1. なぜライフスキルが境界知能のお子さんに重要なのか?
境界知能と診断されたお子さんは、
社会生活や集団生活の中で、
特有の困難を抱えやすいと言われています。
その一つが「自分の間違いに気づけない」という特徴です。
間違った方法を気づかずそのままやり続けてしまうことで、
上手くいかず失敗してしまう、
成功体験を得られず、自信を失う。
そしてそれが積み重なり、
思春期を過ぎて
非行や社会的不適応につながるリスクがあります。
こうしたリスクを防ぎ、
お子さんが未来で自信を持って生きていくためには、
15歳までに「ライフスキル」を身につけることが鍵となります。
ライフスキルとは?
「ライフスキル」とは、
日常生活をスムーズに送るための基本的なスキルのことです。
例えば、以下のようなことです
- 朝起きて、時間を守る
- 自分で身支度を整える
- 必要な持ち物を揃える
- 自分のスペースを片付ける
- 他者と適切にコミュニケーションを取る
これらのスキルは、ただ日常生活を楽にするだけでなく、
自信や自己肯定感を育む重要な土台となります。
境界知能のお子さんが抱える課題と非行のリスク
境界知能のお子さんは、
集団の中で「できているつもり」でも、
実際には間違いを繰り返している場合があります。
その結果、次のような困りごとが起こりがちです
- 間違った方法で問題を解いているから正解できない
- 遊びのルールがわかってないのに自己流でやり続けてしまうから負けたり、
「違うよ!」「ズルだ!」と言われてしまう - 自分の行動が間違っていると気づけず、友達とのトラブルに発展する
このような状態が続くと、間違いが修正されないまま習慣化し、
失敗して自信を失う悪循環に陥ります。
この悪循環を放置することで、
非行や社会的不適応のリスクが高まるのです。
指示を変えるだけ!ライフスキルを伸ばす具体的な方法
お子さんのライフスキルを伸ばすには
わかりやすく分解して指示を出すこと!
「学校の準備をしなさい!」
って言っても、動き出さないお子さんは
学校の準備が何をすればいいのか正しく理解できていないだけ。
さっと、手元にあった教科書を入れて
お子さんが「終わったよ」と言ってまた遊び出して
「まだ、何にもできてないじゃない」ってママが怒る羽目になる。
こんなこともあるかもしれません。
このお子さんは近くにある教科書などを入れることを学校の準備と
間違って覚えているのです。
だから
ママの声かけで正しいことを教えて実践させてあげることがポイントです。
「算数の教科書を入れて」
「国語の教科書を入れて」
「筆箱を入れて」
「体操着を入れて」
はい、全部入ったね
明日の準備終わり
というように一つ指示して、一つできたら
次の指示というように
お子さんが正しく理解できているかな?
というのを確認しながら進めていってください。
子どもが少しでもできたらできたことを肯定。
「算数の教科書入れたれたね」という言葉が、
次の行動のモチベーションになります。
一度で完璧にできなくてOK!
楽しく繰り返すことのほうが学習効果が高まります。
何度も繰り返し練習することでスキルが自然と身についてきますよ。
15歳までにライフスキルを身につけると何が変わる?
ライフスキルをしっかり育むことで、子どもの未来は大きく変わります。
例えば…
✅ 集団生活の中でも安心して行動できる
✅ できることが増え自信がつき、非行のリスクが減る
✅ 将来、社会で活躍する基盤を作れる
「できない自分」ではなく、
「自分にもできる!」という感覚を持てるようになること。
それが、子どもの生きる力を大きく育むのです。
非行を防ぎ、
自信を育む親のサポートが
境界知能のお子さんにとって、
非行や社会的不適応のリスクを防ぐ最大の鍵となります。
具体的な声かけと成功体験の積み重ねが、
子どもに自信とライフスキルを育てます。
「うちの子は何度言ってもできない…」と感じるときこそ、
小さな一歩を大切にしてみてください。
親子で一緒に取り組むことで、未来を変える力が生まれます。