場面緘黙症の子にとって「愛着」とは信頼と安心の絆
「愛着」とは、親子の間に育まれる信頼と安心の絆のことです。
愛着がしっかりと形成されることで、場面緘黙の子は「自分は守られている」「自分は大切にされている」と感じて、心が安定していきます。
特に場面緘黙症の子にとって、この安心感は外に踏み出す勇気を持つ土台となります。
場面緘黙症の子の愛着形成のポイント
では、ここからは、場面緘黙症のお子さんとの愛着形成のポイントをご紹介していきます。
「見守る」姿勢を大切にする
場面緘黙症の子は、自分の思いを言葉で表現するのが難しい場合があります。
そんな時、「どうして話さないの?」と焦るのではなく、「大丈夫だよ」「そのままでいいよ」と安心を与える言葉や態度がとても大切です。
お子さんが自分のペースで安心して話せる環境を作ることが、愛着形成につながります。
小さな成功体験を一緒に喜ぶ
お子さんが挑戦しようとした時には、その努力を一つ一つ認めていきます。
たとえば、初めて挨拶ができた時、「頑張ったね」「すごいね」だけではなく、挨拶しようとする前から「相手の目をみようとしていたね!」とか「挨拶しようとしたんだね」など声をかけてあげて、挨拶が苦行ではなく、必要なものなんだ、と思えることが大切です。
親が喜びを共有することで、子どもは自分に自信を持ちやすくなります。
非言語的なコミュニケーションを活用する
言葉だけが親子のコミュニケーションではありません。
笑顔で目を合わせる、軽く肩に手を置く、手をつなぐといった非言語の方法でも、愛情を伝えることができます。場面緘黙症のお子さんにとっては、こうした方法が特に安心感を与える効果があります。
「ありのまま」を受け入れる
「他の子と同じように話してほしい」と思うこともあるかもしれません。
とはいっても、母親と子どもも同じ人ではありませんよね。違う人格なのです。
お子さんの個性やペースを尊重し「話さないこともこの子が決めていることなんだ」と受け入れていく姿勢が、親子の信頼を深めます。
お子さんは「そのままの自分で愛されている」と感じ、心が安定していきます。
終わりに、場面緘黙症のお子さんとの愛着形成には時間がかかることもあります。ですが、日々の小さな積み重ねで形作っていくことができるのです!
お母さんの温かい見守ろうとする姿勢は、お子さんにとって何よりの安心感になります。諦めずに続けていくことが、お子さんの心に大きな力を与えてくれます。