「宿題やりなさい!」親子バトルに疲れていませんか?
わが家には発達障害グレーゾーンの息子が2人いるのですが、今回は小学5年生の長男のお話を紹介したいと思います。
小学生のお子さんがいるご家庭で
・宿題に取り掛かれない
・途中で気が散ってしまう
・「やりたくない!」と癇癪を起こす
こんなお悩みを抱えていませんか?
実は、長男は今でこそ短時間で宿題を終わらせられるようになりましたが、低学年の頃は
・漢字を終わらせるのに2時間かかる
・始まる前や途中で「やりたくない!」と癇癪を起こす
・算数の問題は、何回教えても覚えられない
・教えても理解できていないように感じる
などにより毎日宿題中にケンカになり、親子バトルを繰り返していました。
年齢が上がってくると漢字を書くことはそれほど嫌がらなくなってきたのですが、算数の宿題は取り掛かるのが遅かったり、取り掛かっても最後までやるのに時間がかかっていました。
いつも宿題中に、
「宿題やりなさい!」
「早くやらないと大変なのは自分だよ!」
と、怒りにまかせて怒ってばかりでした。
「宿題」というワードが出てくると、私も身構えてしまい、なんとか宿題のやる気を出す方法はないかな…と毎日イライラしていたのを覚えています。
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すぐに宿題に取り掛かれないワケ
宿題は毎日出ますし、自分から取り組んでくれたら親は嬉しいですよね。
そもそも発達障害グレーゾーンの子は、なぜ宿題に取り掛かれないのでしょうか。
それはネガティブな記憶と見通しを持つことが苦手ということが関係しています。
ネガティブな記憶
わが家は宿題の時間になるたびに宿題バトルになり、口喧嘩が絶えませんでした。
特に計算ドリルは何度も同じ問題が出たり、学年があがるにつれ計算も複雑になっていきます。
発達障害グレーゾーンの子は「ネガティブな記憶をためやすい」ので、宿題をしたら
・親とケンカになった
・何度も同じ問題をやって嫌だった
・計算が難しいから疲れる
という「嫌な気持ち」を思い出してしまい、宿題に取り掛かれなくなってしまうのです。
見通しを持つことが苦手
大人であれば「このぐらいの問題であればこれぐらいで終わる」という見通しを持つことができますが、「これぐらいで終わるだろう」や「やらなかったらどうなる」という先のことを考えるのが苦手です。
また発達障害グレーゾーンの子は不注意傾向があり、自分の行動をコントロールしにくいという特性を持っています。
いずれも、脳の特性なので子どもが「頑張ってやろうとしているけれど、うまくいかない」ことを理解することが必要になってきます。
では、どうしたらいいのでしょうか?
次から、発達障害グレーゾーンの宿題のやる気を出す方法をお伝えします。
計算が苦手な子の宿題のやる気を出す方法
息子は学年が上がり自学自習が学校でも出されるようになりました。
内容としては、「どんなものでもOK。できた分だけポイントがつき、レベルアップしたり賞状が出る」というもので、息子は「自分で決めたことのほうが動きやすい」「できたことを見える化したほうがモチベーションがあがる」ので、この取り組みは息子に合っていると思いました。
自主学習の「自由度が高い」という特徴を活用して、わが家では「ハードルを下げる」ことにフォーカスして対応していきました。
子どもの自立に必要なのは「脳の中に成功体験の記憶を増やす」こと、つまり完璧でなくても小さなことでもいいから「できた!」という記憶を積み上げることです。
そこで道具を使ってもいいから「自分で問題を解いた」ことをゴールにしました。
電卓を使ったり、答えを見る
小学生のうちから電卓を使ったり答えを見たらダメじゃないの?と思ったママはいませんか?
私もはじめは「計算できなくなってしまうのでは?」「電卓を使うなんて絶対ダメ!」「答えを見るなんて宿題をやったうちに入らない!」と思っていました。
反復練習や文章問題が苦手な長男は、計算の方法はわかっているのに同じような問題を何問もやったり、文章問題の内容を理解するのに時間がかかっていました。
そこでハードルを下げ、宿題に取り掛かりやすくすることを目標にしました。
そして、子どもにはこんな声をかけました。
「電卓を使ったり答えを見てもいいよ。今度同じ問題が出たら解けるように練習の時間にしよう」
電卓や答えを使ってもいいから自分で問題を解いた経験をさせることにしたのです。
電卓や答えを使うと「やってみる」という意欲が湧いてきたようで、どんどん問題を解いていく姿が見られました。
「一問だけやってみない?」と声をかける
特に、計算ドリルを見ると同じような問題が並んでいますよね。
全部はやらなくてもいいけれど、少しでもやってほしいと思った時にピッタリの声かけがあります。
宿題のやる気を出す方法は、いかに簡単に見せるかがポイントです!
それは「一問だけやってみない?」と声をかけることです
例えば、こんな感じです。
子ども:(分数の問題を見てやる気をなくしている)
親:「疲れたよね~」
「じゃあ、この一問だけやってみない?」
子ども:「わからない!」
親:「簡単だよ〜。分母はコレ!」「じゃあ分子は?」
子ども:「〇?」
親:「正解!できたじゃん!こっちも同じようにやってみたら?」
子ども:「できた」
親:「できたね!簡単だったでしょ~」
問題のほとんどは、はじめの問題が一番簡単にできていることが多いので
・一緒にやってみる
・はじめの一問だけやる
・1個飛ばしで問題をやる
・番号に丸がついている問題だけやる
など、決めてやっていました。
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自主的に宿題に取り組めるようになった息子
毎日少しずつ宿題を頑張り、ポイントが溜まってきた頃「こんなにポイントが溜まったよ!」と嬉しそうに教えてくれました。
自分のペースでできること、できた内容が目で見てわかることで自信をつけたようでした。
そして、私が「宿題やりなさい!」と言わなくても自分から「今日は〇時からやる」「ご飯を食べ終わってからやる」と言ってくれる日が増えました。
また、苦手な文章問題や計算問題も「ここは電卓使わないで自分で解いたよ!」「答えを見ないでやってみる!」と取り組む姿が見られました。
発達障害グレーゾーンの宿題のやる気を出す方法は、ママの当たり前を手放して子どもに合った方法にすることです。
ポイントは
・ママの当たり前を手放す
・ハードルを下げる
・自分で解けた経験
です!
ぜひ、試してみてくださいね。
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執筆者:松田あいり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)