「いい子」が突然おかしくなるとき──気づけなかったサイン  

登校しぶり・不登校

最近の相談で特に多いなと感じるのが「過剰適応」です。
受講生さんや読者のみなさんにも
ぜひ知っておいていただきたいので、今日はこのお話をしますね。

「言えば嫌がらずにやる子だから」 「できないのが嫌で頑張ろうとしてるから」 「100点じゃないと本人が嫌がるから」

 

──そんな姿を“やる気”だと思って、つい頑張らせすぎてしまう。

けれど結果として、ある日突然

・学校に行けなくなる
・行き渋るようになる
・母子分離不安が出る
・キレて暴れる
・スマホ漬けになる
・部屋に引きこもる

こうした「突然の不調」が起こったという
ママからの相談が後を絶ちません。

「過剰適応」とは、本当はしんどいのに“いい子”を演じて、周囲に合わせてしまうこと。

親から見れば「突然の異変」に見えても、実はその前にサインは出ているんです。

ただ、優しい子、はっきり言えない子だからこそ気づきにくい。

いや、気づいていても、直視するのが怖くて見なかったことにしてしまう・・・。

背景には、家庭内の不健全な歪みが潜んでいることも少なくありません。

たとえば

・厳格すぎる父親の存在
・気分の変調が大きい母親の存在
・両親の不仲や不安定な夫婦関係

──子どもは敏感に感じ取り、「本音を言うと関係が壊れる」と恐れてしまうのです。

つまり、子どもが自分の気持ちを出せないのは、子ども自身の弱さではなく、大人側のコミュニケーションが影響していることも多いんです。

そして、このことは私自身も経験しました。

次女が小5の頃、全国優勝を狙えるほど競技が強かったのですが、練習中に急に泣いて隠れるようになったんです。

そのときの私は現実を受け入れたくなかった。
「まさかこの子が・・・」と。

サインは出ていたのに、認めるのが怖かったんです。
なだめすかして、励まして
理屈や正論を並べて・・・
手を替え品を替え
何とか車に乗せて練習に連れて行ってました。

その結果ーー

学校行き渋り
母子分離不安
不登校
暴れる
物を壊す
夜に飛び出す・・・

目を離すのが危険な状態になり
私は休職するしかありませんでした。

過剰適応の子に必要なのは「頑張らせること」でも「子どもの言いなりになること」でもありません。
大切なのは「本心をアウトプットできる関係」です。

「そっか」
「そうなんだー」
「なるほどねー」
「そう思うんだねー」
「他には?」
「お茶飲む?」(時間をあける)

こうした言葉を使いながら、子どもの心をゆっくりほぐしていく。
それが「一緒に作戦会議ができる親子関係」につながります。

 

もちろん、これらの言葉を知っているだけでは足りません。
言い方・タイミング・空気感・頻度

──親の関わり方が整うことで初めて、子どもの脳は「素の自分」を安心して出せるようになります。

この関わりかた
私も次女が荒れる前に知っておきたかった。
そうすれば、全国優勝させてあげられたかもしれないと
今でも後悔しています。

“突然”の不調は防げます。

そして、不調になってしまったとしても
ママのコミュニケーションで回復させることもできます。

ママが我が子の一番の味方になってあげること。
「いい子」でいることをやめても安心できる環境をつくってあげることが、過剰適応からわが子を守る最大の方法です。

タイトルとURLをコピーしました