無理に行かせるのではなく、「気持ちを出せる場」をつくることで、少しずつ気持ちを整理し、自分のタイミングで登校できるようになりました。不安が強い子に必要なのは、言葉にする前の気持ちの出口。我が家で実践したことをご紹介します。
5月・6月は「がんばり」が切れてくる時期です
4月、新しい学年や小学校生活に慣れようと、
一生懸命がんばってきた子どもたち。
でも5月・6月に入ると、
その“がんばり”が少しずつ効かなくなってくる子もいます。
- 朝の準備が進まない
- 「学校行きたくない」と泣いてしまう
- 教室に入れず、昇降口で立ちすくむ
実はこの1学期の後半は、

不安が強い子が「行きたくない」と言うとき、心の中では何が起きているの?
でもその気持ちは、
子ども自身でもうまく言葉にできないことが多いんです。
- 原因ははっきりしないけど、モヤモヤする
- 言葉にできない「なんとなくイヤ」な気持ち
- 心の不安が体に出る(お腹が痛い、頭が痛い)
そんなとき、子どもは
「泣く」
「黙る」
「動かない」などのサインでしか、
自分の気持ちを伝えられないこともあります。
入学3日目から「学校に行きたくない」と泣き出した娘
とくに週明けの月曜日は起き上がることもできず、
布団の中でシクシク…。
「どうして泣くの?」
「何がイヤなの?」と聞いても、
うつむいたまま何も言えない。
正直、3日めだよ?と心の中は動揺しました。
でも私は、
「無理に登校させない」ことを決めていました。
というのも、上の子のときに
「がんばれ!行こう!」と励ましすぎて、
逆に心を閉ざしてしまった経験があったからです。

私が実践したことは、気持ちを出せる場を作ることです
今回は、
「気持ちを否定しない」
「安心して気持ちを出せる環境をつくる」ことを意識しました。
泣いているときは無理に話させず、
「そうか、行きたくないくらいつらいんだね」と共感
言葉にできない気持ちは、
絵やノートでアウトプット
・気分を○△×で表す
・気持ちの色をぬる
・ママが質問して、子どもが指さしで答える
こんなふうに、
書く・描く・指すという方法で、
少しずつ「自分の気持ち」を出せるようにサポートしました。
「泣く時間」が短くなり、少しずつ登校できるように
気持ちを出すことを毎日くり返すうちに、
少しずつ、娘の涙の時間が短くなっていきました。
ある朝、
「いま、どうしたい?」と聞くと、
娘は涙をぬぐってこう言いました。
「今日は……10時になったら行く」
その言葉通り、
10時に自分から登校できたんです。
その姿を見たとき、
「この子、ちゃんと自分の気持ちを整理できるようになってきたんだ」と思い、涙がこぼれました。
書く・出すことで、親子の関係がやわらかくなる
気持ちを「出す」だけで、子どももママも、心がふっとラクになります。
- モヤモヤしていた気持ちが、形になることで落ち着く
- ママに伝わった実感が、自信につながる
- 「わかってもらえた」という安心感が、不安を減らしてくれる
登校できるかどうかは、
急がなくて大丈夫。
まずは「気持ちの出口」を
親子でつくることから始めてみてください。
登校しぶりは、子どもだけの問題ではありません。
毎朝、精一杯の笑顔で送り出そうとするママの心も、疲れ切ってしまいますよね。
でも、「わかるよ」と共感し、「今どんな気持ち?」と聞くだけでも、
子どもの不安は少しずつ溶けていきます。
がんばらなくて大丈夫。
今日も「○△×」だけでもOKです。
気持ちを書き出す・出せる場をつくることで、きっと親子の朝に変化が生まれます。

(発達科学コミュニケーショントレーナー)