甘えられない場面緘黙症の子が安心感を深めて甘えられるようになった理由

親に甘えたいけど、甘えられない・・そう感じている場面緘黙症のお子さんは少なからずいます。親の目線では、「甘えてるはず」と思っても、お子さんの中では「甘えたいけど甘えられない」理由があったのです。

甘えられない場面緘黙症の子ども

わが家の息子は、特定の場面では声を出せずに黙っている「場面緘黙症」でした。お家では普通に話すことができても、学校ではまるで別人のようでした。

 

笑顔さえもぎこちなく、クラスメイトとも距離を感じる様子に心が痛みました。さらに、お家でも長男としての役割を意識して、下のきょうだいに遠慮して、私に甘えることが他の子よりも圧倒的に少なく、大人びた印象の子でした。

 

親として「どうして?」という思いと、「もっと楽に生きてほしい」という願いが交錯して、どう対応したらいいのか、手探りの毎日を過ごしていました。

少しの変化から始まった安心感

わたしは、発達科学コミュニケーションを学んでから、脳のことを学んだり、発達特性について学ぶ機会を持つことができました。

 

その中で、「待つ」ことが一番の安心になる、ということを学びました。子どもは、親が焦らなくても、そばにいてコミュニケーションを少し変えるだけで、少しずつ変化していく。

 

私は、これまで「なんとかしなきゃ」と子どもの変化ばかりを期待していました。子どもの気持ちを受け止める余裕がなかったことに気づいたのです。それから、私は子どもとの時間を少しずつ変えてみることにしました。

 

「言葉」ではなくて「行動」で寄り添う

子どもが話さない時、不安そうな時、今までは「大丈夫?」と声をかけていましたが、このように少し変えてみました。例えば、そっと隣に座ったり、一緒に温かいスープを飲んでみたり、一緒に同じ空間を『安心できる空間』に作ることを意識しました。

 

わが家には子どもが3人います。だから、両手はふさがってしまうし、正直物理的に手が足りないのです。残念ながら、長男は自分が年上だからと甘えたいのに遠慮してしまう行動を取ってしまうことがありました。

 

お母さんが大変なのを一番長く見てきたからこそ、母親に対して色々な感情を持っているはずなのです。もちろん子どもは親に褒められたいものです。ですが、3人もいると、1人を褒めると周りが「〇〇だけズルい」とふてくされる・・兄弟あるある、なのではないでしょうか?

 

 

これはカインコンプレックスと呼ばれますが、親としては均等に褒めているはずなのに、きょうだいのどちらかがふてくされたり、けんかになったり、うまくいかないのです。

 

かの有名なボウルビィ博士はアタッチメント理論の中で、「子どもは社会的・精神的発達を正常に行うために、少なくとも一人の養育者と親密な関係を維持しなければならず、それがなければ、子どもは社会的、心理学的な問題を抱えるようになる」といわれています。つまり、1対1の親子関係が維持されていることで、社会的・心理学的な問題が減らせる、ということです。

 

家庭の中で1対1の親子関係を維持することが解決策

お家の中で1対1の親子関係を維持させることが困りごとを減らしていくということを踏まえると、甘えたい子どもが毎日の親子関係の中で甘えられる空間を作ってあげればいいのです。

 

例えば、子どもが落ち着く時間(お風呂の時間、寝る前の時間、テレビをみている時間、ご飯の時間・・色々あると思いますが)に、たった3分でいいので「この子だけの特別な時間」を作ってあげるのです。

 

特に、高学年にもなってくると、思春期の発達の特性上、一緒にいる時間は減ってくると思います。ですが、たった3分だけでも、「あなたとの時間をママは大切に思っているんだよ」という事が伝われば、甘えてもいいかな・・と心を許せる瞬間を作ってあげてほしいのです。

 

話せる事が目標ではない場面緘黙症

わたしは、話せる事が目標だとは思っていません。もちろん、それは大きな長期的な目標にはなりますが、正直なところ、話すかどうかは本人次第なのではないでしょうか。

 

だからこそ、私たち親ができる事としては、「話せたら褒める」ではなく、「やろうとしてること」「できたこと」様々なことに注目することです。

 

やろうとしてること、できたこと様々なことに注目して褒めていくことを丁寧に続けていったことで、子どもは甘えられるようになっていきました。

 

半年ほど経つと、子どもの少しの変化に気づくようになっていきました。本当によく見ていないと気づかない変化かもしれません。その中で、一番気づいたことが、「自分は安心して甘えてもいいんだ・・」と感じれるようになったことではないのでしょうか。

 

自分の本当はこう思っている感情に蓋をしてきた期間が長かった分、集団行動を強いられる学校でも感情に蓋をしてきている子です。

 

まずは、お家で自分の感情に気づくこと
そして、その感情を出してもいいんだ、と感じること。

 

これが、とても大事なことだと思うのです。

 

おわりに、場面緘黙症の子どもが甘えられるようになるには時間がかかるかもしれません。ですが、子どもは自身のペースで成長していることを信じて待つことは親として大事な役目だと思っています。もし同じように悩んでいる親御さんがいらっしゃるなら伝えたいことがあります。

それは、お子さんの「心の声」に耳を傾け、過ごしている空間を安心できるものにするために心の余裕さを取り戻すことが、この長期休み中の目標にしていきましょう!

 

不安が強い場面緘黙キッズには
安心を与える関わり3ステップがオススメ!
画像をクリックすれば電子書籍を無料ダウンロードできます!
▼   ▼

タイトルとURLをコピーしました