子どもたちから順番に話を聞き、はっきりしない場合は見ていた子たちにも様子を聞きます。
ここで食い違いが起こることはよくあるんです。
休み時間だけでは解決しないこともあり、授業に差し掛かってしまうと、他の子たちを待たせることにもなってしまいます。
後に引きずってしまわないよう、できる限りその日のうちに解決をするようにしていますが、時間の制約がある中での対応なので、その中でわかったことを保護者に伝えることになります。
お家でしてほしい子どもへの対応と先生への相談の仕方
「オウム返し」で子どもの気持ちを受け止める
子どもの話と先生の話が違った場合でも、まずはお子さんの気持ちを受け止めてあげましょう。
明らかにわが子の言っていることが違うこともあるかもしれませんが、前の章でも書いたように、ネガティブな経験の積み重ねから自分を守ろうとしてしまっていることもあります。
・○○が嫌だったんだね。
・そう感じたんだね。
・それは嫌だったね。
・わかってほしかったんだね。
と、肯定も否定もしない「オウム返し」で気持ちを受け止めながら、思考の整理を手伝ってあげましょう。
「ママは自分の話をちゃんと聞いてくれる」と感じることで、安心感を得られます。
頭の中のネガティブな感情をリセットしてあげることで、自分のよくなかったことも振り返る余裕も生まれるので、「先生はこう言っていたけれど、それについてはどう思う?」と問いかけてみてください。
全てのことがはっきりしなくても、「今度同じようなことがあったらどうしたらいいかな?」と一緒に対策を考え、「しっかりお話しできたね!」と褒めて成功体験で終わりにしましょう。
先生への相談は肯定のサンドイッチで!
子どもの話を聞いた後は、先生にも確認を取ることが大切です。
ここで注意したいのは、先生を責めるような態度を取らないこと。
ポジティブな内容で伝えたいことをはさむ「肯定のサンドイッチ」で相談してみましょう!
①先生が対応してくれていることへの感謝の気持ち
・お忙しいところお時間とっていただきありがとうございます。
・子どもの話を丁寧に聞いてくださりありがとうございます。
②本題
・子どもにも聞いてみたのですが、こんなふうに言っていました。
・こんな思いがあるようなんですが、先生から見てどうでしょうか?
・先生のおっしゃることも理解できますし、子どもの話も聞いてあげたいと思っています。
③感謝やねぎらい
・先生のことが好きで家でもよく先生の話をしています。
・一筋縄ではいかない子ですが、先生が親身になってくださりありがたいです。
トラブルが多く、いつも自分の子どもが悪者にされてしまうように感じると、感情的になってしまいますが、「困っているのは子ども」という視点で話をしてみてくださいね!
このような困ったときの対応は、先生との信頼関係が日頃から作れていることでスムーズに進みます。
元小学校の教員と、ADHDの息子を育てた経験から、先生との関係作りについてまとめました!
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