場面緘黙の子の集団行動が苦手な理由は?
団体行動が苦手なお子さんには、さまざまな背景があります。場面緘黙症のお子さんの場合、特に次のような要因が影響していることが多いです。
自分の気持ちや考えを伝えにくい
団体行動の場では、「こうしたい」「ここが分からない」といった意思表示が必要ですが、場面緘黙症のお子さんにとって、これを言葉で表現することは大きなハードルです。そのため、黙ったまま指示が理解できず、取り残されてしまうこともあります。
周囲のペースに合わせるのが難しい
集団では、決められた時間やテンポに合わせて動くことが求められますが、お子さんにとってそれが負担になる場合があります。ひとつの行動に集中したい気持ちや、周りの動きを見ながら自分を調整することが苦手な場合もあります。
緊張や不安で体が動かない
大勢の中にいるだけで緊張してしまい、心と体が萎縮してしまうこともあります。特に「声を出さなければならない場面」があると、プレッシャーが大きくなります。
場面緘黙の子育てママができるサポートとは?
集団行動が苦手な場面緘黙の子を支えるためには「できること」に目を向けながら、少しずつ安心感を育てていくことが大切です。
小さな成功経験を積ませてあげる
集団行動の中で、「これならできそう」という役割や行動を見つけることが第一歩です。たとえば、運動会で走るのが苦手なら、旗を持つ役や道具を渡す係など、無理なく参加できる方法を提案してみてください。小さな成功経験が自信につながり「もう少し挑戦してみようかな」と感じられるようになります。
先生や周りの協力を得る
学校の先生にお子さんの状況や苦手なことを共有するのも大切です。「声を出せなくても、紙に書いたり、ジェスチャーで意思を伝える方法を取り入れてほしい」など、具体的なサポートのお願いをしてみてください。先生もお子さんが安心して集団行動に参加できるよう工夫してくれるはずです。
お家でシミュレーションをする
集団行動の中で必要な場面(列に並ぶ、手を挙げるなど)をお家で練習してみるのも効果的です。実際の場面をイメージしながら「このときは、こんなふうに動いてみようか」とママと一緒に考えることで、当日の不安が軽減します。
団体行動が苦手でも大丈夫。個性として輝く場面をつくる!
集団の団体行動が苦手だと、「みんなと同じようにできるようにしなければ」と感じてしまうこともあるかもしれません。でも、無理に苦手を克服しようとする必要はありません。
お子さんは「一人で考える力」や「周りの動きをよく観察する力」を持っているかもしれません。他の子と違うペースであっても、それが個性として輝く場面が必ず訪れます。
また、団体行動の場ですべてを頑張るのではなく、得意なことや安心できる場所を見つけてあげるのも重要です。例えば「授業中は静かでも、図工の時間はのびのび絵を描ける」など、できることを積み重ねていくうちに、集団の中で少しずつ自信を持てるようになっていくでしょう。
ママの安心感が場面緘黙の子の力になる!
最後に、ママ自身が焦らず穏やかな気持ちでいることがとても大切です。お子さんは、ママの表情や態度からたくさんの影響を受けます。
「集団行動が苦手でも大丈夫」
「この子はこの子のペースで成長している」
そんなふうにママが思えると、お子さんも「自分はこのままでいいんだ」と感じ、安心して成長することができます。無理に周囲と同じようにさせるのではなく、お子さんのペースを尊重してあげることが最大のサポートです。
お子さんが集団の団体行動が苦手だとしても、それは成長の途中にある小さな一部分にすぎません。日々の生活の中で、お子さんなりのペースでたくさんのことを吸収し、ゆっくりと変化していく姿を見守っていきましょう。
ママの温かい目が揺るがない限り、お子さんの未来は明るく可能性に満ちていますよ。