繊細なお子さん、習い事に行きたくないと行き渋ることありませんか?せっかく始めた習い事、できることなら楽しく継続してほしいですよね。子どもが習い事に夢中になるための、習い事の選び方や始め方のコツがありますので、お伝えしていきます。
1.習い事に行きたくない子ども
お子さん、習い事には楽しく通われていますか?
中には子ども本人がやりたいと言ってはじめた習い事なのに、何回か通っているうちに「行きたくない」と行き渋るようになってしまったり、行きたくない理由を聞いても教えてくれないこともありますよね。
親としては子どもの可能性を伸ばしたいと始めた習い事だったり、自分も子どもの頃に習っていてすごく役立ったから子どもにも習ってほしいと期待してしまうこともありますよね。
突然行きたくないと言われても、子どものいうままに休むと休み癖がついてしまうことが心配になったり、毎月払っている月謝がもったいないと感じることもあるかもしれません。
私が以前務めていた園では、園内の習い事を含め習い事をたくさんしている子どもたちがいました。
子どもたちの中には習い事をやりすぎていて自由時間がなくて脳が疲れているような状態のことがありました。
具体的には
・朝登園するときにぐずぐずしており機嫌が良くない
・日中の集団での活動に集中できない
・お友だちとの関係が上手くいかない
ということがありました。
習い事で一生懸命なお母さんに怒られることも多く、もともとの好きな気持ちも自信もなくなってしまい、習い事にイヤイヤ通っている状態だったのです。
特にひといちばい刺激を感じやすい繊細な子どもは、集団生活だけで疲れていることがあるので、習い事を詰め込むことでリラックスできる時間が少なくなり、脳への負担が増え、自信喪失・行きしぶりにつながることがあるのです。
そんな子どもたちは実は心も体も疲れています。
そして今までできていたことができなくなったり、肝心の園での活動や友達関係にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
そんな習い事、習い方は本末転倒ですよね。
2.習い事に行きたくない理由
習い事に行きたくない理由は繊細な子どもによっていろいろですが、行き渋っているということは「その習い事+イヤな感情」と脳ではセットで記憶されていることがあります。
原因は様々で、
・習い事が楽しくない
・先生に叱られてイヤだった
・お友達とうまくいっていない
・教室の雰囲気が苦手
・頑張っているのにうまくできない
・疲れている時に行くからだるい
・習い事に行く時や練習時、帰宅時によくお母さんに怒られている
などが考えられます。
繊細な子どもは特に習い事でおきた出来事や言われたこと、うまくいかなかったこと、しんどかったことなどのネガティブなエピソードを強く覚えています。
これは脳の中にある扁桃体が、不安や恐れなど不快な感情を抱いたときに、興奮し、拒否反応を起こすからです。
脳は楽しいと感じたことは、どんどん行動できるのですが、楽しくなかったり不快なことは行動しづらくなっています。
子どもが不快に感じていてやりたくないのに我慢して行くことは、余計にネガティブなイメージがつき習い事が嫌いになってしまったり、脳に負担がかかってしまいます。
そのため、子どもが楽しく通えるように、習い事の選び方や始めるタイミングが大事になってきます。
3.習い事の選び方・始め方のコツ
◆習い事を始めるタイミングを考える
繊細な子どもは進級・進学など新しい環境になることで、ひといちばい刺激を敏感に感じ取り、環境に適応できるように一生懸命頑張っています。
そのため、普段は穏やかな子どもが環境の変化を機に、ちょっとしたことで怒りっぽくなったり癇癪を起こしたりすることもあります。
そのような心も体も疲れている状況のときに新しい習い事を始めると、ストレスがかかりすぎることがあります。
そのため心が安定していて子どもに余裕があるときに始めるようにしましょう。
中には4月からスタートする習い事もありますが、もし4月から開始する場合は、子どもが疲れているときは無理せずお休みして、元気がある時に参加するようにしましょう。
◆余裕のあるスケジュールにする
現代社会では毎日のように習い事に通っている子どももいます。
子どもが本当に夢中になっている場合に関しては問題ないのですが、親の希望で毎日習い事をしている場合は危険です。
なぜなら、時間に追われやるべきことが決まっている習い事では子どもの自由にする時間が少なくなります。
子どもの脳はぼーっとしている自由時間に成長します。
どういうことかというと、子どもは何もすることがないときこそ、 「何してあそぼう?」「どうやって遊ぼう?」と自分で考えます。
自分が何をしたいのかを見つめる時間になり、自分でやりたいことを探そうとします。
そして自分がやりたいことを自由にやることができます。
そんな時間こそテレビやゲームでは育ちにくい想像力、創造力が育ちます。
そのため、習い事は週に1〜2回くらいにするなど、子どもの自由時間や余白時間を十分に確保したスケジュールを立てていくことが大切です。
◆子どもにピッタリの習い事にする
子どもにピッタリの習い事を見つけるためには、ポイントがあります。
まず、一番大切なことは子どもが好きでやりたい!という気持ちがあることです。
楽しく通い続けていくためには、子どもにとってその習い事が好きだということが大事になります。
「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあるように、好きなことには楽しく夢中になり、工夫しながら何度も行うので、どんどん上手になっていきます。
そのため、子どもの好きでやりたい!という気持ちを大切に、選んでいくようにしましょう。
次に繊細な子どもの場合、先生との相性や習い事の雰囲気などがとても重要になります。
繊細な子どもはお友達が怒られている声を聞くだけでも、自分が怒られているかのように悲しくなることもあります。
そのため先生が子どもに対して肯定的な言葉を使い、表情が穏やかであるかどうかも観察ポイントになります。
先生の雰囲気がその習い事の雰囲気に大きく影響していきます。
子どもが習い事で力を発揮できるか楽しめるかは先生との相性次第です。
そのため、実際に通っているお友達から情報を収集したり、見学や体験をすることで、子どもにあっている環境なのかを確認し、子どもにもまた通いたいかどうかを意見を聞いて尊重していくことが大事です。
子どものことを真剣に考えてくれる先生なら、お母さんからもわが子の特性を伝えやすくなります。
例えば「うちの子は不安が強いので、慣れるまで時間がかかります。緊張すると動けなくなるのですが、お友達が動いている様子を見て、安心できると動けるようになります。温かく見守って少しずつ声をかけてもらえるとありがたいです。」などわが子の解説をしておくことで、サポートも受けやすくなり、子どもも安心して通えるようになります。
子どもにピッタリな習い事を選び、余裕のあるタイミングで始めることで、子どもは安心して通うことができて、習い事にどんどん夢中になっていきます。
夢中になることで、想像もしなかった力を発揮することができ、子どもの可能性もどんどん広がっていきます。
ぜひお子さんに合った習い事を選んでみてくださいね。