文字を読むのが苦手な小学2年生男子
わが家には注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断がおりている小学5年生と2年生の兄弟がいます。
長男は自分で図書館から本を借りてきて読むことが大好きなのですが、次男は本を見て文字を読むのが苦手でした。
絵本を手にとることはありましたが、パラパラめくっておしまいにしたり、読み聞かせをしてみても途中で本をめくってしまうことが多かったです。
この先、文字が読めないと困るのではないか、本を読むことが苦手な次男にどうしたら本を好きになってもらえるか考えていました。
そこである時聞いてみたのです。
「〇〇ってさ、本を読むのは好き?」
すると
「好きだけど長い文章はめんどくさい」
と言いました。
この言葉を聞いた瞬間「え?好きだったんだ」と本を読むことは嫌ではないという意外な答えが返ってきてびっくりしたのを覚えています。
できるのにやらない子に
学習習慣が身に付く!
優しい叱り方がわかります!
↓↓↓
なぜ文字を読むのが苦手なの?
「本を読むのは好きだけれども長い文章はめんどくさい」という意外な答えが返ってきたのですが、なぜ文章が出てきたり、文字数が多くなると読みたくなくなってしまうのでしょうか?
その理由とわが家の次男を観察してみた内容をお話しします。
発達には順番がある
私たちは当たり前のように、読んだり話したり書いたりしていますよね。
実は、成長には
聞く→話す→読む→書く
という発達段階があります。
つまり、「聞く」「話す」ができるようにならないと「読む」「書く」ができないのです。
読んだり書いたりするのが苦手なお子さんは、その前の発達段階が未熟な可能性があるので、よくお子さんを観察してどこでつまいずいているのかわかるとサポートしやすくなりますよ。
知っている言葉の数が少ない
例えば、昔話などでこんな例文があったとします。
「むかし、まずしいくらしのおじいさんとおばあさんがいました」
この中に出てくる言葉は「むかし」「まずしいくらし」「おじいさん」「おばあさん」「いました」になりますが、その中で意味を知らなかったり初めて出会う言葉が多いとお話を読んでいても内容がわかりにくいですよね。
こんな感じで「知っている言葉の数が少ない」と読めるけど、理解しにくいので読みたくなくなってしまいます。
本を読むという行為は、簡単なように見えますが
・文字の形を認識して音に変換する
・単語としてとらえる
・意味を理解して、文章にする
などいくつか工程があります。
さらに、ADHDのある子は集中力がなかったり、パッとみて判断してしまうという特性があるので文章を上手に読めないのです。
楽しく読めた経験が少ない
これは、わが家の反省点でもありますが、忙しさにかまけて小さい頃にあまり本と関わることをしてきませんでした。
保育園では読み聞かせもあるし、そのうち本や文字が読めるようになるだろうと勝手に推測しそのままにしてきてしまいました。
小学校に入り授業が始まると本を読んだり教科書を読む機会が多くなりますよね。そして毎日のように宿題として音読が出る。上記のような状態で読み始め、読めないと言い直しをさせられる。
これでは、本を読むことも文字を読むことも嫌いになってしまいます。
文字を読むのが苦手な子の対応
ここまでは「なぜ文字を読むのが苦手なのか」という理由についてお話してきましたが、では実際にどう対応したらいいのかをお話していきますね。
写真集やイラストが多い物を使う
「文字を読むのが苦手」だから「文字をもっと読ませよう!」「音読をもっとやらせよう!」と思うかもしれませんが、それは逆効果です!まずは、本人の興味がある内容から始めてみてください。
わが家は、図書館に行って次男に本を選んでもらうことから始めました。
本でなくても、お出かけ先にあるマップやおもちゃの取扱説明書でも代用することができますよ。
その時は、虫や動物について知りたかったので図鑑やほとんどイラストでできている本を借りてきていました。
そもそもなぜ、文字を読めるようになりたいのか?というと文字を読んで理解し、理解した内容を話すことによって、読解力という「理解する力」を育てることができるからです。
必要な知識や体験を得ることを「インプット」といいますが、文字を読むのが苦手なら写真やイラストでも大丈夫です!写真やイラストを見て「形」や「表情」など情報を取り入れることもできます。
まずは、写真やイラストを見て楽しく本を見るという経験をしてみてくださいね。
内容に興味を示す
先に、本に「慣れる」という提案をしましたが、慣れてきたらぜひやってほしいことが「内容に興味を示す」こと。
「バッタって何を食べるって書いてあった?」
「このキャラクターはどこにいる?」
「読んだらママに教えてね」
こんな感じで内容について聞いてみてくださいね。
もし、文字が出てきたけど「読むのがめんどくさい」となってしまったら「読んで聞かせる」ことも内容理解には効果的です。
「書いてあるから読んでみたら?」と突き放すのではなく、読んでもらって「聞く」ことで、新しい言葉に出会えたり子どもの発達を手助けすることができます。
できるのにやらない子に
学習習慣が身に付く!
優しい叱り方がわかります!
↓↓↓
本の内容を教えてくれた息子
本を見てはパラパラめくったり、パッと見ておしまい!ということが多かった次男ですが、ある時こんな出来事がありました。
おにぎり達がジャンケン列車をして楽しく遊ぶという内容の本を借りてきていました。
借りてきた本を見て「この本おもしろそうだね」「読んだらどんなお話だったか聞かせてね」と伝えていました。
お話を読みおわってから「どんなお話だった?」と聞くと「おにぎりがジャンケンする話」と教えてくれました。
そして「ママ、これ読んでみて」と本を渡してくれたので、一緒に本を読み「このおにぎりどこかな~?」「何味だろう?」「美味しそうだね!」と二人で話しながら本を読むことができました。
その後も、図書館で気になる本を借りてきたり、気に入った本があると「ママ!これ買って!」と本に興味を持ち始め、少しずつ1ページを読む時間も長くなっていきました。
子どもが本を読む時間が親子のコミュニケーションになり、発達を促す時間にもすることができました!
文字を読むのが苦手だから「文字をたくさん読ませよう!」と思ってしまうかもしれませんが、今回のポイントは
・発達には順番がある
・写真やイラストから情報を取り入れる
・楽しく読めた経験
です!
ぜひ、試してみてくださいね。
できるのにやらない子に
学習習慣が身に付く!
優しい叱り方がわかります!
↓↓↓
執筆者:松田あいり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)