小学生のお子さんが外ではいい子なのに家では癇癪がひどい!とお困りのことありませんか?癇癪を起こす原因としてHSCタイプの繊細なお子さんであることがあります。今すぐできる癇癪がおさまる対応法についてお伝えします。
1.癇癪がひどい小学生
癇癪がひどい小学生のお子さんにお困りのことはありませんか?
幼児期の癇癪は成長すればそのうちおさまるだろうと思って様子見をしていたものの、小学生過ぎても癇癪が続いていると、このままで大丈夫なのだろうかと不安になることありますよね。
小学生になると力も強くなってくるので、癇癪を起こしながら物を投げたり、暴力を振るわれたら、お母さんの力では対応しきれなくなることもあるのではないでしょうか。
そんな小学生の癇癪、エスカレートする前に、おさまるように対応していきたいですね。
私の教える発達科学コミュニケーションの生徒さん(Bさん)で、娘さんの癇癪に悩まされていたものの、正しい対応法をしたところ、癇癪は激減しすっかり穏やかになったお子さんがいるのでご紹介しますね。
Bさんのお子さんは小学3年生の女の子です。学校などの外ではいつも褒められている優等生でした。
にもかかわらず、家では癇癪・暴言・暴力で荒れていたのです。
娘さんは思い通りにならないと、突然癇癪を起こしてギャーギャー泣き叫び、床にひっくり返ったり、物を投げたり、弟や妹を殴ったり蹴ることもありました。
娘さんのあまりの荒れように、お母さんも弟さんも妹さんもビクビクする毎日でした。
弟さんや妹さんもとても怖がっていて、お母さんは影響を心配されていました。
娘さんは否定的な言動が多く、「どうせ…」「意味ない」「もうどうでもいい」「いいことなんて何もない」と心が傷ついている状況でした。
Bさんは癇癪がひどい娘さんに頭を悩ませていました。
2.外ではいい子なのに家では癇癪を起こす原因
Bさんの娘さんのように、外ではいい子なのに家では癇癪を起こす子どもには原因があります。
それはHSCタイプで繊細な子どもであることがあります。
HSC(Highly Sensitive Child)とはひといちばい敏感な気質を持った子どものことです。
HSCタイプの繊細な子どもは、ひといちばい刺激に敏感に反応するため、先生やお友達が求めていることを表情や言動から察知して、それに応えようと一生懸命になるところがあります。
学校で決められているルールを理解することもできて、先生を困らせないようにそのルールを忠実に守ろうとするため、外では優等生でいい子と言われることが多くあります。
その一方、他人の感情に敏感に反応して合わせている分、外では我慢していることも多く、ストレスをためやすく、家に帰るとドッと疲れを感じるのです。
自分の感情や表現をおさえながら日中過ごしていた反動が、家庭という安心できる場所に帰ることで、感情が癇癪という形で爆発してしまうことがあるのです。
大人が思っている以上に、HSCタイプの繊細な子どもの脳にはかなりの負担がかかっているのです。
限界まで我慢した末に、家庭で癇癪・暴言・暴力として爆発させるので、子どもの「助けて!」という心と脳のSOSなのです。
HSCタイプの繊細な子どもは自分の感じている感情を言葉として表現することが苦手なところがあります。
そのため、感情が爆発すると、癇癪という形で表現するのです。
癇癪を繰り返すうちに、脳の回路が嫌なことがあったら癇癪を起こすという癖になってしまうため、癇癪は繰り返されていったりエスカレートしていくのです。
3.癇癪がおさまる!今すぐできる対応法
私が生徒さんにお伝えする、HSCタイプの繊細な子どもの癇癪の対応法をご紹介します。
◆癇癪はスルーし、正しい感情表現を教える
子どもの癇癪をなくすためには勇気を持って癇癪をスルーすることが大切です。
なぜなら、癇癪に対してお母さんが反応して驚いたり、共感したり、怒ったりすることで、子どもは癇癪を起こすことで、お母さんに注目してもらえると、間違った学習をしてしまうからです。
子どもは自分の行動に対してお母さんが注目してくれたことに対して、繰り返していきます。
そして、最初は軽く騒いでいただけでも、次第にお母さんの反応が薄くなることで、反応してもらおうとしてエスカレートして、物を投げたり、暴言を吐いたりしていくこともあります。
今までは反応してもらえていた癇癪は、お母さんがスルーを始めたばかりの頃はエスカレートしてしまうこともありますが、癇癪には取り合わない勇気が必要です。
お子さんの癇癪が生理的な要求で、お腹が空いたなどの場合は、その原因を取り除くことが前提ですが、お母さんに注目してもらいたいために、癇癪を起こしている場合に関してはスルーをします。
スルーするということは、子どもの癇癪を起こしている行動に対してお母さんは見て見ぬふりをすることです。
子どもの方に視線も向けず、体も向けずに、お母さんのしている他のことをし続けます。そして子どもの癇癪がおさまるタイミングをじっと待ちます。
すると、子どもは次第に癇癪を起こしても意味がないことに気づき、自分の言いたいことを言葉にして教えてくれる時がきます。
そしたらチャンスです。癇癪ではなく言葉で教えてくれた時には目一杯、注目して肯定します。
「話してくれてありがとう。」「言葉で教えてくれてありがとう。」と伝えることで、子どもは初めて、癇癪ではなく言葉で伝えることで注目してもらえるんだ、言葉で伝えることが良い行動なのだと気づくことができます。
すると、子どもは次第にお母さんに肯定してもらえる言葉で伝えるという行動が増えていくようになります。
◆日頃から肯定する
癇癪をスルーする対応法に関してですが、これを行うためには前提となることがあります。
それはお母さんが日頃から子どものことを肯定して、親子のコミュニケーションを良好なものにしておくことです。
信頼関係がないままに、癇癪もスルーされていると、子どもはお母さんに対して不信感を募らせていくことがあります。
そのため、まずは親子の信頼関係を築くことが大切です。
親子の信頼関係を築くためには、子どもが癇癪を起こしていない時の関わり方が重要です。
日頃から、子どもの行動を笑顔で肯定していくのです。
朝起きてきたら「おはよう。自分で起きてこれたね。」「大好きだよ。」など、子どもが嬉しい言葉を伝えたり、スキンシップをとりながら、子どもがお母さんから愛情を感じられる時間を作るのです。
子どもの行動を肯定し続けていくことで、子どもは自分の行動に自信を持つようになり、どんどん行動するようになります。
行動すればするほど脳も発達するようになるので、ストレスにも強くなります。
そうすると、学校で頑張っている子どもの脳の負担も和らいでいき、癇癪を起こしづらい脳になっていきます。
Bさんの娘さんも肯定の関わりを意識して対応したことで、娘さんは穏やかに過ごせるようになったのです。
そして時々、プチ爆発しても、自分で切り替えができるようになりました。
娘さんの癇癪に怯え、ご機嫌を伺う日々から解放されて、今は娘さんの変化・成長にとても感動されていました。
小学生のお子さんが外ではいい子なのに家での癇癪がひどい!と悩まれているお母さんはぜひ、お子さんを肯定して、癇癪ではない正しい感情表現を教えてあげてくださいね。