宿題したくない小学生が楽しんでていねいな字を書くようになる!漢字ノート「ワクワク枠」作戦

「宿題したくない」と言ってなかなか取り組まない息子。やっと始めた漢字練習は、走り書きの文字ばかり…。ノートをチラッと見ただけで「見るな!」と警戒態勢。そんな息子がワクワクしながらていねいな字を書くようになった取り組みをご紹介します。
 

走り書きで漢字ノートに取り組む小学生の息子

 

我が家には注意欠陥多動性障害(ADHD)の小学5年生の息子がいます。自分では勉強は苦手だと思っていて、間違いを指摘されることが大嫌いです。

 

当然、毎日の宿題は息子にとっては苦痛です。「宿題したくない」「めんどくさい」「宿題のない国に行きたい」と言って、なかなか取りかかれません。

 

一通り自分のやりたいことをやり終えた後、やっと重い腰をあげて、「なんでやらないとだめなのかなぁ」とぶつぶつ言いながら、漢字ドリルの宿題に取りかかります。

 

そして、漢字ドリルの宿題を早く終わらせたいので、漢字ノートはササーッと走り書きで仕上げます。

 

「もう少していねいに書いてみたら?」と、私がチラッとでも見ようものなら「見るな!!」とノートを隠します。字の間違いなどを指摘されたくないので、警戒態勢をとっています。

 

小学1年生の漢字を習いたての頃、息子は漢字ノートに彼なりのしっかりとしたていねいな文字を書いていました。私もそれを覚えているので、5年生になってそれができないわけがないと思っていました。

 

 

先生からハナマルをもらえば、嬉しいと感じて、またていねいな字を書くかもしれない。でも、ていねいに書くことがどうすることなのか分かりにくいのかなと思い、こうアドバイスをしました。

 

「ていねいに書くということは、ゆっくり書くということだよ」

 

すると、息子は「そんなの、別にいいよ。やればいいだけでしょ?」と、聞き入れてくれません。

 

ならば、書く量を減らせば一文字一文字じっくり取り組めるのではないかと考え、次にこう提案しました。

 

「〇〇くんは、いっぱい書くより、一文字に時間をかけてやる方がいいと思うから、先生に相談して書く量を減らしてもらおうか?」

 

すると、息子は「自分だけクラスの子と違うのは嫌だから、今のままでいい」と、これまた却下です。

 

私はがっかりしながら「そうかぁ…。宿題おつかれさま」と言うのがやっとでした。

 

宿題を嫌々始める。宿題のノートは見せてくれない。アドバイスは聞かない。

 

我が家の息子のように宿題をしたくない小学生が、どうすれば進んで宿題に取り組めるようになるのだろう?また、一文字でもていねいな字をかけないものかと悩んでいました。

 

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「宿題したくない」の裏側にあったものとは

 

宿題をしたくないのは、誰だってそうだと思います。ただし、発達特性のある子どもの場合は、その理由がただの「めんどくさがり屋」ではないのです。

 

ADHDの子どもの特性として、繰り返し何度もする作業が苦手であるということ、そしてプライドが高く、自己流のスタイルを持っている、ということがあります。

 

また、何かと注意されることが多いので、本来持っていた自己肯定感が崩れてしまい、自信を失って攻撃的になったり、鬱々とすることもあります。

 

我が家の息子の場合は、低学年の時はできていた漢字が、高学年になるにつれだんだんと難しくなり、ちょっとした間違いがあったためにハナマルをもらえなかったり、何回も間違った漢字のやり直しをさせられたことで、すっかり自信を失っていたようです。

 

家では、私からもチェックを受けて「あ、この字間違ってるよ…」「もっとていねいに書いて」と言われ、失敗体験が積み重なっていました。

 

精一杯自分のプライドを守るために、ノートを見られないようにしていたのです。そして、宿題はやらないといけないと分かっているので、何とか走り書きでこなしていたのです。

 

 

息子の場合、何かを指摘されることに敏感になっているので、褒めることに重点を置くことが必要だと分かりました。

 

また、楽しいことに取り組む時、脳は発達するという特性があります。ノートに一文字だけでも楽しんで書くような仕掛けがないか考えました。

 

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宿題を嫌がっていた子がワクワクしながら漢字を書けるようになった!

