1.繊細な不登校の娘が企画した「お泊まり会」
2023月7月
私には繊細な気質を持つ娘・千帆(仮名)がいます。
学校や習い事での失敗体験、集団でのコミュニケーションの苦手さもあり、小学3年生からは不登校になってしまいました。
その夏、 不登校ながら家では元気を取り戻しているのに、家の外に出ていくことが難しい千帆の対応に悩んだ私は、 本やネットで情報を探し続けました。
そんなとき、おうちで脳を育てる「発達科学コミュニケーション(発コミュ)」に出会い、私は学びを深めていきました。
そして、毎日、発コミュの基本「肯定的な関わり」を徹底していきました。
好ましくない行動には注目せず、できていること・当たり前の行動にのみ声をかけていきます。
そのうちに千帆は、家族や気の合う友だちと出かける機会が増え、「元気な不登校」と自分で言うほど、活動範囲が広がっていきました。
2025年4月
小学5年生になった千帆が私に言いました。
「お友だち2人を呼んで、3人でお泊まり会したい!」
千帆は元々好奇心旺盛で、楽しいことを考えるのが大得意!
私は、
「不登校で普段家にいて、コミュニケーションが苦手なところもある千帆が、新しい体験ができる大きな成長のチャンスだ」
と捉え、OKを出しました。
そして 「いつ泊まって、どんなお泊まり会にするのか」を、 放課後3人で話し合ってくるよう千帆に伝えました。

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2.コミュニケーションが苦手な娘 「頭の中にだけある計画」
お泊まり会の日にちは早い段階で決めることができました。
しかし前日になっても、私も、お友だちのママたちも、「当日何をする予定なのか」 がまったく分からない状態でした。
何度も放課後に遊んでいたので、仲良し3人組で、 てっきり話し合いが進んでいるのだと思っていた私は、千帆に聞いてみると・・・
「私はやりたいこと決まってるよ。 あ!みんなに相談するの忘れてた!」
お泊まり会の内容は、 すべて千帆の頭の中にだけ存在していた のです。
誰にも伝えず、どこにも書かず、千帆の中だけで計画は進んでいました。

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3.繊細な子のうまく伝えられない脳の仕組み
繊細な子は、 目に入るもの・耳に入る音・お友だちや先生の表情・雰囲気を細かく感じ取る力があります。これは大きな強み!
たくさんの情報を取り込めるため、そこからアイディアを膨らませることが得意な繊細な子も多い のです。
一方で、 書く・話す・相談するといった、頭の中で考えたことを「外に出す力(アウトプット)」には、 また別のエネルギーが必要です。
感じ取るほうにエネルギーがたくさん使われると、 アウトプットに回すエネルギーがなくなり、「自分の頭の中だけでものごとが進んでいく」「伝えたいのに相手に上手く伝えられない」という状態が生まれやすくなります。
これが、コミュニケーションが苦手になる原因なのです。
ここでポイントになるのが “得意を伸ばすこと”。
得意なことに取り組んでいるとき、脳は安心して動きやすくなっています。
この安心があるからこそ、書く・話すといったアウトプットにも少しずつ挑戦できるようになっていくのです。
千帆も、安心が積み重ったことで、コミュニケーションの苦手さが出る場面でも、自分の考えを言葉で表現できるようになりました。
その小さな挑戦が、「楽しいことを考える」という千帆らしい強みを、さらに育てていったのです。

4.娘が動き出せる母の関わり
千帆が実際に“書く・話す・相談する”という苦手に挑戦できた、 具体的な私の関わり方を紹介します。
①「答えを教えない」質問形式
「明日お泊まり会だね~、ママたち、明日、何を準備したら良いか分からなくて困ってるの。どうしたら良いかな?」
準備の悪さを否定したり、問い詰めるような声かけでは、脳は一瞬で警戒モードに入り、アウトプットどころか考えることすら止めてしまいます。
答えは言わず、気づきのヒントになるような質問をすることで、千帆の脳は「じゃあ、どうする?」と考えることを始めました。
しばらくすると・・・千帆は紙と鉛筆、ホチキスを持ってきて、 即席の“しおり”作りを始めました。
・もちもの
・スケジュール
・買い物リスト
・遊びの内容
・手描きのイラスト
千帆はワクワクした表情でどんどん手が動いていきます。
頭の中だけにあったアイディアが、 文字やイラストとして表に出てきました。
②さらにアウトプットが進む肯定のテクニック
私はすかさず、行動そのものに肯定的な声をかけます。
「いいね!すっごく分かりやすいよ!」
「これは楽しそうだね~!」
不登校の千帆は普段、授業でノートを取ることもないので、自分の「字」に自信がなく、書くこと自体を拒否することもありました。
ですが、 ワクワクと肯定が合わさると、 びっくりするほどスムーズに「書くこと」が進んでいきました。
かわいらしいしおりが完成すると、千帆は私に、「このしおりを写真に撮ってお友だちのママたちにメールで送って~」と、どうすれば、みんなに伝わるか方法まで考えることができました。

5.得意を伸ばすことで苦手が伸びる
発コミュでコツコツ得意を伸ばす関わりを続けてきたことで、楽しい気持ちのまま当日を迎えました。
そして、しおりを見て、ばっちり持ち物を準備したお友だちがやってきました。
ここで実は、まだ決まっていないことが・・・
それは、しおりに「買い物リスト」の項目はあったけれど、夜ご飯のメニューが決まっていなかったのです。
ここから子どもたち3人での相談タイムです。
書く・話す・相談することが苦手だった千帆。
普段、コミュニケーションが苦手で「意見をすり合わせる」経験が少ない千帆ですが、今回は自分の考えを言葉で表現しながら、みんなの意見も聞こうとする姿が見られました。
生活の中で、私と1対1で、知らず知らずコミュニケーションの苦手さに向き合ってきた経験を活かし、質問しながら、千帆が自分の意見も伝え、 お友だちの意見も聞く姿がありました。
・私は肉じゃがにしたいと思うんだけど、みんなはどうかな?
→他の2人も「いいね!いいね!」と賛成
・お味噌汁の具はどうする?
→意見が分かれたけど、ジャガイモだけにすれば全員食べられることが分かった!
だれも我慢することなく、平和に相談が終わり、3人は買い物に行きました。
そのあとは、お料理に泡風呂、枕投げで、夜遅くまで大盛り上がり!
お泊まり会は大成功!
千帆は、楽しさの中で自然とアウトプットのステップを踏み、大成長することができました。
今回の経験で私が気づいたのは、 千帆の「得意」は、アイディアを生むことだけでなく、「誰かと一緒に楽しむこと」そのもの だということ。
大人の常識で、子どものアイディアに蓋をしたり、苦手だからと言って全てお膳立てしたりするのではなく、得意を伸ばす関わりだから、苦手なことにも挑戦していけるんだと驚きました。
お泊まり会の後、千帆は言いました。
「泡風呂すごく楽しかった! 今度はみんなでプール行きたいな〜」
いつもなら、私がママたちに連絡をとってお膳立てするところを、今回もあえて質問しました。
「いいね!プール楽しそう!もし、 千帆がお友だちに“どこどこ行こう”って誘われたら、まずどんなこと知りたい?」
すると千帆はすぐにこう言いました。
「日にちと時間が知りたい!」
そして自分から
「じゃあ、みんなの予定聞いてみる!」
と、また自分で、次に何をすれば良いか、考えることができました。
得意を伸ばすから苦手も伸びる。これからも親子で楽しみながら繊細な千帆の「得意」を磨いていきたいです。

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執筆者:あなんしほ
発達科学コミュニケーショントレーナー




