
こんにちは!
セルフラーニング・アカデミー編集部です。
今回は上級講座で月2回開催している勉強会の様子をお届けしますね!
歴史を覚えるのが苦手な小学6年生の男の子
私たちは「自学力をおうちで育てる!」をテーマに、学習障害(LD)グレーゾーンを育てるママたちが集まり脳科学や発達科学、心理学の観点から子どもの発達を継続的に学び、我が子の脳を育てるコミュニケーションを実践しています。
今回は「歴史を覚えるのが苦手な子がスムーズに覚えられた!マインドマップ活用術」の記録の紹介がありました。
発達科学コミュニケーショントレーナーの徳長さんには、小学校6年生の男の子がいます。
息子さんは、歴史の大まかなストーリーは掴んでいるものの、いざ説明してもらうとうまく説明できないという場面が見られたそうなんです。
覚えるのが苦手な発達障害グレーゾーンの子は
・宿題や持ち物、ルールなど同じことを何度も忘れてしまう
・言葉の意味を覚えるのに時間がかかる
・漢字や英単語を覚えてもすぐ忘れてしまう
・自分の経験をうまく思い出して話せない
こんな困りごとを抱えています。
漢字も多く、ノートに書いたり、テストで解答するとなるとまだまだできないだろうと予測された徳長さんは、このお悩みを解決すべく、自宅でできる方法を探されました。
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なぜ、覚えるのが苦手なの?
発達障害グレーゾーンの子が「歴史を覚えるのが苦手」と感じるのにはいくつか理由があります。
ワーキングメモリの弱さ
ワーキングメモリとは「情報を覚えておきながら、その情報を使って行動する」ことです。
例えば、
・先生が「ノート出して、日付書いて、ページを開いて」と言ったとき、最初の「ノート出して」しか覚えていなくて、次の指示を忘れてしまう
・8+5の答えを考えている途中で、別のことを言われると、何を計算していたか忘れてしまう
ワーキングメモリが弱いと、一度にたくさん情報を言われると忘れてしまったり混乱してしまう、話の内容を覚えていられないというような困りごとが出てきてしまいます。
得意な覚え方が違う
私たちは、目や耳などを使って、頭の中に情報を取り入れています。
この情報を取り入れることを「インプット」と言うのですが、発達障害グレーゾーンの子は、得意な覚え方が一人一人違うのです。
・目で見たほうがわかりやすい子
・耳で聞いたほうがわかりやすい子
・どっちも苦手で、体を動かすと覚えやすい子
というふうに、その子によってわかりやすい情報の受け取り方が違います。
これを知らずに「どうしてできないの?」と言われると、本人は混乱してしまいます。ですから、その子が「わかりやすい」と感じる方法を使ってあげることが大切なんです。
分類するのが苦手
簡単に言うと、情報を頭の中で「分ける」「まとめる」「つなげる」ことが、うまくできないということです。
これが苦手だと、覚えるべきことがバラバラのまま頭に入ってしまい、必要なときに思い出せなかったりします。
例えば、「果物を答えなさい」と言われても、「りんご、バナナ、にんじん…?」というように、にんじんは野菜だけれども、赤いから果物と思ってしまうというようなことが起こります。
このグループ分けは、学習面でも
・漢字を部首で分けて覚えられない
・社会や理科の内容がバラバラにしか頭に入らない
・文章の要点がつかめず、何が大事かわからない
こんな困りごとになって表われます。
グループ分けが苦手な子は、絵や図をグループ化したり、実物・写真・体験と一緒に覚えると覚えやすくなりますよ。
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これならできる!マインドマップ活用術
上記の内容から、歴史を覚えるのが苦手な子は目で見えてグループ分けができる「マインドマップ」を活用するのが良いのではないかと考えた徳長さん。
マインドマップとは、考えを木の枝のように広げてまとめる方法で、メモで考えを整理したり、いろいろ思い出したり、グループごとに覚えたいときにうってつけなんです。
徳長さんがやった方法は
①教科書や資料集、ノートからキーワードを選ぶ
②キーワードをカードにする
③マッピング
④会話しながらストーリーで語る
の4つです。
例えば
「弥生時代」という大きなテーマを決める
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「弥生時代」に関連するキーワードを出す(米作り、邪馬台国など)
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米作りだったら「田げた、くわ、すき」とキーワードを出す
↓
「弥生時代」というカードを中心に、「米作り」「田げた、くわ、すき」と木の枝のようにカードを並べる
ここまで読んで、キーワードを選んだり、カードにするなんて難しそう・・・と思いますよね。
確かに、整理することで覚えやすくはなるのですが、ここで重要なのは「会話」になります。
「歴史が始まったんだってね!」
「今、何時代についてやってるの?」
「その頃の有名人って誰?」
「この時代って、どんな家に住んでたの?」
「へえーこの頃からお米食べてたんだ!」
「それって、今の日本だとどの辺の地域かな?」
と、スムーズに取りかかれるように話をしたり
「銅たくは中国から銅が入ってきたんだよね。銅だから金偏がつくんだよね」
「卑弥呼の弥は、弥生時代の弥だよね」
と、記憶に残りやすいような会話を心がけられました。
いきなり「やりなさい!」と言うのではなく、授業で覚えたことを教えてもらったり、授業で先生に聞いたことを教えてもらいながら書き出されました。
そして、歴史のストーリーである「何がきっかけで どうなっていったのか」を1つずつ整理して、会話しながらマッピングされた徳長さん。
この方法で試したところ、関連性を説明させる力がついたり、何よりも本人が苦労せず整理しながら考えていたので良かったと感じたそうなんです!
参加したメンバーからは、徳長さんへの質問や感想が止まらず、

「大河ドラマが大好きで記念館に行きました。ドラマを見て、実際に行くことで、記憶に残りやすいのではないかと思いました!」

「実際に古墳を見に行って、歴史に触れながらインタビュー形式で聞いてみるのもいいと思いました!」

「世の中であった出来事=歴史になるというところが目に鱗でした!ニュースを活用してみます!」
と、徳長さんの話を聞いてこうしてみよう!というアイディアもうまれ、ディスカッションは大盛り上がりでした!
また徳長さんから一言

「普段の会話で、実際にあった出来事を聞きながら、整理したり、覚えたことを言葉にするということをやっています。お母さんに話してみようかなと思ってもらえる会話をすることが大事なんですよ!」
という言葉に、皆さん納得されたようでした。
この勉強会では、一人で悩まずに、みんなの意見を聞きながら少しずつステップアップしていけます。わからないことや困ったことも、仲間と一緒だから前向きに取り組めますよ。
次回の活動もお楽しみに♪
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執筆者:松田あいり
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)