繊細な息子には通っていた保育園が合わないと感じ転園をしましたが、状況は変わりませんでした。保育園を変えたら問題が解決すると思っているママは、私のようにまた同じことで壁にぶつかるかもしれません。どこに理由があるのか?それに気付くためのヒントをお伝えします。
1.保育園が合わずに転園!それでも子どもは変わりませんでした
繊細な息子は1歳半検診で一切しゃべろうとせず、心も開かず、後日のフォローアップ相談で「場面緘黙(かんもく)があるねぇ」と言われたことがあります。
家ではしゃべるのに、外ではしゃべらない。
挨拶しなさい!なんでしゃべらないの?と促しても、しゃべりませんでした。
そんな我が子は保育園では
「給食を食べようとしません」
「お家でも食べさせてくださいね」
と保育園側から話があり、偏食の心配もありました。
「ベッて吐いてでも食べさせました!」
「今食べれなかったらずっと食べれませんから!!」
先生の発言に驚き、同時に必死さも伝わってくるのですが、食感的に本当に食べれない食べ物も多くあったのに強要されていました。
こうあらねば!がハッキリした園だったので2歳児クラスになると
「絵本の時間に参加しません」
「トイレに行こうとしません」
など、とにかくできないことへの指摘が多くあり、ザ!集団生活を強いられる毎日でした。
次第に
理解してもらえないんだ…。
環境が合わないんだ…。
と不安や憤りでいっぱいになり、転園を決意しました。
息子には自由な雰囲気が合っているだろうと思い、次に選んだのはインターナショナルスクールでした。
息子は耳が敏感なので英語はすぐに覚えましたが、自分の気持ちを上手に表現できないことは不思議と変わりませんでした。
そして給食も含め、行動の切り替えの苦手も相変わらずだったので、
・給食に集中できずに廊下で食べさせられる
・公園に連れていってもらえない
やればできるはずなのに・・他の子どもたちには通用することが通用しないので・・
「お家で甘やかしてないですか?」
「どうしてあげたらいいですか?」
と先生達は困り、母親である私も困り果てていました。
転園を機に、この子が力を発揮できないのは環境だけのせいではないと悟り、問題はもっと他にあると考えました。
2.繊細な子どものアウトプットの苦手=生きづらさ
転園を経験した繊細な息子は、
恥ずかしがり、
人見知り、
場所見知り
などが顕著に見て取れる子どもでした。
実はこれらの特徴は、ただの性格とも言われますが、全て脳の特性からくるものだということを知っていますか?
脳の特性とは脳のタイプです。
これらの特性は、生まれ持ったものが50%、育つ環境に影響されるものが50%と言われています。
人見知り、場所見知り、恥ずかしがりのタイプの子どもは、「安心の範囲」が狭くて、新しい人、新しい場所、新しいことへ強く不安を感じてしまいます。
さらに繊細な子ども達は感覚の敏感さも併せ持っているため、
周りの情報を受け取る力、インプットが強く、人の表情、空間の雰囲気、これは警戒すること?など、いろんな刺激を感じ取り、ますます「こわい!こわい!きけん!きけん!」となってしまうのです。
息子をはじめ、繊細な子どもの集団での苦手は、
たくさん受け取るインプットの情報、強すぎる不安を
上手に処理する力とアウトプットする力が追いついていないことにあるのです。
我が子を見ていると、特に耳からのインプット力は強いので言語の覚えは早かったのですが、
ざわざわしたクラスの中で
・先生の話だけに集中して聞き取る(処理)
・理解して考えて(処理)
・行動・会話をする(アウトプット)
というような脳の処理のルートがスムーズではありませんでした。
また、行動の切り替えが苦手でマイペースというのも、脳の処理のルートが追いついていないということだったのです。
脳の処理する力、アウトプットする力を育ててあげなければ、生まれ持った力を上手に活かせないばかりか、集団の中での生きづらさにも繋がってしまいます。
では、どのようにして繊細な子どものアウトプット力を高めていったらいいのでしょうか?
3.先回りすることを止めてみませんか?
人の脳は、言葉を通して聞く、理解する、考える、判断する、感じる、行動する、対話する、記憶すると、脳で処理を繰り返すことで変化・成長をしていきます。
そのため、一番そばにいるママとの毎日のコミュニケーションこそが、子どもにとっての一番の「脳育」になります。
脳の特性は、50%は育つ環境が影響するというお話をしましたが、親子の関わりが大部分を占めている!と言っても間違いではありません。
アウトプット力を高めるには、自分で考え、自分で行動し、自分の気持ちを言える力を身につけることになります。
一番身近にいるママとの関わり次第で、自分で考え行動する子どもになるのか、もしくは指示待ちの子どもになってしまうのか…決まってしまうのです。
良いママは頑張り屋さんのママです。子どもの安心・安全を第一優先に考えています。
そのため、
・子どもが傷つかないように危険なことから守る。
・子どもが困らないように先回りして指示する。
そんな場面がよく見られます。
子どもに「良かれと思って」やっているので、まさか子どもの脳の成長を妨げるようなことをしているとは思えません。
しかし、ママが子どもの行動を先回りしてしまうと、子どもの脳が成長する機会を制限してしまうことになります。
子どもを傷つけまいと守っていると、子どもが自分で気づき、考え、行動する経験が少なくなってしまい、子どもの脳が自分で気づいて、考えて、行動する、という経験が圧倒的に不足してしまいます。
先回りしてしまってないか?日々の関わりを見つめ直してみませんか?
命の危険に関わること以外は、子どもは失敗してみて良いんです。
子どもが自分の脳で、考えて、行動することは、成長するのに大切なアウトプット力に繋がります。
我が子の脳がぐんぐん成長する親子の関わりを一緒にはじめましょう!
執筆者:むらかみりりか
繊細っ子の脳を育てるココロ科学ラボ代表
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
繊細っ子の脳を育てるココロ科学ラボ代表
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー