1.「絶対イヤ!」宿題をやらない繊細な息子
わが家の小学1年生のひろくんはとにかく宿題が大嫌い。
「宿題やろう」と声をかけるだけで、「絶対イヤ!」「もう学校行かないから!」と言い出すほどです。
毎日のように繰り広げられるこのやりとりに、ついイライラすると同時に、「このままで大丈夫なのかな」「まだ1年生で簡単な問題ばかりなのに、このまま進級したらどんどんついていけなくなるんじゃないかな」と不安ばかりが強くなっていました。
心配するあまり、毎日のように声をかけていた結果、ついには『宿題』という言葉を聞くだけで、「絶対イヤ!」と強く拒否するようになってしまったのです。

この記事では、私自身の子育ての経験だけでなく、繊細な子の脳の特性や、脳が安心すると行動が変わっていく仕組みをもとに、宿題をやらない子が少しずつ動き出した理由をお伝えしていきます。
この考え方は、脳科学・心理学・発達の視点を土台にした「発達科学コミュニケーション」に基づいています。
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2.繊細な子はなぜ宿題を拒否するのか?
宿題をやらない姿を見ると、「やる気がないのかな」「甘えているのかな」そう感じてしまうこともあるかもしれません。
けれど、脳の視点から見てみると、宿題を拒否する行動にはちゃんと理由があります。
繊細な子の脳は、まわりの刺激や感情を強く受け取りやすく、先の見通しが立たない状況に不安を感じやすい特徴があります。
宿題は「どんな問題があるのか」「どのくらい時間がかかるのか」など、子どもにとっては見通しが立てにくく、しかも苦手な内容だと「できないかも」という不安がさらに強まります。
脳は不安を感じると、「これは危険かもしれない」と判断して、行動にブレーキをかけます。その結果として「絶対イヤ!」と拒否反応が出てしまうのです。
また「宿題」が「できなかった」というネガティブな感情とできごとがセットで記憶されてしまうと、「僕はできない」と自信がなくなり、さらに行動できなくなってしまいます。
「宿題=イヤなもの」という記憶が積み重なり、さらに強い拒否へとつながってしまい、『宿題』という単語を聞いただけで拒否するようになってしまうのです。
つまり、「宿題をやらない」という行動は、子どもなりに不安から自分を守ろうとした結果だったのです。

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3.日常から肯定の姿勢を積み重ねる
脳の視点から見ると、行動を変えるためにいちばん大切なのは「安心」と「自信」を先につくることだと分かります。
①日常から安心できる声かけで自信を育てる
“宿題をやらないこと“に注目して注意や声かけが増えると、どんどん「僕はできない」と自信を無くしてしまうので、他のできていることを肯定して、「宿題もやってみようかな」と思えるようになることが大切です。
まずは子どもが当たり前にできているところに注目して肯定すること。
「すごい」「偉い」などのフレーズよりも、「〇〇してるね」「〇〇できたんだね」と具体的な事実を伝えることで、ママは見ているよという安心感を与え、子どもも「僕はできている」と認識して安心することができます。
反対に、できていないことをスルーすることも大切です。
できていないところを見つけるとつい注意したり、指示したりしてしまいがち。
よかれと思ってアドバイスしているつもりでも、繊細な子には「怒られた」と否定的に伝わり自信を無くしてしまうことがあります。

②宿題は大人が思うよりずっと“スモールステップ”に分解
1年生の宿題なんて簡単、と思うかもしれませんが、「ひらがなを書く」だけでも、子どもには大仕事なんです。
・ペンを正しく持ち、手指を細かく動かす運動機能。
・文字の形を見て記憶し、正しい形を再現する視覚認知。
・書くことに集中しつつ、まわりの音などの刺激を抑える注意を制御する力。
大人が思う以上に脳を使っているため、いきなり“ひとりでやって!”はハードルが高いこともあります。
だからこそ、子どもが「できるかも」と思えるところまで、スモールステップに分解してあげることが必要です。
私が実際に実践した方法は以下の通りです。
「ママが書くから答えるのはどう?」と提案し、乗ってくれたら問題を読んで、答えてもらいながら、ママが回答を書く。
それができたら「ママが薄く書くから、上からなぞってみようか」と提案。どんなに汚くても、ふざけちゃったとしてもOK!やる気を維持させることが大切です。
息子はこのあたりで「できそう」という気持ちが沸いてきたようで「自分でやる!」と言って自分で書きだしました。
こうしたスモールステップを積み重ねることで、
「できそうかも」➡「やってみたらできた!」➡「僕できる!」
と、成功体験が広がっていきました。

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4.宿題は「自分でやらせなきゃ」という思い込みを手放す
繊細な子の脳の特性を知ると、 「自立させなきゃ」という大人の正しさよりも、今どんなサポートがあれば脳が動き出すかを考えられるようになります。
以前の私は、宿題は「自分でやらせなきゃ」と思い込んでいました。自分でやらないと意味がないし、「やりたくない」は甘えだとすら思っていました。
だけど繊細な子の脳の特性を知ってからは、「どうしたらこの子の脳は伸びるかな?」「どうしたら動き出せるかな?」と考えるようになりました。
宿題はママが代わりに書いたっていい。
どんどんサポートしてあげたっていい。
宿題を楽しいと思える子はきっと少ないですよね。楽しくない宿題に子どもが意欲的に取り組めないのは当たり前。
だからこそ難しい時はママがサポートしてあげて、「僕できるかも」って自信をつけてあげることが大切なんです。

執筆者:にしやまともか
発達科学コミュニケーショントレーナー




