「どうせできない・・」と言いがちな場面緘黙の子の気持ちを引き出す対応

学校では緊張して話せない
学校では話せない場面緘黙の子は、本当に言いたいこと言えてると思いますか?表面的に出てきたコトバと本音のコトバの違いを今回は意識して見る視点について考えていきたいと思います。

場面緘黙の子の不安になりやすい裏側にあるものとは?

わが家には小5の息子がいます。幼少期の時のように、何でも楽しそうに話してくれる様子とは違います。

 

小5の発達段階としては、思った事があっても素直に伝えられなかったりする一方で、言葉の理解が出来る段階です。

 

ですが、場面緘黙の子は、言葉を理解できても、それを伝える力が未熟なので、アウトプット自体が減ってしまうのです。

 

ですが、心の中ではたくさんの言葉で溢れてしまっているのです。そのインプットとアウトプットのアンバランスで、次の行動にサッと移せないところが多く見られます。

 

また、ちょっとした出来事からネガティブな記憶を引き出し、不安から抜け出せなくなる負のループにも陥りやすくなってしまいます。

 

場面緘黙の子がいつも言う口癖

場面緘黙の子の考えていることが分からないと、親としてはとても不安になりますよね。それに加えて、「どうせ出来ないし・・」というのが割と多い口癖でした。

 

親子で一緒に過ごす時間が当時多かった私は、このような口癖を毎日呪文のように言われ続けていました。そのうち、私はこんな風に考えてしまうことがありました。

「もういいんじゃない?」

「それならやらなくていいんじゃない?」

ついついそんな事を言ってしまうのです。

 

 

とにかくネガティブな言葉を私は聞きたくなくて、その場をやり過ごしたくなってしまう。そんな投げやりな対応になって、言葉の裏側にまで気にしてあげる心の余裕は、正直ありませんでした。

 

場面緘黙の子は何もせず放置するのは要注意!

場面緘黙の子の、困りごとには何もせず放置した場合、どうなるのでしょう?

 

特定の場所・場面では常にストレスがかかっている状態です。さらにお家でも不安が強くなってくると、いつでもどこでも不安でストレスがかかってくるということになります。そうなると、困りごとはどんどん膨れ上がっていきます。

 

ですので、出てきた困りごとにいちいち対処するのでは間に合わないのです。

 

そうじゃなくて、根っこの部分にある自信のなさに対応してあげないと、表面的な言葉だけに対応するだけになって大変になってしまいます。

 

そして、表面的な対応だけでは、「受け止めてもらえなかった」というネガティブな記憶だけが残ってしまい、親子の信頼関係が低下してしまうのです。

 

こういった、ネガティブな気持ちをため込んでしまうと、大きな漠然とした不安の塊に飲み込まれて、動けなくなってしまうことがあります。

 

行動できない事が増えると、さらに追い込まれてしまう。これらを繰り返すとどんどん自分の殻にこもりがちになってしまいます。

 

不安が強い場面緘黙の子には「一旦気持ちをお預かりします」という対応をしよう!

そんな自分の殻に閉じこもっていた息子に、私がやったことは、「そう思うんだね」と「一旦気持ちをお預かりします」という対応をしました。

 

以前の私の場合は、「で、結局何が言いたいの?」プレッシャーをかけてしまう関わり方でした。

 

プレッシャーをかけるのでもなく、見放すのでもなく、一旦その「不完全な思い」を受け止める事がまず大事なのです。

 

まず、信をつけるために安心の土台づくりをしてあげることで、自分から話し出すという状態を作ってあげましょう。

 

その環境を作り出す事で、ぽつりぽつりと不完全ながらも気持ちを言えるようになってきます。

 

もちろん、環境を整えるだけでなく、聞く側の気持ちのスタンスも大きく影響します。

 

例えば、イライラしながら話を聞くと、その気持ちは情動感染で伝わります。

 

特に場面緘黙のある子は周りの刺激に敏感なので、ダイレクトに刺激を受け止めがちです。

 

お母さんのスタンスの心得は、ニコニコしながら会話をすること。

 

プレッシャーを与えないというたたずまいを変えるだけで、子どもの様子が一段と変わってきますよ。ぜひ、やってみてくださいね!

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