心の中では静かな挑戦を繰り返している軽度の場面緘黙
もしお子さんが「場面緘黙 軽度」かもしれないと言われたり、人前で話すことが苦手だったりすると、毎日心配が尽きないでしょう。
「なんで話せないのかな」
「もっと声を出してほしい」
「周りの子と同じようにできたらいいのに」
場面緘黙の子育てをするママは、そんなふうに悩んだり、時には自分を責めたりしてしまうことはありませんか?
まずお伝えしたいのは、あなたのお子さんは十分に頑張っている!ということ。味方がいない環境、話せない環境で過ごすこと自体、とても大きなエネルギーを使っています。外からは分かりにくいかもしれませんが、心の中では「どうしたら話せるかな」「うまく伝えられるかな」と、静かな挑戦を繰り返しているのです。
軽度の場面緘黙でも、本人にとっては大きな壁
「場面緘黙 軽度」と診断された場合、「きっとそのうち話せるようになる」と思われがちです。実際、軽度であれば成長とともに改善する可能性が高いといわれています。
ですが、話せない状態が続く時間は、お子さんにとってもママにとっても決して簡単に受け入れることはできませんよね。
本人も理解できないのに、さらに周りに理解されなければ、なかなか話せないお子さんを見て「何かもっとできることがあるんじゃないか?」と焦りを感じて、次々と新しいものを取り入れようとしてしまう・・。
ですが、大切なのは「今、この瞬間のお子さんを受け入れること」
話せない状況を「問題視」して解決させようとするのではなく、まずは「そのままの姿でも大丈夫だよ」と伝えてあげることです。お子さんにとって、ママが一番の味方でいることが安心感につながっていきます。
小さな『勇気の芽』を見逃さない!
お子さんがたとえ声を出さなくても、日々の生活の中でたくさんのサインを送っています。例えば、
・友達の輪に少しだけ近づこうとする姿
・先生の前で軽くうなずいたり、笑顔を見せたりする瞬間
・家で「学校でこんなことがあったよ」と、ちょっとだけ話してくれる時間
こういった姿は、お子さんが心の中で一歩ずつ壁を乗り越えようとしている証拠です。軽度の場面緘黙でも、乗り越えるには相当な「勇気」が必要です。ママがその勇気の芽を見つけて「〇〇したんだね、よく頑張っているね!」と言葉にすれば、お子さんは安心と自信を少しずつ育てていけるでしょう。
ママができることは「待つこと」と「見守ること」
場面緘黙の子どもにとって、「急かされること」や「比較されること」は大きなプレッシャーになって逆効果です!無理に声を出させるのではなくて、お子さんが気持ちを出せるペースで待ってあげる心の余裕をママがもてば、少しずつ心が開いていきます。
「この子のペースを信じる」と決めるのはもちろん簡単なことではありません。
けれど、ママが焦らず待ってあげることが、最も効果的な支援になることを覚えておいてほしいのです!
お子さんがその静かな勇気を積み重ねていことは、ママも一緒です。すぐに結果が出なくても、成長の芽は少しずつ根を張り、必ず花を咲かせる日が来ます。その日を楽しみにしながら、今は目の前のお子さんをそっと見守っていきましょう。
どんな小さな一歩でも、お子さんの「今」を支えられるのはお家にいるママだけです。最後までお読みいただきありがとうございました。