ママと居たい!と行きしぶり保育園は楽しくない母子分離不安キッズ
保育園に行きたくないと子どもに言われて理由を聞くと、「楽しくない!」「ママと居たい!」と全く楽しさを感じないと言ってくる子はいませんか?
我が家の母子分離不安キッズは、迎えに行くと楽しそうに笑っているし、先生から楽しんでいた様子を聞くから、子どもに聞いてみるものの、「楽しいことなんてない」「ママと居る方がいい」と全く楽しくないことをアピールしてくる子どもでした。
そんなことないでしょうと、迎えに行ったときの様子を話しても、先生に聞いたことを話しても、「我慢してやっていた」とか、「楽しいと思ってない」と言い、楽しさを認めようとしない子でした。そして、毎朝、保育園に行きたくないと行きしぶりをしていました。
楽しみがあれば、その楽しみに向けて励ますことができるのに、楽しくないと言われると、どうやって声をかけて連れて行けばいいのか分からなくなりますよね。
そこで、この記事では園での楽しかったことを思い出し、子どもが園での楽しみを見つけられるようになる会話の仕方をお伝えします。
母子分離不安キッズの行きしぶり保育園に行きたがらない理由
母子分離不安キッズが行きしぶりをするのは、ママが居ないところでの楽しみを見つけられないからです。
ママが居ないところでの楽しみを見つけられないのは、脳の仕業です。脳は、自分の身を危険から守るために、良くない記憶を残しやすい性質があります。
動物でいうと、「あの場所は命が危ない」ということをしっかり覚えていないと、敵に襲われて命を落としてしまいます。人間の脳も同じで、良くない記憶がある場所には近づかないで済むように、記憶を残してしまうのです。
母子分離不安キッズは人一倍繊細で、不安を感じやすいので、「嫌だな」「苦手だな」といった良くない記憶を、より脳に溜め込みやすい特性があります。
ママが居ないことで感じる不安の方が大きく残ってしまう傾向にあるため、「楽しいことあるでしょう?」と聞いたところで、記憶をさかのぼってもネガティブな感情しか見つけることができず、「楽しいことはない!」「行きたくない!」と行きしぶりをするのです。
そこで、家でのママとの会話の中で、良くない記憶には目を向けず、良い記憶に目を向けられるようにトレーニングをすることをおすすめします。
良い記憶、つまり、成功体験の記憶を会話を通して外側から言葉で入れてあげるということをするのです。
子どもが溜め込んだネガティブな記憶を上書きできるようにしていきます。
保育園での楽しかった出来事を話したくなる会話術とは?
トレーニングと言っても難しいものではありません。家に帰ってから寝るまでのどこかの時間で、
1日の中で楽しかったこと、面白かったこと、頑張ったことを1位から3位まで順番に伝えるだけです。名付けて「今日のベスト3大会」
ただ、いきなり聞いても、見つけ方を知らないので「分からない」と言うはずです。そんなときは、まずは、ママがベスト3を言ってあげましょう。
仕事で「今日は〇〇のお仕事をがんばったんだよ〜」とか、「こんなこと助けてもらってうれしかったんだよね〜」とママが頑張ったことや、嬉しかったことを伝えます。
他にも、家に居る時間に「一緒に〇〇して遊んだの楽しかったね~」とか、「お迎えに行ったとき、荷物を自分で持ってくれたの助かったわ~」と、子どもの姿で嬉しかったことなどをママは楽しそうに伝えてあげます。
仕事中に眼鏡を探していたら頭に乗っていたというようなおドジエピソードだって、子どもは喜びます。私は小学校の教員をしているので、学校での子どもとの会話で、面白い話をしてあげると喜んでくれました。
一緒にいない時間でのエピソードの方が子どもの食いつきはよかったので、あえて一緒に居ない時間のことを伝えてあげると、子どももママと離れている時間での事を思い出すようになるのでいいでしょう。
ですが、保育園(幼稚園)に楽しいことはないと言って行きしぶりをしている子が、いきなり保育園(幼稚園)での出来事から楽しいことを見つけられないこともあるでしょう。
そんなときは、家での楽しかったことで大丈夫です。
家でのことを思い出し話すことに慣れてくると、もう少し前の記憶をさかのぼれるようになってきます。また、ママが「保育園ですごく笑ったことなかった?」とか、「今日の給食は何だった?」と園にいる間のことを思い出せるように質問をしてみると、子どもも思い出そうとするようになります。
さらに、「誰と遊んだの?」「どういうところが面白かったの?」と聞いてみると、子どもが誰と遊び、どういうポイントを面白いと感じるのか、子どもの好みを知るきっかけにもなりますよ。
保育園(幼稚園)で楽しいことがあった!良いことを見つけられるようになった行きしぶり娘
良い記憶を見つけることに慣れてくると、3位までで終わらずもっとたくさん言えるようになってきます。
小2になった、かつて保育園に行きしぶりをしていた娘は、今では多いときで20位近くまで良いことを見つけることがあります。年長になった行きしぶり娘は、まだ3位までが精一杯なことが多いですが、気持ちが落ち着き、行きしぶりなく行けている日だと3位よりも多くみつけられるようになっています。
良い記憶に目を向けられるようになるのも、「慣れ」です。日頃から楽しいことや面白いことなど、良い記憶に目を向けられるようになってくると、保育園に行きたくないと少し思ったとしても、他の楽しいことのために行きしぶりをやめて登園できるようになります。
ママが意識して子どもの良い記憶を引き出せるように会話を始めてあげてくださいね!
〈執筆者〉
発達科学コミュニケーショントレーナー
桃奈やすこ