場面緘黙の子が抱えやすい緊張やパニックの背景にあるもの
場面緘黙症のお子さんが人前で話すときに緊張したり、パニックになったりするのは、単に「性格がシャイだから」というわけではありません。その背景には、いくつかの要因があります。
不安が心と体を支配してしまう
「失敗したらどうしよう」「変に思われないかな」という強い不安が、頭の中をいっぱいにします。その結果、体が緊張し、心拍数が上がり、息苦しさを感じるなど、身体的な反応として現れることがあります。
話せない自分への自己否定
「みんな話しているのに自分だけできない」という自己否定感が、不安をさらに大きくします。この負のループが、緊張からパニックへとつながることがあります。
過去の経験が影響している
以前、人前でうまく話せなかった経験や、周囲からの視線にプレッシャーを感じたことが心に残り、それがトラウマとなってしまう場合もあります。
緊張や息苦しさを感じる場面緘黙の子を支える方法
お子さんが緊張や息苦しさを感じたとき、ママがどのように接するかで、お子さんの気持ちが大きく変わります。ここでは、安心感を育てるための具体的なサポート方法をご紹介します。
話さなくてもいいと伝える
緊張が強いときに「なんで話せないの?」と問い詰めたり、「頑張って話してみよう」と励ましたりすることは、逆効果になることがあります。まずは、「話さなくても大丈夫だよ」「そのままでいいよ」と、お子さんが安心できる言葉をかけてあげましょう。
深呼吸で心と体を落ち着ける
パニックや息苦しさを感じたときに役立つのが、深呼吸です。お子さんと一緒に「ゆっくり鼻から吸って、口から吐く」呼吸法を練習しておくと、緊張する場面でも少しずつリラックスしやすくなります。ママがそばで一緒にやることで、安心感を与えられます。
小さな挑戦をサポートする
人前で話すことに慣れるには、少しずつ成功体験を積み重ねることが大切です。いきなり大勢の前ではなく、家族や親しい友達など、安心できる少人数の場で話す練習をしてみましょう。たとえば、家族の前で「今日あったこと」を話すだけでも、大きな一歩です。
「息苦しい」が起きたときの対処法を決めておく
緊張で息苦しくなることを予想し、事前に「こうなったときはどうする?」とお子さんと相談しておくのも効果的です。
例えば、「一度席を外して水を飲む」「近くの先生にジェスチャーで伝える」など、具体的な気分転換できる行動を先に決めておくと、不安が少し和らぎます。
「話せない自分はダメ」と思わせないことが大事!
お子さんが話せない状態にあると、「話せるようにならなきゃ」とプレッシャーを感じがちです。しかし、ママが「できなくても大丈夫!」と捉えることで、お子さんの自己否定感を和らげることができます。
お子さんの努力を認める
たとえ話せなくても、その場にいるだけでお子さんは頑張っています。「今日は学校に行けたね」「みんなの前で立つことができたね」と、できても・できなくても両方肯定できるように言葉にしていきましょう!
話す以外のコミュニケーションを身につける
話すことだけがコミュニケーションではありません。表情やジェスチャー、メモを使った意思表示など、お子さんができる方法を見つけて、それを周囲と共有することも大切です。
場面緘黙の子が少しずつ自信を取り戻すためにできること!
場面緘黙症のお子さんが、人前で話すことに自信を持つには時間がかかります。焦らず、少しずつ歩んでいける環境を整えていきましょう。
- 家ではお子さんが自由に気持ちを表現できる、リラックスした雰囲気をつくる
- 学校では先生に協力をお願いし、「安心して参加できる環境」に配慮してもらう
- お子さん自身が「話す」以外の方法で自己表現できる場、時間を見つける
ママが「話せなくても大丈夫」と思えることで、お子さんも「自分のペースでいいんだ」と感じられるようになります。
焦らず見守るママの姿勢が場面緘黙の子の支えになる!
人前で話すことが緊張やパニックを引き起こす状態は、今お子さんが直面している課題の一つです。しかし、それは必ず少しずつ改善していきます。ママの温かい言葉やサポートが、お子さんにとって最大の支えです。「そのままのあなたでいい」と伝えながら、お子さんの成長をそっと見守っていく姿勢がポイントです!