繊細な子どもが「大人になりたくない…」と泣く理由と対応について

私の人生は繊細な息子によって大きく変わりました。ある日息子に感謝の気持ちを伝えると「大人になりたくない…」と号泣。今の私は、繊細っ子の頭の中で何が起きているのか?どうしたら不安を解消してあげられるのか?分かります!ネガティブな感情が溢れた時にどう対応したらいいのかお伝えしていきます!
 

1.子どもの繊細さがきっかけで人生が変わりました

 
わが子が繊細でこのままで大丈夫だろうか?と心配で、この記事にたどり着いたのではないでしょうか?
 
かつての私も同じようにわが子が繊細すぎて、家の外の世界でちゃんと生きていけるのかママがいなくても笑顔で生きていけるのか心配で仕方がないママでした。
 
子育てに自信を持てず、「子育てって勉強すれば勉強するほど難しい…」「なんで子育てってこんなに大変なんだろう…」とぐるぐる悩み続けていました。
 
しかし今思えば、繊細な息子は私の人生を何倍も何十倍も難しくもしてくれたかもしれないけど、私の人生をとびきり面白いものにもしてくれたと思っています!
 
一筋縄ではいかない子育てだったから、「なんで?」と何度も何度も考えさせられたし、納得できるまで勉強もしたし、探究してきました。
 
子どもたちのために、私たち大人が本当にすべきことって何だろう?と、固定概念や常識を捨てて、真剣に考える「試練」と「使命」を、繊細な息子が私にくれたのだと感じています。
 
 
・「言うこと聞きなさい」って大人は言うけど、なぜ無条件に聞かないといけないの?
・「勉強しなさい」って大人は言うけど、本当にその勉強は未来に必要なの?
・「学校は我慢するものだよ!」って言うけど、学校って行かなきゃいけないの?
 
繊細な子どもたちは身体を張って、これってなんか違うよ!!って大事なことを伝えようとしてくれています。
 
だから私は、繊細な息子からたくさんのことを教えてもらっていると感じているのです。
 

2.繊細な子の脳を支配してしまう強すぎる不安

 
少し前の話になりますが、私は母の日にどうしてもやりたことがありました。それは繊細な息子に感謝を伝えることです。
 
私は繊細な息子からたくさんのギフトをもらってるばかりで、母の日に感謝されることなんて本当にないと感じていました。
 
母の日当日、繊細な息子に「〇〇ちゃんのお母さんでいさせてくれて ありがとう!」と伝えたのです。
 
私がこの一言を伝えた瞬間、繊細な息子はなんとも愛おしそうにぎゅーっ!としてくれました。
 
 
しかし・・・
 
少し時間が経ってから、私の背中にコアラのようにひっついてきました。どうしたのかな?と思いきや・・・
 
「ぼく大人になったら どうしたらいいのかな」
 
 
と歯磨きをしながら、つぶやきました。
 
「ん?」と、母は何の話か分からず頭の中はハテナ状態だったのですが、
 
「ぼくずっと子どものままがいい・・一人になったら寂しい・・ずっとここにいたい」
 
とポロポロと涙があふれてきて、号泣でした。
 
「大人になっても、たまにここ(家)に来れるの?」
「お母さんとずっと一緒がいい」
「大人になりたくないよ…」
 
将来を考え、号泣する8歳の息子でした。
 
一体この時、繊細な息子の頭の中では何が起こっていたのでしょうか?
 
 

3.繊細な子の脳は「感情調節」が苦手

 
母が伝えた〇〇ちゃんのお母さんでいさせてくれて ありがとう!の言葉から、きっと息子の脳の中では「お母さん大好き」という感情があふれ、次に「お母さんいなくなったら?」という漠然とした不安があふれてきて、不安な感情がとまらなくなってしまったのです。
 
繊細な子どもたちの脳のタイプは、脳の中心の方にある「感情調節」が苦手なうえ、上手に感情を言葉にすることも苦手なので、お家では感情のぶつけるようになったり、外では自分を出せずに合わせてしまったり我慢してしまったり‥心と脳がストレス状態になりやすいです。
 
息子は、母の日の私のひと言がきっかけで漠然とした不安を出会い、感情調節がうまくいかず、号泣してしまったのです。
 
 
ここで「寂しいんだね‥」と共感したくなりますが、ネガティブな感情に共感するのは逆効果です!
 
繊細な子どもの脳は、人の感情に敏感に反応しますお母さんが「寂しいよねぇ…わかるよ。」と共感してしまうと、余計に「寂しいんだ!!」「悲しいんだ!!」と、ネガティブ感情に意識が集中して、ネガティブ感情が増してしまうのです。
 
ネガティブな感情に支配されないためにも、感情調節の力言葉の力を伸ばしてあげなければ、この先の集団生活、対人関係、社会生活においても、本人は生きづらさ、困まりごとを抱えてしまうのです。
 
あふれだすネガティブな感情に対して、どう対応することで落ち着かせることがでるのか?次に解説していきますね。
 

4.不安を分解して落ち着かせるホームカウンセリング

 
私は、泣いている繊細タイプの息子に「寂しいよね」「悲しいよね」という共感の声かけはせず、ただぎゅーっと先ずは抱きしめました。
 
少し落ち着いた後で・・・
 
「そうなの?」
「どうしてそう思ったの?」
 
否定も肯定もせず不安を分解する対話をしていきました。
 
すると、息子の口からぽつ…ぽつ…と、感情が「言葉」になっていきます。
 
漠然とした不安は、「言葉」にして分解していくことで、整理整頓されていきます。
 
感情を言葉にするお手伝い、感情の整理整頓をするお手伝いになる「ホームカウンセリング」は、ペアレントトレーニングで学ぶ重要なコミュニケーション術の1つであり、繊細な子の対応において欠かせない対応スキルです。
 
以前だったら、ネガティブ感情からはしばらく抜け出せなくなっていた息子でしたが、こんなホームカウンセリングを通して気持ちを切り替えるのがとても早くなりました。母の日の号泣の後も、数分後にはいつもの息子に戻っていたのです!
 
 
もちろん、いきなり上手くいくことはなく、繰り返しコミュニケーションを重ねることで息子も感情を言葉にできるようになっていきます。
 
普段から繊細な子どもの心と脳をリラックス状態にさせる親子のコミュニケーションをとり、感情的になっても言葉で感情を引き出して感情の整理整頓をお手伝いしているから、切り替えがうまくできるようになるのです。
 
お子さんがネガティブ感情から抜け出せず、何とかしてあげたいと感じておられたら、ぜひご相談くださいね。
 
 
執筆者:むらかみりりか
繊細っ子の脳を育てるココロ科学ラボ代表
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
 
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