安心して人と関わる力の鍵は「環境作り」と「親の視点」
場面緘黙のあるお子さんは、特定の場面で話すことが極端に難しくなる一方で、家族の中では元気に話すことができる場合が多いといわれています。
この「話せない」という状態は、単なる恥ずかしがり屋とは違い、緊張や不安が強く影響しています。そのため、無理に話させようとするアプローチは逆効果となってしまうことがあります。
では、どのようにして「安心して人と関わる力」を育てるのでしょうか?その鍵となるのは、「環境作り」と「親の視点」にあります。
子どもに安心感を与える環境作り
まず、子どもが安心して過ごせる環境を整えること。そのためには、以下の3点を意識することがポイントです。
子どもの気持ちを尊重する
子どもが「話さない」ことを否定せず、その状態を受け入れることが第一歩です。「なんで話さないの?」ではなく「今は話さなくても大丈夫だよ」と、安心できる言葉をまずはかけてあげましょう。
小さな成功体験を積ませる
無理に話させるのではなく、例えばジェスチャーやイラストなどで気持ちを伝える場をつくり、小さな達成感を積み重ねていくことが大切です。それが「人と関わる力」を育む土台になるからです。
信頼できる「人」を増やす
場面緘黙のある子が安心して接することのできる「人」が増えると、コミュニケーションに対するハードルを下げることができます。学校の先生や友人の親、習い事の先生、スーパーの店員さんなど、理解のある人に協力を仰ぐのも効果的です。
ママ自身の視点と行動力が鍵
環境作りにおいて、最も重要なのはママ自身の視点と行動力です。
子どもの状態を冷静に観察し、「この子にとって今必要なものは何か?」と考える視点をもつこと。
そして、必要なサポートや声かけで、周囲と連携をとりながら行動する力が、子どもの未来を切りひらいていくのです。
例えば、場面緘黙の知識がある人の意見を取り入れてみたり、他の保護者と経験を共有したりすることで、新しい気づきを得られることもあると思います。
さらに、ママが「大丈夫、少しずつ進んでいこう」と前向きなゆっくり姿勢を見せることで、子どもは安心感を得て成長していきます。
おわりに
「安心して人と関わる力」を育てるには、場面緘黙のある子にとってもちろん一筋縄ではいかないこともあると思います。ですが、ママの視点と行動力次第では、その道のりは子どもにとって過ごしやすいものに変えられるはずなのです。
今日の一歩が、子どもの未来を支える大きな一歩につながります。焦らず、一緒に歩んでいきましょう!