 

それでは、私が取り組んだ方法をご紹介します。

 

褒めスタイルで親子関係をスムーズに

 

まずは、褒めることから始めます。

 

ここでいう褒めるとは「えらいね」「すごいね」と言うだけではありません。できていないことへの否定的注目から、できていることへの肯定的注目に変えるというものです。私にとっては、自分の価値観を変える必要があるくらいのことでした。

 

なぜなら今までの私は、できていないことへの注目が多かったのです。できていることを見つけるというのは、意外と難しいので、意識しないとできません。できていることを必死に探すことで、私自身も脳トレをしている感覚です。

 

すると、息子も色々とできていることがあることに気づきました。「宿題があることを覚えていること」「宿題にとりかかること」「宿題を済ませること」…

 

今までの私と比べると、息子に求めるハードルがずいぶんと下がっていました。

 

 

できていることを見つけたら、その場ですぐに褒めます。お子さんの年齢にもよりますが、息子の場合は、あからさまに褒めると「気持ち悪い…」と嫌がるので、「今日は漢字の宿題があるんだね」、「宿題始めるんだね」と気づいていると知らせる声かけをすることにしました。

 

宿題にとりかかっている間は、遠くから「何となく、半分くらいまでできているように見えるなぁ!」と声をかけました。まだ警戒が取れず「見るな!」という反応が返ってくることもありましたが「大丈夫!中身は見えてないから!」とグッジョブサインを送りました。

 

宿題が終われば、「すごい!終わったんだね」と言っても、息子も心に余裕があるのかまんざらでもない反応でした。

 

しばらくすると、息子の方から「今から宿題する」と宣言することも出てきました。

 

そろそろ、警戒が解けて親子関係がスムーズになってきました。いよいよ私が考えた一文字「ワクワク枠」作戦を実行します。

 

「ワクワク枠」作戦で、漢字ノートをちょっと楽しく

 

私の考えた「ワクワク枠」作戦とは、取り組む前の漢字ノートの1マスだけ、蛍光ペンなどで囲むというシンプルなものです。

 

息子には、「ねえねえ、この1枠に入る文字だけ、お母さんがびっくりするような字を書いてみて」と提案しました。

 

すると息子も「え?何それ?何の文字が入るかな?」と少しワクワクしている様子です。

 

あとはいつも通り漢字ノートに取り組みます。

 

「はい、できた」とノートを見せてくれました。囲った一文字だけ、筆圧も強くしっかりとした字が書けていました!「おぉー!気合の一文字!いいねいいね!!」と私も心の底から素直な感想が出ました。

 

その枠に入る文字は、漢字以外にもひらがなや、時には句読点の時もあります。「今日は、ひらがなだ!」「今日は『。』だ。ラッキー!」

 

蛍光ペンの色を変えたり、枠の位置を変えてみたり、しばらくすると枠を2個に増やしてみたり、枠が絵になるようにしてみたり、と私も遊び心をプラスしました。

 

「この字、いいね!大人の字みたい」「このハネがいいね」「ひらがなも上手く書けてるね」「この『。』も、味があるね!」などと声をかけることができました。息子も「そうでしょ?」と得意げでした。

 

やはり、書こうと思えば、ていねいな字が書けるんだということが分かりました。枠は少しずつ増やしてみましたが、息子の場合は、枠以外の文字をていねいに書くということは、あまりありませんでした。

 

息子にとっては、漢字練習は文字数も多いし、楽しくないもの。でもやらないといけないので何とかこなしているということが改めて分かり、「全ての字をていねいにかけなくてもいいんだ。宿題をやること自体が彼にとってはすごいことだ。」と気づきました。

 

そして、たまに現れるワクワク枠には、「今日は、ここかぁ~」と言いながら、気合を入れて書いていました。

 

私も、その文字を中心に褒めることができましたし、ノートを見せてくれたり、見ても嫌がらなくなったことが嬉しかったです。

 

 

その後、気づいたのですが、息子は、テストなどではしっかりとしたていねいな文字を書いているのです。テストの答案を見た時に「びっくりした!読みやすい字を書けてるね!」と思わず言ってしまいました。

 

「そうかな?」と言いながらも、少し嬉しそうでした。小さな自信が芽生えたのではないかと思います。

 

いかがでしたか。

 

「宿題したくない」気持ちを、ちょっと楽しく、なぜかその枠だけていねいな字を書きたくなる「ワクワク枠」作戦。まずは、親子関係をスムーズにしてから、試してみてくださいね。

 

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執筆者:奥山 楓

(発達科学コミュニケーションアンバサダー)

 

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